パラグラフ2
目を覚ますと、キミは見知らぬ場所にいた。
辺りを見回すと、そこは右も左も木々が林立する、鬱蒼とした森林地帯だった。
キミがいるのは、その左右にある木々の群れを割り裂くように通された、幅が二メートルほどの林道である。
林道から空を見上げると、そこに広がるのは美しい夕焼け空だ。
その紫色のグラデーションがかかった雲は絶妙な色合いだが、もうすぐ辺りが夜闇に閉ざされるであろうことは、危惧すべき事柄といえる。
さて、周囲の確認を済ませたキミは、次に自分の姿を確認する。
キミはどうやら、中世ヨーロッパ風世界の住人の一人、戦士のような格好をしていた。
簡素な旅装の上から鎖かたびらを装備していて、腰のベルトには長剣と、予備武器として短剣が挿し込まれている。
キミはここが、女神の言った『異世界』であろうことを確信する。
そして──ここからがキミの連想の凄いところなのであるが──キミはこう考えた。
異世界であるならば、最近のライトノベルでよく見かけるように、自分のステータスが確認できないものかと。
そしてキミは、モノは試しと、自分が読んだ異世界モノのライトノベルでやっていたように、頭の中で「ステータス」を表示するよう念じてみた。
すると驚くべきことに、予想した通りのことが起こったのである。
この奇妙な事態に対する疑問はさて置いて、キミが自分のステータスを確認したいと思ったなら、パラグラフ3へ。