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勘弁して!2

頭が痛い

(昨日、そんなに呑んだっけ?)

昨日………、昨日は………

記憶が巻き戻るように蘇って思わず飛び起きた。

「痛たたた………」両手で頭を抱える。

急な動きに頭が割れるように痛んだ。

「アリアンローゼ様お目覚めですか?」

私のうめき声に可愛らしい声と共に、侍女姿の少女が部屋に入ってきた。

「どうなさったんですか?!」

頭を抱えてうめく私に駆け寄って肩を支えて顔を覗き込む。

ゆっくりとベットに横にさせてくれて、

「少々お待ちくださいませ。人を呼んで参ります。」

と戸口へ向かおうとするのを袖を掴んで引き留めた。

「…アリアンローゼ様?」

「………待って大丈夫」

ゆっくりとこの子の記憶が流れ込んできた。

「エレ。ごめんなさい。怖い夢を見てびっくりしただけよ」

息を整えてにっこり笑う。

「もう、大丈夫。洗顔の用意をしてくれる?」

「はい只今。」

疑わしげに私の様子を伺いながらそれでもエレは退室した。

笑顔で彼女をベットの上から見送って、扉が閉まった途端に鏡の前に駆け寄った。

「………………………」

思わず膝から崩れ落ちた。

そこにはミルクに真紅の薔薇を浮かべたような滑らかな肌に絹の艶やかさの白金の髪、煙るような紫水晶の瞳を持つ極上の美幼女がいた。

「ア、アリアンローゼ………………?」

なんだか聞き覚えのある名前だと思ったのだ。

あの!「光の乙女と薔薇の騎士団」のヒロイン?

ゲームとはいえ、片っ端から周りの男達の婚約者や親族の姫君たちを破滅させ、何食わぬ顔で世界を救う………………

「いや〜〜〜っ」

私が何をしたというのか?

結婚間際の婚約者に振られ、いやその前にも散々な男運だったが…、可哀想に思った神が乙女ゲームのヒロインに転生させてくれたとか?

いやいやいや、せめて本人の希望を聞いてくれ。

もう男なんて懲り懲りだ。

攻略対象の男達に言い寄られるのも、人を破滅もさせたくないし世界も救いたくない。モブキャラでいいから、静かに地味に暮らしたい。

勘弁して〜!!!



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