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剣戟の幻想物語 3 栄光の舞台  作者: やきたらこ
三章~砂漠越えた先の戦場~
11/30

1.

 門を一つ越えるたびに乾燥した空気が鼻腔を焼く。

「砂も飛び始めたな」

 俺は途中で買ったターバンを上げて口元を覆った。



 ゆっくりだが確実に歩を進める俺とシエルとアイゼン。

 砂漠では水の補給は無い。ご利用は計画的にというやつだ。



 やがて街の様子も乾燥していく。街路の隙間に砂が入ったり、戸が締め切られていたり。それに段々日差しも強くなってきた気がする。

「日差しに気をつけろよ」

 コクリと頷くシエルとアイゼン。

 俺たちは更に先へ進む。広大な砂原に向けて歩を進める。




「凄いな」

 隣でアイゼンの息を呑む音が聞こえた。

 俺は見慣れた光景なのでそこまで感嘆しない。しかし何度見ても自然の猛威と美しさを感じる。

 シエルの方も、見たこと無い景色に圧倒されてる感じのようだ。

「これからは方位磁石コンパスを頼りに進む事になる。なんたって目印も何も無いワケだからな」

 シエルとアイゼンは頷いた。

「行こう」


 やがて俺たちは砂の大海原へと足を踏み出した。

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