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みたらし団子

進次郎と聖は、静かな午後のひとときを共に過ごしていた。ふたりは仲良く、みたらし団子を頬張りながら、心の距離を少しずつ縮めていく。そのみたらし団子は、進次郎の好物であり、聖を誘い出す口実となった。飴色のタレが光に反射し、香ばしい香りが漂う中、少しずつ互いの心を開いていくふたりだった。


ある日、進次郎の兄から手紙が届く。彼は封を開ける前に、不注意から手紙を落としてしまった。聖は落ちている封書に気付くと、手紙の封が汚れていたためにあて先が読めないことに困惑した。好奇心から手紙を開くと、そこには進次郎の兄からの思い遣りが詰まった言葉が並んでいた。進次郎の大切な家族からの手紙だった。


手紙の中には、彼が大好きなみたらし団子についても書かれていた。聖はそのことを思い出し、手紙を返すと同時に、みたらし団子も一緒に進次郎に渡した。その温かい感情が広がった。


聖は耳が不自由で、彼女の周りには隊長以外殆ど人がいなかったため、進次郎にとっては近づきがたい存在だった。しかし、彼女はどこか特別な印象を与える鬱蒼とした雰囲気を纏っていた。聖は手を取り、言葉を述べた。「進次郎様に、大切なお兄様の手紙をお渡しできて良かったです。お手紙、勝手に読んでしまいすみません。そのお詫びに、手紙に書かれていたお好きなみたらし団子をどうぞ。」彼女の言葉は、優しさに満ちた気遣いに溢れていた。


進次郎は彼女の識字能力に驚かされた。彼女は名家出身の進次郎と同様、一般的な文章よりも高度な表現を理解できるほどの教養を持っていた。聖の能力の高さと剣気の才能に圧倒され、また、彼女の優しさに惹かれずにはいられなかった。


その瞬間、進次郎の心の中に温かな火が灯る。彼女こそが将来の嫁にふさわしい存在だと確信した。しかし、障害は大きかった。その名も飛鳥隊長。進次郎は、果たしてその壁を乗り越えられるのか、不安に苛まれつつも、聖との関係を育んでいきたいという強い意志を抱いた。彼女との未来が、淡い期待に溢れていた。

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