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第4話 ブラッディベア

 大きな音が辺りに響き木々を倒して、ブラッディベアが私の目の前を飛んでいく。

 するとどこからか幼児のような、幼い声が聞こえた。


『呼ばれて飛びでて…ジャ…、ジャ…、ジャガ、ジャガリコ…』


「……………………………。」


 辺りを見渡すと私の頭上より高いところに、なにかが浮いていた。

 それは赤いマントと中折れ帽を被ったリス、いいえモモンガだった。

 まさか、そんな?!

 この子が助けてくれたの?


 私の目の前で両手両足の「皮膜」を精いっぱい広げて空中に止まっている。

 下から見上げるとその姿はまるで『空飛ぶハンカチ』だった。



『プシュプシュ、キュッキュッ』

 モモンガが私の目の前に降りてきた。

 まるで私に話しかけるように。


『キュッキュッ、キュッキュッ』


 この子が助けてくれたのね。

 そうとしか考えられない。

 なぜならイキナリ、ブラッディベアが吹き飛ぶわけがないから。


 グルルルル…。


 いけない。

 ブラッディベアが首を振り立ち上がる。


『チッ、カチカチ、カチカチ(ちっ しつこいやつだ)』

 私にはモモンガが舌打ちをして、そう呟いたように聞こえた。


 するとモモンガはブラッディベアのところまで降りた。

 そしてなんと、パンチの連打を浴びせ始めたの!!


「「ドカッ!!「「ドカッ!!「「ドカッ!!「「ドカッ!!

 「「ドカッ!!「「ドカッ!!「「ドカッ!!「「ドカッ!!

  「「ドカッ!!「「ドカッ!!「「ドカッ!!「「ドカッ!!

  「「ドカッ!!「「ドカッ!!「「ドカッ!!「「ドカッ!!

 「「ドカッ!!「「ドカッ!!「「ドカッ!!「「ドカッ!!


チチチ(アチャ~)キュッキュッ(アチャチャチャ)チチチ(アチャ~)


 目で追えないくらい速さで、小さい拳が振り上げられる。

 か細い小さな腕のはずなのに、それに打撃音が凄い。


 この子が高位の魔物なら私では勝てない。


 そして魔物は()(すべ)も無く…。


キュッキュッ、(お前はもう)チチチ()


〈〈〈〈〈 アペシッ!! 〉〉〉〉〉


 ドサッ!!


 最後に魔物はそう鳴くと倒れた。


 私はなにを見ているのかしら?

 突然、赤いマントと中折れ帽を被ったモモンガが現れ、ブラッディベアをフルボッコにした。

 それだけでも信じられ無いのに…。

 モモンガは私の目の前に降りてきてこう言ったように聞こえた。


『プシュプシュプツプツ、キュッキュッ(お怪我がありませんか? お嬢さん)』


 確かにそう言ったように聞こえたから…。

応援頂いてありがとうございます。

物語はまったり、のんびりと進み更新は不定期となる場合もあります。

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