琥珀の秘密
俺は静かに眼を開けた。
酷く体が痛むし、全身怠さがハンパなく
襲ってくる…
「気がついた?」
母カレンがベッドの横に見える。
「貴方3日も寝てたのよ、大きな外傷は
なかったから力を使いすぎたのね」
「母さんは大丈夫?」
「私も父さんもキマイラ位には遅れを
取らないわ。さすがにロードには、
歯が立たなかったけど…」
「父さんも、母さんも本当に強かったんだね」
「当たり前よ、私達はジュエリストですもの」
「ジュエリスト?」
「そう、旅立つ前に言ったでしょう?
魔力のある宝石の力を借りてアムド(武器化)し、
戦うクラス。才能と血と努力がないと
慣れないのよ。」
「宝石の武器化?!それって…」
「そう、貴方にもその才能と血があったのね
見たことも無い力だったけど雷の力なんて…
しかも、魔法まで使っていたしね」
「琥珀…って宝石らしい…」
「聞いたこと無いわね、どこでしったの?」
「琥珀が光ったときに、頭の中に何か色々
入って来たんだ…」
「そう、特殊な石なのかもね…キマイラロード
も探してたし…ご飯食べる?」
母は俺がなにも食べてないのを思いだし話を
打ち切る。
「何かにある?」
「ちょっと待って、作ってくるわ」
母が部屋を出ていく。
その後ろ姿を、見た時異変に気がつく
名前:カレン
種族:人族
クラス:サファイアの魔導師
LV:52
HP:2500
MP:3500
攻撃:500
防御:1000
魔攻:3200
魔防:2000
敏捷:500
スキル:水魔法7 風魔法4 杖術5 鞭5 料理5
パッシブ:常時魔法障壁
称号:氷のサファイア、氷の女王
母の姿から、母の情報が伝わって来る!?
なんだこれ?こんなの今まで見た事ない
母が見えなくなると、情報は消えた。
自分の体を見てみる!?
名前:ライカ
種族:人族
クラス:琥珀の魔法戦士
LV:15
HP:2500
MP:2000
攻撃:1500
防御:1000
魔攻:1500
魔防:1000
敏捷:1300
スキル:雷魔法7 剣術7 時空魔法2 琥珀★
パッシブ:魔眼★ 琥珀の知識★
自分のステータスが頭に入ってくる
母さん強すぎね?
てか、何で俺魔法使えるんだ?しかも、剣7とか
母さんの水魔法7と見るからには剣7って
相当じゃないのか?
確かに修行はしていたが、そこまでとは
思わない…魔法についても基本は母さんから
習ったけど、雷?古代??付与???
見に覚えがない…
琥珀の知識?これの影響なのか?
暫く思考を巡らす…
魔法に関しては、自分の適正と魔力があれば
イメージすれば、相応の力があれば具現化
すると言うのは、母さんに習った。
もっともその時はほとんど発動しなかったのだが
詠唱は、よりイメージをハッキリさせたり触媒や
自身以外の力を借りるときに使う。基本的には
無詠唱でも出来るらしい…何しろ今まで
魔法は使えなかったから、あまり気にした事が無い
その俺が、魔法を使った事を考えれば
外的要因以外に考えられ無いなぁ…
後、この魔眼ってなんだ?
そう言えば、あのでかいキマイラが自分の力を
取ったとか何とか言っていたような…
キマイラの力なのかな?便利なような
いらないような…まぁ、そんなに問題無いから
気にしなくても良いか。俺は窓の外を眺める
地面に大穴が、何ヵ所も空いている。
村の人達は皆無事だったのだろうか?
ノックの音がして
父と母が入ってきた。
「大丈夫か?」父が言う
「体中痛いけど大丈夫みたい」
母はパンをシチューに浸し俺にわたしながら
「本当に良かったわ」と笑顔を見せる。
父をみると
名前:グレイ
種族:人族
クラス:ルビーの魔法戦士
LV:55
HP:4500
MP:2500
攻撃:2800
防御:1500
魔攻:1800
魔防:2000
敏捷:1300
スキル:火魔法6 剣術7 槍術6 盾7 サバイバル5
パッシブ:常時探知
称号:焔のルビー、親馬鹿
やっぱり、親父と剣術が同レベルとか、
あり得ない。やっぱり、琥珀の影響だと思われる。
「しかし…ビックリしたよ!ライカが魔法使うは
剣を具現化するわ、まさかジュエリストの素質が
あったとはね」
「やっぱりその石が原因なのかしら?」
母さんが首を傾げる。我が母ながら美人だと
ふと思ってしまう…
「キマイラが最後に力を奪われたとか、言ってたんだけど起きてから、人のステータスが見えるんだけどこれなんだろう?」
「!?」父と母は顔を見合わせる。
「それは…魔眼じゃないのか?特定の魔物や人間が見抜く力を持つと言うがキマイラロードのは、特に強力と聞いた事があるが…」
「それで自分をみると、パッシブスキルに魔眼★
と琥珀の知識★ってのを持ってる」
「じゃあ魔眼は確実ね…何で覚醒したかは
分からないけど、あまり他の人には
言わない方が良い力よ…」
母さんは心配そうに言う
「琥珀の知識ってのは、わからんな。
お前の宝石が琥珀と呼ばれるものらしい事は
