2家族
夕刻の少したった頃、ハルスとの会話を楽しんでたとき。
何処で聞きつけたのか家族の使いの人が私を見つけてしまい。強制的にハルスから離されそうになってしまう。
私が時間を戻って幼い頃の時代にいるのならば、この時期は舞踏会で貴族主義が強い交流戦が繰り広げられている可能性もあり、下手に家に帰宅した場合。
家から抜け出した事を両親が知り授業をさぼったとみなされて足枷つけての料理抜きだろうと推測できて、ついハルスの服を掴んでしまった。
そんな私の不安な気持ちも気づかない、使いの人は私を引っ張り強引に連れて行こうとしてハルスの服から手が離れてしまった。
嫌だ! と思うも使いの人は力の強くて、腕にキュッと痛んだけれども我慢して諦めと寂しさでそのまま引っ張られ連れて行かれそうになった。
そのときずっと黙っていたハルスが使いの人の腕を掴む。
使いの人は一瞬ハルスを見て嫌悪の表情を浮かべる。
「またハルス様ですか、よくよく一緒にいらっしゃいますね。」
目は笑ってないのに口調が冷たい使いの人の失礼な態度にハルスは、にっこり笑い静かに、ただ淡々と彼女の手から汚い手を離せ!と命令していた。
静かな口調にビクッと使いの人はなり、私の手を離してくれた。子供に命令され従ったことが悔しそうだったけど、実際にはハルスの存在は上なのもあってか一瞬私を睨むも。
ハルスを見て嫌悪感を感じる表情だったものから敬意を向けた態度をし、私を迎えに来た理由や家族が私を血眼に探している事情を話してきました。
その事柄を耳にして私は余計に嫌な寒気と帰った後の仕打ちに恐怖心で、下を向いていましたらハルスがフーンとだけ言って、私の手を掴んでくる。
唐突な行動に驚き彼をみると、暖かな笑みで私を見る。
「今日はさ。僕が一緒に家まで帰ってあげる、ちょっとだけ君の両親には前から話し合いしておきたかったんだ。ね!良いよね。」
「え? でも急に行って前みたいに怒鳴られると...。」
そこまで言いかけたんだけど、ハルスが私の頭を優しく撫でてくるのと暖かな笑みに浸って、側にいてくれる喜びの方が勝ってしまいコクンと頷いていた。
次に使いの人にも見て良いよね!と私に言っていた口調よりも冷めた声音に、使いの人が顔を青くしていた表情を見逃していた。
帰宅の道中は帰りの億劫さもなく、私の隣にはハルスがいて色々な話題を振っては楽しませてくれ、後方には使いの人が迎えに来たときとは違い黙って歩いていた。
数刻のあと私の家に着くと使いの人が一応の礼儀としてドアを開けて下さり私とハルスが家に入るなり、バタバタと二人ぐらいに足音が近づいて、私を見つけるなり睨むと冷めた声音で口を開きかける。
しかし使いの人が急ぎお父様に耳打ちするなり側にハルスの存在を認識して顔色を何故か変えている。
理解しがたい状況に呆気にとられていた。
私の記憶では、この時も昔もハルスに対して顔色なんて変わったこともないと思う。
それにハルスも一緒に家に来るなんて、あの時以来なかったはずなのに、どういうことかと理解し難く疑問符ばかりが頭上に浮かんでる状態だった。
暫し状況についていけずにいたら
「さて、少しだけ話せたし。僕のような生意気な態度は気にくわないでしょうが、今後とも宜しくお願いします。」
「.......わかった。」
「ええ。」
「では、僕は帰りますが約束は守ってもらいますからね。あーあと、時々は彼女の時間は貰いますので悪しからず。」
淡々と要件を話していたようで、私が物思いに耽ってる間には会話はハルスの帰ることになってたものだから
掴まれてた手に力を込めてしまう。
「あーもう、おまえって今日は本当に甘えたがりだよな。まあ、その方がやる気出るけどさ。」
「え? 何か言った、小声で聞こえずらかったんだけど。」
「今日は大丈夫だって言ったんだよ。」
軽い言い方とニカッと笑う姿が眩しくて安心してしまい
コクンと素直に頷いていたのでした。
ハルスが大丈夫だとハッキリ言ってくれてるなら信じられるから。