斉藤さんの発明
「仮面被ってへーんしん!とぉー!」
「何になるかな。何になるかな」
「でん!おてんてんエクスカリバー!」
「はいアウト!文字に起こしてるぶんにはセーフだけど、今僕の目の前にいるのは明らかに露出趣味の変態野郎の格好だもん。終わったわこれ」
「ええー、別にいいでしょ。ここ俺んちだよ?」
「自分の家だからってハメはずしてこんな格好になってるやつが友達なら、僕は縁を切ることを考える」
「うっそ、これってそんな恥ずかしいことなんだ。まあいいけど」
「よくないよくない!そこまで気づいたなら着替えてこい変態野郎」
「はいはいわかったよ。へんしーん!解除!」
「ほんとどういう仕組みだよそれ。いつもの学生服に戻ったし」
「これは俺の研究成果……じゃなくて隣のクラスのデンジャラス斉藤に試してくれって貰ったやつ」
「アイツなんで変態に変身する道具作ったんだよ。需要ないだろこれ」
「あー、いや需要はあるよ。だってこれ股間から生えてるエクスカリバーの長さを調整できる機能がついてて確か最長は……13キロや……」
「やめろその台詞をここに持ってくるなバカ野郎。他の誰もが許しても俺だけは絶対に許さないからなそれ」
「これが事実陳列罪……か。なんて理不尽な」
「突然その変身を見せられた僕の方が理不尽だよ。はよ返してこい」
「えぇーやだやだ!これ俺のにする!俺のにする!」
「ワガママ言うんじゃありません!そうやってたまってったデンジャラス印の試作品押し入れにどれだけたまったのか忘れたか!」
「そんな貯まってないよ。ほら押し入れを開けると……。雪崩が起こってる。今日は雪降ったからなー」
「桜舞ってるぞ現実から目をそらすな。それと家の中に雪なんてそうそう貯まらんわ」
「えっとお……えぇっとお……。まあなんとかなる!」
「ならんわ全部返してこい!だいたいもう使わないだろこんなもん!いいかアイツが作る発明品は基本的に極少人数にしか刺さらないような物しかないんだよ!故に使わん!返すか捨てろ!」
「断る!なぜならそれは……」
「なぜならそれは……なに?」
「発明品の情報が漏洩しないように、そう考えた瞬間に爆発するようになっているからである」
「きゅいいいいいいいいいいん!」
こうして僕らは星になった。みんなも情報漏洩とかいろいろ気をつけようね!ちゃんちゃん。
たんぺんはんぺんけいこうぺん