ゴブリン狩り②
主人公が少し強くなります。
ゆっくりと石斧が私の頭に降りてくる
嗚呼、、死ぬ前にもう一度ラーメン食べたかったな
ケーキ食べておけばよかった
ビール飲んでおけばよかった
激カワギャルに声かければよかった
素直に謝っておけばよかった
色々なたらればが思い起こされる。
そして最後に
家族に会いたかったなあ
と思う
いや
違うだろ。
常に私は後から後悔しないように自分が今できる最善を選択してきたはずだ。だから今だってもっと考えなきゃダメだ!!
考えろ考えろ何でもいいから今できることをするんだ
そう自分を問い詰めたとことで一つゴリさんから渡されたキノコを思い出す
【結構頑張れる。】
「ええい、なんでもやってやるわ!ボケええ」
寸前で横に転がりながら私は毒々しいキノコを口に入れて一気に飲み込む
【グゾオおおお、ツギハハズサネエゾ】
二回も自分の攻撃が急所を捉えきれないことにイラついたコブリンが牙を剥き出している
でも私はそんなゴブリンがすでに気にならなくなるほど、今の自分の状況に精一杯だった
ドクンっ
ドクンっ
体が熱い
至る所に心臓があるように、全身が脈打ちおかしくなりそうである。
先程殴打された左肩を見ると真っ赤に光っている
「ぇえ!!どういう事?!」
真っ赤な光が収まっていくに伴い痛みも引いていく、と同時に動きたい衝動がやってくる。
動きたい動きたい止まったら死ぬ
狩りたいカリタイカリタイ
【ブオォォーン、、、】
仲間を呼ぶために角笛を吹いた音を合図に
私はゴブリンに掴みかかりそのまま頭突きする
ゴブリンもすぐ、腕をつかみ首筋に噛み付く
ガブッ
痛くない。不思議だ。なんでも出来そうな気がする。
噛み付いてきたゴブリンにヘッドロックして、思いっきり捻るとゴギッという、小気味良い音とともにゴブリンが動かなくなる
そのまま駆け出して角笛を吹いていたゴブリンにククリナイフを思いっきり振りぬくと、そのゴブリンの胴体を両断する事ができた。
「す、すげぇ、、これが俺」
身体中から湯気がでており、さきほど噛み付かれた噛み跡も、赤く光り痛みが無くなりつつある。
まだ動きたい衝動は抑えきれない
キノコを食べた瞬間から、体の治癒と、身体能力が向上するようだ。本当にギリギリ助かった。
すでに身体中の傷は治っており、朝よりも調子が良い。
その時、もみくちゃになって、横たわっているゴブリンが白く光り、私に吸い込まれる。白い光が無くなったところで、更に全身に力が漲ってきていることがわかる。これが、経験値を吸収している事になるのか。
自分が少し強くなっていることにワクワクする。
洞窟の奥からはゴブリンの鳴き声やら足音が聞こえてくる。先程の角笛のせいで洞窟のゴブリン達が呼び寄せられたんだろう。
まだまだ動きたい衝動は収まらない。
「狩り尽くしてやるわ!!」
勢いよく私は足跡のする方へ駆け出した。
★
【ねぇー、ZAKOさん死んだかなー】
【死んだな】
結局ZAKOさんは、夜になっても帰ってこなかった
翌日うさちゃんは、ゴリさんと合流し様子を見に来たのだ
【結構リアクション面白かったから、楽しかったんだけどなぁ、残念】
【お墓作ってあげる】
2人でゴブリンの洞窟を散歩していると、全くゴブリンに出逢わないことに違和感を持つ、1番奥の広間までたどり着いたところで、50体程のゴブリンの死体を見つける
【何これ、どういうこと】
一際大きなゴブリンの喉元にククリナイフを指したま倒れている全身血まみれのZAKOさんを見つける、見ると死んではいないようだ。しかし
【なんで、全裸なんだろうね】
【知らん。汚いからうさちゃん担いで】
【俺だって嫌だよ、ロープで括ってひきずっていこう。】
1日でゴブリンを全滅させるとは、通常の人間なら出来ないはず、それにゴブリンは案外臆病な性格なので、こんな1度に倒す前にある程度逃げるのが定石だった。うさちゃんもその事は知っているが、それ以上に全裸で寝ていることが衝撃すぎて、気を取られ、特に気にすることなく引きずり連れて帰るのであった。
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