パラグラフ22
キミは前へと進み出ながら、左手の松明を地面に投げ捨て、右手の長剣を両手で構え直す。
火がついた松明は、地面に落とされても易々と火が消えることはなく、広間を照らす役割を維持している。
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モンスター名:オークリーダー
モンスターレベル:3
HP:15/15
命中力:3
回避力:3
攻撃力:+7
防御力:2
特殊スキル:暗視
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ステータス鑑定の結果は、空恐ろしさしか感じないものだった。
ほかのステータスは大したことがないが、攻撃力だけが図抜けている。
この数字は、最悪──
いや、それを考えるのはやめようと、キミは頭を振り払う。
そしてステータス鑑定を切って、あらためて、長剣の柄をしっかりと握り直す。
キミの正面からオークのリーダーが、左右からは取り巻きのオークが一体ずつ、キミを攻撃しようと迫ってくる。
ことに、体長が2メートル近くにもなるリーダーの巨体は、その存在感だけでキミを圧迫しようとする。
キミは努めて冷静を保ち、敵対するオークたちの動きを見切ろうと試みる。
そしてキミは、正面のリーダーが自身の武器の間合いに入った瞬間を狙い、裂帛の気合を込めて、両手に構えた長剣を斜めに切り上げた。
「フゴォオオオオオオッ!」
オークリーダーが苦悶の叫び声をあげる。
オークリーダーの巨体、その大きく出っ張った腹が斜めに深く断ち切られ、そこからどくどくと、おびただしい量の血を流す。
だがオークリーダーの戦闘能力がそれだけで失われることはなく、むしろ怒り狂って、がむしゃらに戦斧を振り下ろしてきた。
キミはその、真上から一直線に降ってきた激しい一撃を、横にステップを踏んで回避する。
戦斧が轟音をあげて洞窟の地面に食い込み、大地にヒビを入れる。
キミがほっとしたのも束の間、取り巻きのオークたちの攻撃が、次々とキミに襲い掛かる。
うち片方の棍棒は剣で受け流したが、もう一方を回避しきれず、キミは腹部に軽い打撃を受けてしまった。
ダメージは大きくないが、鎖かたびらとその下の緩衝用の布地が衝撃を吸収してくれていなければ、今ので膝をついていたかもしれない。
熾烈な戦いは続く。パラグラフ23へ。