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Singalio Rou' Sel' seus-Holiznier naz Crysetalanom  作者: 篠崎彩人
第一晶「花一匁」

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Seventh Crystalline: Runner in the Flame

 間違いようの無い死、そしてそれを眺める背丈有る冷徹なる現実の傍観者、私は要するに赤子ではない、ここで言う赤子と言うのはこの世界に不慣れでしかもこの世界における常識鉄則生死に関わる不問律、それが律である事に聊かでも疑念を抱こうならその律に無心で甘え頼る事でしか完全足りえない守護防壁を失いそうして現れる哀れに愚かな律の逸れ子を食べて生きる死の因果律に裂罅作られ微塵とされ破砕され爪牙を受け雷火に晒され屍としての有り様さえ満足に遺して貰えず冥界魔府への黒き土定逼られるだろう手足の次に王子である、頭脳の次に女王であるそれら構成部位に関する自己の実現者親の次に王である最優先指定学習要請事項を学ぶ意志を持たない或いは持てない非力者と言う事で言っていてそもそも生存するかしないかと言う自害意志の力を知らない力の扱い方に人として不備の有る極限まで動物的な人型生物の事を言うのではない。私の様に、自分を取り囲む死を知っていて、自分から創成し得る死も知っていて、そんな死と死の境界面に生の絶縁を張り巡らせて己の身に突如として開通し得る老体を抽象する金属銀で出来た線路に霊界発心臓行の魂の色に染まった稲妻で出来た列車がブレーキとアクセルをわざと入れ間違えて突っ込んでくる事の予期予防を生業としている生死観的な幼年期終了者でなければこんな人食いの鬼ですら住む事を躊躇うであろう世界に在っては勿論それだけでこんにちは赤ちゃんの次にこんにちは赤ちゃんの赤と言うレクイエムを聞く羽目になるだろうがそうで有りさえすれば後は気の持ち様、生きるか死ぬかの究極の二択を適宜回答していく母なる海に踊る波を模したか如くに絶えず揺れる生と言う水を入れたあまり水を入れるに適さない器の半永久ホルダーとしての才覚を試されると言うだけの話だ。死に自覚的である、つまり自分の別の言い方が死に分、己と言う現時点での頂点が積み重ねて来た過去はもう既に生き終わった部分もう終わって若かりし自分として死に続けて来た部分、どうする事も出来ない硬さの経験の石で構成される人生と言う完成の約束されていないピラミッドの土台で有ると言う事実を知っている人間は死に敏感である、少なくともそうであるべきだ、特に死の濃度が皮膚を溶かして胎児の体に戻してくれそうな程脳の皴を一つ一つ伸ばして半殺しにしてもしそれが鼻から出てしまっても膿だとしか思えない幸せな知能を与えてくれそうな程強い現状下では。だからこそ私はこの花達が飛ばす光が月の光、己から発するのではない、太陽に支えられて、生き生きとした明るみに支持されてやっと目に届くか細い少女の姿である事を強く強く知っている。自分から知る気にならなくてはなかなか少女の核心には辿り着けないものだ、私は全身全霊で、何故この少女達が月の光を発する亡霊になってしまったのかを大体予想として自分なりにまとめてはいるがそう言う段階の話ではなく細部まで余す所無く解き明かしたいと思っている、それは、この花達の美しさが私にさせる事で私の意志は何処にも機能していないのかも分からないが、ひとつ言いたいのは私が艶かしさに魅了される形で彼女らに関する柔和にして甘美なる諸事、少女の精神的乳房を求めたとしてその唇は赤子の単純さではない、皺だらけの欲望まみれの内臓的な変態的な形をしたものだと言う事だ、だからこの唇が啜る秘められたる蜜は生を約束するものか死を齎すものか分からない、だがそれでも私は何の躊躇いも無くこの世界における安らぎの背徳を行ってやる、そもそも少女、満足に生命を達成出来なかった者の死体から乳が生命の水が沸き出ると言う状況が既に世界として腐敗しきっていて、死んでいると言う事なのだ、私一人ばったりと死んだからと言って死の濃さは幾分も増すものではないと考えられるし私一人せいぜい生き長らえたからと言って生の白は死の黒の中に孤立無援で救難信号を出し続ける事になるだけだ、ならば、希望さえ重荷だとして粗方投げ捨ててしまったその残りを握り締め常に今にも死にそうな位生き切るべきなのだ、炎に焼かれ予め覚悟の下着用している死に装束の白に死の黒き焦げを作りながら、その炎の海原の先にある目指すべき何かは既に焼き払われているのだとしても、それでも一番危ない中心部を突っ切るべきだ、幽霊が足元のあまりの熱さから足が無いものとして思い込み現実逃避を図り苦痛を少しでも和らげようとした者達の死後の成れの果てで有るならば、私は足の有る英霊となってやる、自分が生命と言う名の炎の道を最後まで走り切った誇り高き人生完全燃焼者で在った証として。

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