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全く父様は私に何のようでしょう?
めんどくさいですね。
父様はどうせあの部屋にいらっしゃるんでしょう。
王の間に。
にしても城が広すぎて移動がめんどうですね。
普通の人なら慣れるのにも苦労するでしょう。
はあ~転移魔法使いましょうか?
でも使うと周りが煩くなるんでしょうね。
何で5歳の子供がこんな広い城を歩かなくてはいけないのでしょう?
こう考えると苛ついてきますね。
あとで父を絞めましょう。
フフフ。
そんなことを考えながら進んでいると前から知らない男が来た。
誰ですか?この男。
いや…そんなことはどうでも良いですね。
この男とても強いですね。
この男が敵か味方かを判断しなくては。
もし敵なら…殺しましょう。
私は自分がこの男に負けるなんて思ってませんが、子供だと油断してくれている今の方が殺りやすいですからね。
早速話しかけてみますか。
少し遅れても父は怒らないでしょう。
「あの…」
「んっ?何だ?」
「私はこの小人族の王女のリリーです。失礼ですが何方でしょうか?」
「ああ。小人族の。私の名はグレン。龍族の長を勤めるものだ。よろしく、リリー王女。」
「はい。此方こそ。」
龍族の長ですか…。
龍族とは今のところ敵対してませんが警戒を解いては行けませんね。
所で…
「何故龍族の方がいらっしゃるのですか?今日は特別な日でもなかった筈ですが。」
「ああ。今日は小人族の王に少し用があってな。リリー王女はどちらに?」
「お父様のところです。お父様に呼ばれまして。」
「そうですか…それよりリリー王女。本性を出したらいかがですか?」
やっぱりわかりましたか。
ここで惚けても良いんですが…。
私は彼を物陰に連れて誰にも見られないと言うところで立ち止まった。
「貴殿方龍族は私達の…小人族の敵ですか?」
この人には通じなさそうなので此れで行かせてもらいます。
脅し程度に殺気も少し混ぜてみました。
「おいおい。この歳のガキがこれほどの殺気出せるなんてな。すげえーな。お前。」
「私の質問に答えてください。」
「今のところ俺たち龍族は小人族の味方だぜ?」
今のところね…。
「別に良いですけど。」
「おや?あっさり引くね。」
「私、この国に生まれて幸せなんです。もしお前らが敵になってこの幸せを壊そうとするなら…殺しますよ?」
今度は本気で殺気をだす。
「コワッ。安心しろ。お前みたいな怖いやつがいる所を裏切られるかよ。龍族が滅びる。」
…。
「そうですか。おっと長話してしまいましたね。さっさと行きましょうか。」
「そうだな。」
私達は物陰から出て父のいる王の間に向かった。