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剣戟の幻想物語 3 栄光の舞台  作者: やきたらこ
終章~それぞれの夢~
26/30

3.

 土埃つちぼこりで汚れた白マントをひるがえしたターバン少女が、その手に持った長棒で手近な選手を殴り倒した頃。全身を黒マントで覆ったキリング・クズフトは獲物を始末していた。

「あと……三人……」

 倒れている選手――勿論キリングが倒した――の腹部から勢い良くナイフを抜いた。血が流れ出すが、キリングは特に気にすることもなく歩を進めた。





 目の前から飛んでくる斬撃を大盾でいなす。

 アイゼンを襲った白刃はすぐに引かれ、黒い鞘に戻る。

(リアンが、りあったっつう“抜刀術”か……)

 断続的に続く鋭い剣戟に歯噛みしつつ、剣を振るう。


 対峙する東方の男のその目、それはまさしく真剣そのものだった。

「っぁあ!!」

 強く力を込めて長刀を振るが、敢え無く弾かれてしまう。

(埒があかねぇ……)

 アイゼンが僅かに退いたその時だった。

 男が振るうカタナが、アイゼンの防御の隙間を縫うようにするりと滑り込んできた。

(ま、ずい!!)

 咄嗟に体をよじるが、迫る白刃を躱しきることは…………



「何だ? …………」

 煌めく刃がアイゼンの腹部に達しようとしたその時だった。

 着流しを着た東方の男がグラついた。そして力無く倒れる。


 視線を移すと、そこに立っていたのは土埃つちぼこりに汚れた白いマントを翻したターバン少女。

 その姿を見て取った途端、連戦の疲れが出たのか、アイゼンは片膝を突いてしまう。

「あんたとは……最後に闘うから、それまで休んでて……」

 アルヤ・マークフェイの言葉にアイゼンは苦笑で返した。



 アルヤは残った黒マントを見た。奇妙な足取りでこちらへ歩を進めている。

「目的は分からないけど、ここで倒さなきゃ優勝は見えない………」


 直後、黒白のマントは同時に駆け出した。

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