何となく分かるんだか…石の特性だろうか?」
「石の特性?」
「貴方には教えて無かったけど、
宝石には特性があって、例えば私のサファイアには水や氷の属性、父さんのルビーには火属性が
あるの。更に石によっては固有の力があるわ。」
「お前の石は、雷を操っていたから聞いたことが
無いが、雷属性と言えるのかも知れないな」
「雷属性はないの?」
父と母はお互いを一度見て
「過去にはない!」
「俺…もしかしたら特殊?」
「特殊と言えるかも知れないわね、もしかしたら
固有スキルかも知れないけど…」
「そうなんだ何か嬉しいような…」
若干不安を覚えるよな…これ、過去無いとか
断言されちゃうし…
「まぁ、無事で良かった」
「旅立ちは、落ち着いてから行きなさい
もう少し今日はやすんどけ」
そう言うと父と母は部屋を出ていった。
分かったことは、俺は琥珀と言う石を使う
ジュエリストと言うことと琥珀は
かなり特殊な石らしいと言う事だった。
俺は考えるのをやめて寝ることにした。
―――――――――――――――――――
次の日、大分体調も戻ってきた。
俺は今、父さん母さんと村から少し離れた
草原に来ている。
俺の能力を確認するためだ。
「アムド」俺が唱えると
琥珀色の美しい剣が具現化する。
「やっぱり具現化出来たわね」
「ライカ昨日使った魔法使えるか?」
「やってみる!」
「雷まといし雷鳥よ、我が敵を倒せ!」
雷鳥が5匹具現化しまわりに紫電を撒き散らす。
俺は近くにあった岩に攻撃を指示すると
雷鳥達は、岩に突撃していく
雷鳥達が衝突した瞬間!閃光と爆風が吹き荒れる
岩のあった場所には5個のクレーターが残っていた
爆発の余韻か紫電がまだバチバチ残っている。
「これは…また上級クラスの魔法だなぁ」
父は呆れたようにこちらを見る。
「他には?」母がこちらを見る。
「後は…シェル!!」
俺の回りに琥珀色の膜が張られる。
「防御障壁かな?」父は膜を剣で突っつく
「魔法打ってみようか?弱いのなら平気でしよ?」
「ちよ…何を言ってるんだ母さん…って!まって!!」
「アイスニードール!」
氷の針というより、大きな氷柱が
大量に向かってくる。
俺は目を閉じ背を向けるが
障壁の前で全て弾かれ消えていく…
「洒落にならないでしょ!」
母さんは以外と魔法とかは大雑把なのか?
あれで、弱いの魔法とか…ないわ…
これから、怒らせないようにしなきゃ
「あら?大丈夫だったでしょ?」
母さん笑っているが、父さんは顔がひきっつている
「あれって、弱い魔法なの?」父さんに聞く
「母さんのなかでは、弱いらしい…」
「はぁ…」俺はため息をつく
「もう一個何か使ってたわね?」
俺は記憶を探り思いだす…
「雷装天駆!」
俺の体が光りだし、紫電を纏う!
「これは?!雷を纏っているのか?」
「あそこの木、切れるか?」父が指差す方向に
一本の木が立っている。
「やってみる!」
俺は地面を蹴る!!
「え!」20㍍はあった気がしたけど…
一秒満たない時間で木が目の前だ慌てて
剣を横に払う!!
「あれ?確かに切ったはずなのに切れてないや
空振り?おかしいなぁ…」と思って木に触れると
時が急に動き出したかのように木が横に
づれていき倒れる。
雷装が解けると、すさまじい疲労感がきた。
父と母を見ると呆然と俺を見ている。
「なんか…デタラメな速さだな…」
「反則よねあれは」
「まぁ、あれだ…息子の成長を喜ぼう母さん」
「そうね…1日でずいぶん強く成ったわ…
寝てたから4日かしら…」
「じゃあ帰るか…」父さんがいい
俺達は家に向かった。
―――――――――――――――――――――
帰って、夕食の後両親から俺のスキルについて
アドバイスを聞く。
雷鳥は多分、追尾式の魔法だろうと言うこと
威力は一匹で上級魔法クラスの威力はあるらしい
シェルは中級魔法位は弾ける強度で、物理的にも
相当効果がありそうなこと…
雷装天駆については…俺が雷に近い動きが出来る
ようになる、つまり雷化してるのでは?と言う
推測だが、そんなことが可能なのか分からないし
過去に例がないので謎らしいが体力も魔力も
相当に燃費が悪そうであるので多様は現状
出来なさそうと言う事だ。
やはり、琥珀は相当に特殊な石らしい
普通の力を持つ宝石はジュエリストの資質を
持つものが触ると、なんかしら感じるものが
あるらしいのだが、父さんも母さんも琥珀に
触れても何も感じないらしかった。
逆に俺が、父さんのルビーを触っても俺は
何も感じない事から、琥珀は俺専用で
俺も琥珀のみに資質あるジュエリスト
ではないかと言う事で落ち着いた。
結局、この謎な石と俺のルーツは謎のままだ。
最初は、自分のルーツなんて気にならなかったが
こうも、謎が出てくると気になる。
旅をしながら、調べていこうと
俺は決新をする。俺は明後日に再度旅立つと
両親に伝えた。二人とも今度こそねと笑った。
書くのって難しいですね…
読み返すと、纏まりなさすぎて恥ずかしい…