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魔力のない僕は英雄に憧れる  作者: Saisai
少年。力を得る。
4/43

少年。遭遇する。




英雄になりたい。


誰かを救うヒーローになりたい。


かつて英雄と呼ばれた(ミリガ)のようになりたい。


ーーーーーーーーーー例え魔力がなくたって。


固い意思の元、また努力することを決めた。誰かを守るために。


いつも通り剣の鍛錬をし、朝ごはんをとる。


今日は昨日と同じように"ホーンラビット"を狩る予定だ。


朝食を取り、アース、エリー、爺でまた森の奥へ向かう。昨日とは違う、新しい気持ちで。


森に入って少ししたら、1匹の"ホーンラビット"がいた。


2回目ということもあり、難なく倒せた。


ーーーーーーーーーーはずだった。


その"違和感"に気がついたのはモンスターの死体を見た時だった。


その死体から、血が流れていない。深紅の血がない。


その事に気がつくと、爺が鬼気迫る声で


「アース!!直ぐにそこを離れるのじゃ!!」


人生で初めて聞いた爺の焦る声。


爺の声が聞こえるのとほぼ同時に、僕は横に跳んだ。


僕がいた場所を地面から突き出た骨が抉る。鋭い杭が無数に目の前に現れる。


爺とエリーの場所にもその骨は突き出るが、爺が防御魔法を使用したおかげで事なきをえた。


流石元冒険者だ。行動が素早い。


しかし、2人がいる場所は骨でできた檻のようになっており、爺が脱出を試みて、何度も剣を振り、火魔法を唱えるが……できなかった。


爺はアースの剣の師匠でもある。腕は折り紙付きだ。だが、得意の火魔法も骨の檻に傷1つ付けることはできなかった。


アースは2人と離れて、"ホーンラビット?"と向き合う。


ここではそいつを亜種と呼ぼう。


"ホーンラビット亜種"は明らかに歪だった。


その瞳は紅く、体毛は逆立ち、発達した脚は血管が浮き出ている。先程倒した"ホーンラビット"には似ても似つかなかった。


変貌した亜種を見て、本能が告げる。敵わない。絶対に。


そのモンスターを自分1人で相手しなければならない。気がつくと動けなくなっていた。


そしてすぐに、亜種が額の角を地面に突き立てた。


直後、僕の足元が地響きを起こし、また骨が突き出る。


僕は咄嗟に剣を盾にし、直撃を防いだ。


一瞬でも『遅れていたら』死んでいた。


頼れる爺は檻から出られず、この場を切り抜けるのは僕しかいない。


逃げることは出来ず、倒すこともできない、絶対に敵わないモンスターとの戦いが始まった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 急展開による緊迫感が出せていると思います。 (・∀・)b〈そういうのすき!! イイネ!! また、二話でのホーンラビットの姿の描写が詳細になった事で、亜種の歪さがより伝わるようになりまし…
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