パラグラフ12
キミはシリルの父親の頼みに、首を横に振る。
そして武器を構え、こちらへと迫り来る豚面のモンスターの前に立ちはだかった。
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モンスター名:オーク
モンスターレベル:2
HP:12/12
命中力:3
回避力:2
攻撃力:+1
防御力:1
特殊スキル:暗視
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キミが「ステータス鑑定」のスキルを使用して分かったことは、このオークという豚面の肥満体モンスターが、ゴブリンよりは強いが、それでもキミに対して、単独で脅威となるような相手ではないということだ。
「フゴォオオオオッ!」
夜闇の中、オークが雄叫びをあげながら突進してくる。
キミは「ステータス鑑定」の効果を切り、オークを迎撃するために身構える。
「ブヒィイイイイッ!」
目の前まで来たオークは、その手に握った大型の棍棒を、キミに向かって単純に振り下ろしてくる。
キミはそれを、素早く横にステップを踏むだけで、簡単に避けた。
そしてその際に足だけを残し、突進の勢い余るオークの足を引っ掛ける。
キミの足に躓いたオークは、あぜ道の脇のキャベツ畑へと、頭から激突した。
キミはそうして転倒したオークに駆け寄り、思い切り剣を突き立てた。
剣先はオークの背中から、深々と胴を貫く。
畑にどくどくと、どす黒い液体が染み込んでゆく。
オークはそれでも、ただちに絶命することはなかった。
キミは、オークがうつ伏せに倒れたままで無茶苦茶に振るう棍棒のラッキーヒットを嫌い、剣を引き抜いて一歩後退する。
その、キミが直前までいた場所を、オークの棍棒がブンと風音を立てて通り過ぎてゆく。
キミは慎重に棍棒の軌道とタイミングを測り、倒れたオークにもう一度近付いて、その頭部に向かって剣を振り下ろした。
ぐしゃ、という嫌な音がしてオークの頭が潰れ、さしものオークも動かなくなった。
キミは何事もなかったかのように剣を一振りし、オークの血を振り払う。
そしてキミは、シリルの父親に伝える。
シリルを連れて逃げることは引き受けないが、オークたちを撃退することならば引き受けると。
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