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パラグラフ27
早朝、十人弱の少女たちを連れて村に戻ると、少女の親たちは一様に涙を流し、無事に戻ってきた娘を抱擁した。
そしてキミに、何度も何度も、お礼の言葉を述べた。
その日、村では朝から準備をし、昼過ぎから宴が催された。
悲しいこともあったが、悲しみを流すための宴でもあった。
宴の主役は、もちろんキミだ。
キミは何人もの村娘たちからダンスのパートナーを望まれ、慣れない踊りを見様見真似で踊った。
それを見て、村を救った英雄にも不得手なものがあるのだなと、村人たちは温かく笑った。
村娘の中には、キミに惚れ込み、思い切って告白してくる者も何人かいた。
もしキミが望むなら、それを受けてもいいだろう。
さて、今回のキミの冒険は、これで終了だ。
今はひとまず体を休め、次の冒険に備えると良いだろう。