ラリマー
蒼い剣を構えたゴブリンはなにか詠唱を始めた。
「коягпочД」
数十本の氷の矢が奴の回りに具現化される。
流石に全部は打ち落とせなさそうだ…
矢が、放たれる!全てが俺に向かってくる!!
「シェル!」障壁を作るが、残り数本の所で
カラスが割れるような、破壊音と共に破壊される。
残りの矢を、大剣で叩き落とす。
俺は奴を見つめると魔眼から、情報が送られる!!
名前:ラリマーゴブリン
種族:ゴブリン族
クラス:ジュエルゴブリン
LV:15
HP:1200
MP:800
攻撃:500
防御:400
魔攻:500
魔防:700
敏捷:200
スキル:水魔法2 剣術5 統率2
パッシブ:浄化★
「ハティ!ラリマーって石わかる?!」
ハティは残りのゴブリンを片付け、近くに来た。
「水属性の石ですね。どちらかというと回復系
の石たったはずですが?あのゴブリンの剣…
もしかして、ジュエルゴブリンですか?」
「みたいだね…そこまで強くは無いけど
油断は出来ないかな」
俺は、大剣を肩に担ぎ地面を蹴る。
「ハティは援護を!!」
「分かりました主様!」
俺は、突進の勢いも合わせて肩から奴の頭
めがけて大剣を、降り下ろす!!
キーンと蒼い剣と琥珀色の大剣が交差する!
奴はわざと斜めに受け、俺の剣撃を横に受け流す
奴はそのまま振りかぶり俺の肩から袈裟斬り
斬りかけてくる。
俺は受け流された勢いをそのまま、体を
独楽のように回し凪ぎ払いをかける!!
俺の方が早い!奴もそう判断したのか
剣を止め後方にジャンプして回避する。
再び睨みあう。
「ゴブリンの癖に、よくやる」
俺は笑みがこぼれてるのが分かる。
父さん以外とここまで剣を打ち合うのは
初めてだ…修業の成果を出させて貰おう。
半分以上、琥珀のお陰だが…
再び奴に剣先を向けて、突撃をする。
そのまま奴の心臓に突きを繰り出す。
奴は右に避けながら斬り着けようと
剣を振り上げる。突いたところから
右に剣を払う!!奴は剣を放し、しゃがんで避け
頭突きをして来る!!
モロに位数歩後退してしまう…
「いてて…」
「ムーンヒール」
ハティが回復してくれた。
「距離が近くて援護がなかなか…」
だよね~大剣振り回してるから近接も出来ないし
「大丈夫!補助たのむよ!」
しかし、剣術5ともなるとなかなか強いな…
頭の中にスキルが浮かぶ!!
「紫雷装剣!」
琥珀の大剣が紫雷がまとわりつく!
これは…よし!
俺は、上段から紫雷の大剣を振り下ろす!!
奴が剣で受けながそうと剣を合わせた瞬間
紫雷が、奴の身体を駆け巡る。
「グギャ…」
肉の焦げる臭いが、辺りに立ち込める。
俺はもう一度剣を構え、奴の胸の中心に
大剣を突き刺す。
「テイクオーバー」
奴から俺に力が流れ込む!!
今なら分かる!!琥珀は対象に剣が触れた状態で
テイクオーバーすると、相手の力を奪える。
確信して、自身を魔眼で見てみる。
名前:ライカ
種族:人族
クラス:琥珀の魔法戦士
LV:20
HP:3000
MP:2500
攻撃:1800
防御:1200
魔攻:1800
魔防:1200
敏捷:1350
スキル:雷魔法7 水魔法3 剣術7 時空魔法3 琥珀★
パッシブ:魔眼★ 琥珀の知識★浄化★
やっぱり…水魔法が増えてる!あと浄化?
どれぐらい、取れるか分からないけど
呪文と琥珀の剣が触れていることが
条件の一つなのは間違いない!!
