儂。子の為に頑張る。
儂、ユート・ランドルトは転生者だ。
風切悠人。
儂が日本で暮らしていた時の名だ。
初めは転生した事に喜びを感じていた。魔法が使える世界でチートすることを夢見た。
そんな儂は理想と現実の違いに打ちのめされた。
転生してから、儂は数多くの仲間を失った。
両親、幼なじみ、パーティー仲間。
彼らはモンスターに殺された。
儂は見てることしかできなかった。自分の力の無さに絶望するしかなかった。
しかし、"きっかけ"があり、儂は英雄となった。
"英気の森"を歩いていた時、籠の中の乳児を見つけた。
その子はモンスターに食われる寸前だった。
歳をとったからか、儂は英雄の"資格"を失っていた。
"資格"のない儂は力になれないのか。
また目の前で奪われる。仲間の死が繰り返されてしまう。儂はまた見ているだけなのか。
いや、残り少ない命、次の世代に託すのも悪くない。
そう思った儂は覚悟を決めた。次の世代を助ける覚悟を。
すると儂を淡い光が包み、甘美な声が頭に響いた。懐かしい感触だった。
<ミナスの祝福ーー称号を授与>
称号ーー英雄王之守護
獲得条件ーー資格を宿す者を護る覚悟
効能
◼◼◼◼◼◼
その力で子どもからモンスターを引き離すことが出来た。
そして、アースとエリーと名付けた子らは、それはそれは立派に育った。
そして今アースは明らかに異質な存在と対峙している。
儂は骨の檻に捕らえられ気づく。
称号がない。
力がない。
アースを守れないと分かり絶望してしまった。真に絶望するのはアースなのに。
子の命がかかっている。儂が思い出させねばならぬ。力を得る方法を。守る方法を。
そして儂はアースの為に声を絞る。
「お前の夢を、憧れを思い出すのじゃ」
その声がアースに届き、儂の子は覚悟を決めた。
与えられた称号は"英雄王之兆"
儂は……嬉しかった。
爺の気持ちや実情いかがでしたでしょうか。
主人公だけでなく、他の登場人物の気持ちなど、書いて欲しいことを伝えて頂けたら嬉しいです!!
よろしくお願い致します!!