桜の妖精
春の麗らかな陽射しが、髪を透かし、白金色の光をまとう。その姿は、まるで夢の中を漂っているかのようだった。若い妖の討伐隊は、思わず彼女に目を奪われてしまう。彼らの中にいた一人の青年、赤木進次郎は、特にその姿に心を奪われた。彼の胸の高鳴りは、まるで春の息吹を感じる花開くように、どうしようもない衝動に駆られていた。
進次郎の目に映る彼女は、桜の妖精のように白く輝き、柔らかな笑顔を浮かべていた。その姿に心を奪われた瞬間、彼の鼓動は、彼の意志を超えて、ただ彼女に向かって羽ばたいていく。彼は、その美しさに引き寄せられ、今まで知らなかった感情に戸惑いながらも、彼女の数歩先を追いかけた。
しかし、その姿があまりに儚く、遠いものに感じられたのもまた事実だった。彼女が持つ光は、決して彼の手の届く場所にあるものではなく、さらに闇が迫る討伐隊の一員としての運命が、彼を現実に引き戻していた。進次郎は、その胸の痛みを抱えながら、彼女に少しでも近づく方法を模索していた。
だが、春の光の中で、彼女はいつも笑顔をたたえ、その優雅な姿で周囲を包み込んでいる。進次郎は、自身の心の中で揺れ動く思いと、彼女の笑顔との間で、切ない葛藤を繰り広げていた。この春の日差しの中、彼はその麗しき桜の妖精を守るために、戦う覚悟を決めたのだった。
「……というわけで、今日から聖をこの妖討伐隊、城西第一部隊に見学させる。まずはお前たちと手合わせをさせたいと思う。」
隊の中からざわめきが起こった。飛鳥隊長が連れてきた、まるで妖精のような少女が一体何を成し遂げることができるのだろうか? 確かに彼女は袴姿である。しかし、聞くところによれば剣を握り始めてからたったの2年だという。華奢な身体つきから判断するに、これはお稽古ごとの延長線上に過ぎないのではないかと、若干の軽蔑を抱いてしまった。
しかし、その考えは手合わせが始まった瞬間、後悔へと変わった。彼女の剣はまるで風を切り裂くかのように軽やかで、動きには驚くべき鋭さがあった。ほんの一瞬のうちに、彼女の真剣さと実力が、彼らの先入観を打ち砕いていく。彼らは彼女の剣の前に次々と圧倒されていくのだった。