閑話:X地点にて
「草木が成長し、やがて果実をつけるに至るには、水が必要不可欠だ。水をやらなければ枯れてしまう。しかし、水をやりすぎても枯れてしまう。私が何を言いたいかわかるか?」
「う〜んと。仕事してくれる?」
「くだらん。コレだから貴様と一緒にいたくはないのだ。児戯に等しい世間話でさえロクに交わせん」
「児戯とはよく言ったもんだなぁ。オヒメサマの言うことは大体めんどくさい比喩だ」
「比喩ではない。観測できる事象だ。貴様もわかっているだろう」
「ハイハイ、わかったよ。後でね、後で。今はこの子設置しなきゃでしょ?ほら、そっち手伝って」
「一人で勝手にやっていろ。私はこの辺りを散策してくる」
「コラコラァ。勝手にどっか行っちゃダメでしょー。オヒメサマは、仕事しねぇならちったぁその頑固な頭やぁらかくして黙って見てろ」
「貴様が、面白いものを見せてやると言ったから私は付いて来てやったのだ。しかし、それを手伝えなどと抜かしたのは貴様だ、違うか?」
「はぁア。コレだからオヒメサマは扱いにくいんだよ。……ったく。外出てゴキゲンかと思ったらコレだよ。おいそこ危ねぇぞ。瓦礫退けんだよ。テメェは自分で退け」
「貴様はいつも、口調と表情が釣り合っておらん。気色が悪い。何だその笑みは、吐き気がする」
「とか言ってるくせに、退いてくれちゃうオヒメサマやさし♡」
「黙れ、下郎。早くしろ。いい加減飽きてきた」
「…………心なんてのは、所詮自己中心的な塊だ。どんだけ優しくしてやっても応えねぇし、どんだけほっといても話しかけちゃくれねぇ。だから、引きずり出してやったのさ。苦労して、俺直々に設置しに来ただけの甲斐はあるだろうぜ。見てろ、オヒメサマ。今に大量の心が実る」
「わかっているなら、さっさと答えればいいものを。それと、その笑みを止めろ。怖気が走る」
「やめられるかよ。これから始まるんだ。もっと面白くなる」
度々こういった話を挟みます。しっかりと物語本編との関連性はあります。