魔法適正
僕は、シエラに聞いてみることにした。
「僕に魔法は使えるのかな?」
少しどきどきしている。それもそのはず、あんな凄いことが僕にもできるのかと思うと、誰だって興奮するはずだ。
けれど、シエラは少し困った表情をして、それからしばらくして口を開いた。
「あの…今は…わかり…ません。」
なぜわからないのか?それが、頭の中に一瞬浮かんだ言葉だっが、少し冷静なって言葉を切り出した。
「何か…理由があるの?」
そうすると、シエラは小さい顔を下に向け少し頷いた。
「実は… 」
「いやっ、別にいいんだ!」
何か言いかけた彼女の言葉に僕は自分の言葉を重ねた。それは、あまりにも自分勝手だとは分かっていたけれど、つい重ねてしまった。
「きっと、僕には何の魔法も使えないんだろ。だからシエラは気を使って…」
もしかしたら、そんなことはないのかもしれないけれど、彼女の顔は何か困っている感じた。だからきっとそうなんだと思いこんでいた。
すると、今まで小さな声で話していた声が少し大きくなって声が返ってきた。
「違います!!その…魔法が使えるかどうか私には分からないんです…」
いきなりので少しビックリした。けれど自分がどれだけ自分勝手なのかが更にわかった瞬間だった。
「あの…おじいちゃんだったら分かったんですけど…今はいなくて…」
さっきまでの声はなくなり、もとの困っている声に戻った。
「でも…おじいちゃんは…」
すると、彼女の顔はとても悲しそうな、今でも泣きそうな顔になっていた。