「主様は剣術もすごいのですね~」
ハティが具現化を解除しながら言う
「父さんはもっとすごいよ」
ハティは眼丸くする
「それは、すごいですね…最後のは魔法を剣にまとわせたのでしょうか?」
「多分そうだと思う…実は自分の能力を
完全に把握してないんだ…」
「どう言うことでしょうか?」
「話すと永くなるから、村に着いたら
夜にでも話すよ~」
「しかし、なんでこんな奴がここら辺でうろうろ
してんだ?かなり強かったけど」
「この前の襲撃の残党かもしれません
でも、宝石持ちまでいるとは驚きました。」
奴が倒れた所に、蒼い光が輝いている
俺は光を握ると、光は収まり蒼い石が
握られていた。ラリマーと呼ばれる蒼い宝石だ。
とりあえず、ボックスに放り込む。ゴブリン達の
武装も使えそうなものは、全部集めて放り込む。
「便利ですね…その魔法…」
ハティが呆れたように言う。目が反則でしょうと
言っている。
「便利なんだけど…原理が分かんない…だよな…」
俺は軽く、返り血の拭きながらハティに
近づいて、お姫様抱っこを再びする。
「キャ!!まだ、するんですか?」
「シェル!」それには答えず障壁を展開する。
抱き心地が最高なんだよ…
再び村を目指し進み始める。
日が傾き、辺りが夕焼けにに染まる頃、
村のものらしき土壁が見えてた。
3㍍ほどの高さで壁が続いている。魔法で
作ったのだろうか?高さが均一で見た目も
綺麗な、白い土塁だ。
「あちらに、入り口があるはずです。」
ハティが指差す。方向に進む。
「襲撃されたときは、壁は破壊去れなかったの?」
「はい、空からの奇襲でした。」
「空には結界ないの?」
「無いですね~過去に月狼が襲われた事は
無かったですし。」
「を?あれかな?入り口?」
「はい、着きました。」
俺は、ハティを降ろし、障壁を解除するが、
いつでも、剣を抜けるようにしておく…
「ハティです!只今戻りました。琥珀の君も
お連れしました。門を開けてください。」
暫くすると
「ハティ様、只今開門致します。」
返事が来る!良かった少なくとも全滅は
していなかった。俺は、頭に手を置いて撫でる。
「あん!なにするんですか~」
ハティは心地よさそうに抗議する。
「いや、良かったねと思って」
俺は、笑って答える♪
「はい!良かったですぅ~」
ハティは、安心したのか大きな目が潤んでいる。
暫くして、村の門が開き始める!!
「!?」村人達が並んで地面に座り、頭を下げている
「琥珀の御子様、ようこそ起こし下さいました。」
民族衣装だろうか?見たことのない服だ。
上半身は白い長袖で、袖がだぼっとしたもので
下は朱色の、ロングのスカートのように見えるが!!
裾に向かって広がっているズボンだ。
ちょうどウェストがキュット縛ってあり
完璧なプロポーションの女性が挨拶をする。
「私先代の巫女を勤めていたフレキと申します。」
銀髪、銀眼の美人と言う表現以外出てこない。
「初めまして、ライカと申します。
御子様は辞めてください…実感が無いと言うか…」
「では、ライカ様とお呼びしましょう。ハティ、ライカ様を社に御案内を…貴方もご苦労でした。」
「先代様もご無事で、良かったです。」
「多くの仲間が、犠牲に成りましたが
何とか魔族は退けることができました。」
「なにも出来ず申し訳ありませんでした」
「あの場合は、あなたを逃がすのが私の役目です。
何より、あなたは御子様を見つけ連れてきたでは、ありませんか。」
「なんで、俺が琥珀の一族と分かるんだ?」
「ライカ様が、音もなく結界を進んできたからです
、普通は迷うか、結界を力で破壊するかしないと
此方には凝れないのです。」
「そうなんだ」俺の予想は当たったようだ。
「さぁ~今日は宴を致しましょう!!皆のもの用意をしますよ~ハティ貴方もライカ様と湯を浴びて用意をしなさい~」
「はい!先代様!!」
ん?なんか聞こえたが…気のせいか?
