表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

暁を待つ水底

作者:涼澤

 十数年前、湖のほとりの小さな町を騒然とさせる事件が起こった。

 冬の夜、小学校高学年の男子が姿を消したのである。
 翌日学校に来なかったために判明し、有志の人たちも巻き込み、空き家や森林を懸命に探したが、見つけることは出来なかった。
 春を待ち、氷に閉ざされていた湖の捜索も行われたが、数ヶ月に及ぶ捜索の甲斐もなく、終にその身体が発見されることはなかった。
 そして、捜索は打ち切られたのだった。

 少年の捜索と並行し、警察による犯人探しも行われた。
 少年が姿を消す数ヶ月前、母親が病で亡くなっており、その頃から父親の様子がおかしくなっていくのに近所の住人は気付いていた。
 仕事に行っている様子はなく、ボサボサの髪に無精髭を生やし、何日も洗っていないような格好で、いつも酒に酔っていた。
 心配して声を掛けることもあったらしいが、怒鳴り散らされ、いつしか誰も近寄らなくなっていた。
 警察は真っ先に父親を疑ったが、正気の様子ではない男は事件に関することは何一つ話さず、目撃証言や確たる証拠もなく、逮捕までは至らなかった。

 少年が姿を消してから半年ほど経ったある日、事態は急転した。

 父親が一人で住んでいた家で火災が発生した。
 周囲に被害はなかったが、全焼した一軒家からは一人の焼死体が発見された。
 遺体とその周りの燃え方が激しく、灯油が撒かれていたことから、男の焼身自殺であると結論づけられた。

 それから十数年経った今でも、未だに少年は見つかっておらず、真相は深い水底に沈んだままである--。



※カクヨム様にも掲載中
暁を待つ水底
2022/03/12 23:00
星の夜
2022/03/12 23:00
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