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Singalio Rou' Sel' seus-Holiznier naz Crysetalanom  作者: 篠崎彩人
第二晶「百花霊乱」

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Forth Crystalline: Seven Stars

挿絵(By みてみん)

 死海は、それ自体死んでいて尚そこに入る生ある者を否定し破り捨てる不可侵領域であるが私は自分の心に広がるその黒の魔境を深く潜り込んだ、そこで浄化され透明な天空の民となった人々が羽ばたいて行く時に遺した光の羽根を回収する為に。私が欲しいのは天使の羽根であって苦痛がそのままに逝ってしまった人々の地獄にて永遠に魂すら焼かれ続けている映像の投影された冥府と現世の合間を滑空する変に明るい炎に包まれた烏のそれではない、黒を白として見せ付ける為により一層の不浄の色を宿した肉叢を食む煉獄鳥の食事現場での乱舞を執拗に物語る白の異常発色を私は注意深く避け可憐な花弁の一片舞い落ちるをかつて実演した作り物などではない混じり気無しの美色としての白持つ煌きを着実に追い求めるべきなのであった。第一海、私が精神の網を幾つか天使の羽根をその花弁に紛れ込ませていると推測される水仙に張り巡らせその包囲網の只中に自意識をも投げ込んだ作成第一回目の死海、そこに光る白は五つ有った、その一つ一つを自分の求める綺麗な羽根と仮定して真剣に診断せねばならない。そうした五つの中に純正の煌びやかさが隠れている可能性自体が半分有るか無いかと言う状況である、これが第二海第三海と作成回数を重ねる毎に集中力の関係で精度が落ちていく、更にはこの死海を死海たらしめている苦痛の黒き血が滲む量も増えていくのは間違い無かった、まさに命の危機と呼ぶに相応しい局面であった。水仙の園に着いて真っ先に取り掛かるべき事には違いないがそれでも一人の祭り等に興じてこれを先延ばしにしてしまったのは死がすぐ傍まで寄って来ているのならいっそ束の間の憩いを味わってからその死に相対しようと言う寂然とした心持の成せる業であったろう、首折れが始まった時から私は心の何処かでこのまま全てから開放されてしまう道もいいと考えてしまっていたのだ、それ程に私の首が支える人と花の両頭は重かった。

 果たして、と言う言葉を持って来るのも随分と死を軽んじていて自分の存在が紙切れにしか見えず物悲しい滑稽さが滲み出て来てしまうのだがやはりに果たして第一海は試行での作為掛かりし精神被写体であって私を死以外の何処かへ近付けてくれる魔力を秘めた聖の嫋嫋は揺蕩っては無かった、若しや羽根か、と瞬時判別が有った脳内における淋漓たる行動原則の一、向希望を貫く過程において私が触れれば即時体の塩と化すであろう苦痛の黒を徹底して避けやっとの思いで辿り着いた羽根と思われた白放つ浮き物は何処かの誰かが粉々になって出来上がった塩でしかなかったのだ。塩は海での翼を人に与える、だがこの浮上への思いに満ちた海はいまや人に塩を与え過ぎてしまう、人を構成する物全てを否定して天使の粉塩で人を埋め尽くし破壊してしまう。それでは無い、私の終着点はそこではない、私の目指すのはあくまで空への翼である。目指す物の高い事に目も眩む様な思いでは有るがしかしその位に願っていなくては私はこのべた付く様な花に与えるべきとさせる水で形作られている幽閉の海に泳ぐ囚われの日々を逸脱する事は適わないであろう、私は海の青は空から来た光の姿で有る事を、海は空を盛装する青の舞妓である事を良く知っている。海の青、水仙の青そこに見える青の青白さに違和感を見出し、私は本当の青を追い求めなくては、きっと天使の羽根と言う真実を目の当りにする事もないのである。第二海。そこに見えた白は七つ、ここを死地とする水仙の中に映る彼らの声無き声とその数字は感じられた。

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