俺は、村の奥の社に案内され部屋に通される。
「温泉が有るんで、ご案内しますね」
「温泉があるの?」ここ、暫く体を拭くだけの
生活だったからありがたい。
俺は、装備を部屋置きハティの案内で
温泉に向かう♪途中、社に使える者なのか
何人かとスレ違うみんなのあの民族衣装だ。
「あれは、月狼族の民族衣装なのかい?」
「いえ、あれは巫女の神官着です。」
「ふ~ん」しかし…月狼族は美人ばっかりだ
てか、美男美女しか見てない気がする。
途中、タオルを貰いハティと別れ脱衣場にはいる。
今は俺が入るから貸しきりらしい、
普段は村人が自由に入れるらしい。
そんな、気にしないでと言ったが
フレキは、皆宴の準備ですのでと言ったので
好意に甘えることにした。
服を脱ぎ、進むと岩に囲まれた、30畳ほどの
白濁した温泉から湯気が立ち上っていた。
「おお~こんな大きいのは初めてだ」
俺は、感嘆の声をあげ体を流して湯に浸かる。
ん?人影?貸しきりじゃなかったのか?
まぁ、良いけど…
「主様…お背ながしますか?」
「ハティ!?…混浴なのここ…!?」
「はい!一応岩で区切られてますが湯の中は
区切られてません。普段は此方には来ませんが
今日は貸しきりなので…」ハティは薄い神官着
のような服を着ているから裸では無いのだが…
「もっもう流したから、だ大丈夫だよ…」
するとハティは、桶で体を流し俺の横に座る。
俺は、目を瞑って湯に顔を埋めるしかなかった。
息が苦しくなり、顔あげると
ハティが微笑んでいた。可愛いし白い服が
少し透けてて、妙に魅惑的過ぎる…
う~んケシカラン!!
お湯が透明出なくて良かった!まだ理性を保てる…
「気持ち良いですね。やっぱり温泉最高です!!」
「贅沢だな、毎日温泉に入れてたなんて…
俺の村には風呂すら無かったよ…」
「そうなのですか?そう言えば、アマンにも無かったですね。」
「アマンは、有料のお風呂はあったよ」
「有料なんですね~」
「しかし村が無事で良かったね」
「はい、実はかなり心配でした。途中ゴブリンも
いましたし!多分、同時に襲撃しようと強引に
森に入り出られなくなったのではと、
先代はおっしゃっていました。」
「そうなんだ、フレキさんはハティの母さん?」
「はい、主様良く分かりますね。」
と言うことは、ハティも将来あのスタイルに…
ついハティを見つめてしまう。
温泉で白い透き通るような肌が上気してほんのり、赤く染まっていた。
しかも、白い着物一枚てそこにいる…
いかん!!立てない…いや、立ってるのだが…
アホな突っ込みをしていたら
ハティが頭を肩に寄せてくる。
「主様、本当にありがとうございました。
私一人だったら村に戻れませんでした。」
「そんなこと無いよ、俺も琥珀の事を知っている
月狼族に話を聞きたいと思っていたし…」
顔が近くなり、思わず見つめてしまう…
あかん…可愛すぎると思って止まっていると
ハティが不意に…顔を近づけ目を閉じる。
俺は、答えキスをする…
「ん…」ハティがから息が漏れる
暫くキスをしてお互い離れる…
二人とも顔が真っ赤だったろうが覚えていない
「あ…先に出ますね…また夜に…」
そう言ってハティは、湯から上がっていく
後ろ姿を見て、まだ暫く立てないと俺は知った。
評価、ブックマークしてくださった方々
ありがとうございます。もう少し
文章上手くなるように頑張りますので
懲りずに読んでください。