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1.朝目覚めると草原でした。

初投稿となります。

週2投稿を目指します、50話くらいで完結できる話を書こうと思っています。

よろしければ読んで、コメントください。

朝目覚めると、草原だった。

心地の良い風が吹いており、夢と思って二度寝をする。



二度寝から覚めても、まだ草原にいた。

「おかしい」


昨日は確か子供寝かしつけしていたら、そのまま一緒にベットで寝たはずだ

現に、半袖半ズボンの寝間着の恰好のままだし、裸足だ。


あれか?

異世界転生的な展開なのか??

ということは、私は死んだのか?でも神が降臨して云々な展開もないし。

「まあ、、いっか」

悩んでも仕方がない。

とりあえず現状確認しようと腰を上げる。


辺りを見渡しても、果てしなく草原だった。

腰丈くらいまで伸びた雑草がぎっしり生えている。


それでも風だけは気持ちよく、過ごしやすい環境だった。


「ん?向こうにうっすら山が見えるぞ」

とりあえず、草を足に巻き付けて、足裏を守り私は歩きだした。



2時間くらい歩いただろうか。

うっすら見えていた山は、既にはっきり見えるようになり、その下に森も見えてきたころ

川の音が聞こえた。


「水だッ!!」

起きてから何も口にしていない為、音のなるほうへ駆け出した

草原だった視界がひらけて、森が現れ

森の前に、5メートル幅くらいの小川があった。


「うまっ!!水うまっ!!!」

一気に緊張が緩み、顔を付けて冷たい水を堪能した。

足もパンパンな為、そのまま川に足を入れ、落ち着いた


「そろそろ会社遅刻だな、、嫁も困っているんだろうな」

仕事や家族のことを考えると急に現実に戻された気分になるが

その現実(日本)に戻れない状態なのだから仕方がない。

「まずは、生きることだな。そして帰る事を考えよう」


目標は持てたが、今の恰好は半袖半ズボンに、草で保護した足

スマホも、時計も何も持っていない為、心細い

水がある先には誰かいるだろうと思い、川に沿って下流に歩くことにした。



たしかに私の予想した通り誰かはいた。

しかし人間ではなかった。

小学生くらいの身長で槍をもった緑色の人

ゲームや異世界小説の知識的には、多分ゴブリンだろう。。

20メートル先に2匹おり、まだ私には気づいていない。

片方が川で水を飲んでおり、もう片方が何か獲物を洗っているように見えた。


「これは倒して、経験値ゲットして、レベルアップして強くなれるパターンか?」


ゴブリンという全く現実世界と違うものを見つけた結果

ここは現実世界とは違う場所ということは既に確定している

そうなると、ゲームや小説などの異世界転生な流れではないかと勝手に予想し

私は倒してみることを決意した。


といっても、武器はない

草原の中に転がっている比較的大きめの石を手に取り

草原からゴブリンの場所までゆっくり回り込む


まだ2匹とも川のほうを向いており私に気づく素振りはみえない。

真後ろの草原までたどり着き一気に畳みかけることにした。


「とりゃッ」


草原から一気に走り、そのままの勢いで水を飲んでいたゴブリンの背中に飛び蹴りをかまし川に落とし

獲物を洗っていたゴブリンの後頭部に石を握った手で殴りつけた。


【グアッ】


川に落ちたゴブリンはそのまま2メートルくらい流された場所で止まり

獲物を洗っていたゴブリンは後頭部を抑えながら私を睨みつけた


【ワレイキナリナニシトンジャぁあああ】

「ぇ?」

【クソアタマイテエジャネエカ、ウア、チ、デテルワ】


なんだろ。片言であるが確かに聞き取れる、彼らの言葉


「あのゴブリンて喋れるんですか?」

【ア???オマエオレノコトバガワカルノカ?】


両者がお互い???状態で見つめあっていると


【俺の獲物返すっすよー】

という声が森から聞こえたと同時に矢がゴブリンの頭を貫いた。

【グェ】

目の焦点がおかしな方向に向いたゴブリンがそのまま倒れる。

「えーっ?」

私が急な第三者の登場と、結構グロくなったゴブリンの顔にビビり尻もちをついた。


森の奥から現れたのは、二足歩行をしているウサギであった。



明らかに顔はウサギであったが、狩人のような服を来ており、何より二足歩行をしている。

実写版ピー〇ーラビットのような感じであった。

【あれー?川にもいたんすか、ヨッと】

そういいながら目にもとまらぬ速さで矢を放ち川にいたゴブリンの頭を貫く


外見はめちゃくちゃにかわいいし、一見優しそうな声をしているが

行動はエゲツない、私じゃ絶対飛び越えられない川をなんなく、飛び越えて向かってくる。

そんなウサギに対して、私は息をするのも忘れて固まってしまっていた。


【あれれー?こんなとこに人間なんているんだ、珍しいー、まあ見た感じ雑魚っすねー、雑魚確定ププー】

ウサギが先ほどまでゴブリンが抱えていた獲物に足を進めながら、私を一瞥し感想を吐いた。


「雑魚でごめんなさい。そして、助けて下さりありがとうございます、、」

私はようやく、呼吸を思い出し、助けてくれたウサギに頭を下げてお礼を言った。


【ええー!!!俺の言っている言葉分かるんですか?!お兄さんすごいね!初めて!】

「あ。やっぱ言葉分かるって珍しいんですか?」

【珍しい!のかな?俺も人間と関わる機会少ないからその辺はわからないすけど、少なくとも俺は聞いたことないっす】


いきなり凄い場面を見て、萎縮してしまったが、絡んでみると良く喋ってくれる。

それになぜか口調が中途半端な敬語で親しみやすい。

これは、ガンガン頼ってしまっていいのではないかと考え、行動する。


「そうなんですね、実は朝起きたら急に、この世界?にきていて、右も左もわからない状態だったんです。だから色々教えてもらえないでしょうか?」

私の中で考えられる一番の困った顔と、低姿勢で訴えてみた。これでダメなら諦めようと思っていると


【いいっすよー。でも、ここではダメっす。血の匂い嗅ぎつけて向こうからあいつらの仲間の足跡が聞こえるから、俺の家まで一緒にいくっす】

そう言ってウサギは片手に獲物を担いで軽々と川を飛び越えていった。


私は従うのまま、置いていかれないように腰丈までの深さの川を一生懸命渡るのであった。

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