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琥珀の剣  作者: 舞狐
1章:琥珀の輝き
2/19

覚醒

家を出ると、春の陽にてらされた

のどかな風景が広がる。俺の村はレーンと呼ばれ

100人ぐらいの小さな村だ。

主に小麦の生産と狩猟で成り立っている。


出口に向かって歩いていると。

後ろから声が聞こえる

「また、修行かい?」そういう

振り返ると、丸とした笑顔で話しかけてくる

女性がいた。近所にすむおばさんだ。

「ちょっと修行の旅にしばらくね」

「そうかい、あんたも大変ね。これ持ってきな」

おばさんは、パンを二個投げる。

「ありがとう。あとで頂くよ」

「気を付けな、最近魔物が多いみたいだから」

「気を付けるよ」

と言って

俺はパンをリュックにしまいながら出口に向かう。


この世界の魔物は、空気中の魔力が凝縮した魔石や

魔力を持った宝石が何らかの原因で、動物等に

取り込まれると発生すると考えられているが

実際は、原因不明で何故取り込まれるのか

何故発生するのかは謎である。


村の出口には、誰もいない当たり前だが、

こんな小さな村に、見張りの兵などいるわけがない

俺はそのまま、村を出て森の細い道を

木漏れ日を浴びながら、歩いていく。


20分程歩いた時だった…

「ドォォォォォォン!!」

凄まじい爆発音が響樹、森から鳥達が騒ぎ飛び立つ

俺は後ろを振り返る!!

村の方向から、黒煙が上がっている!?

「なにが?!」

俺は考える前に、村に向かって走る…




村の方向からまたも爆発音が響く

黒煙はもう5本以上上がっている。

村の上空には、何やら翼をはやした巨大な

生物らしきものが飛んでいるのが見えた!?


「なんだあれ?あんなの見たことがない!」

俺は走りながら、父と母の無事を祈る。


――――――――――――――――――――


グレイは剣を構え空を見上げる。

カレンも杖を構えている。

「何で、こんなところにキマイラが集団で…」

グレイに気付いた、一匹が巨大な火の玉を

吐き出す。10㍍はあろうかと言う炎が二人に迫る

「清き水の壁よ」カレンがなにか唱えると

二人の前に水が何処からともなく集だす。

「ウォーターウォール」カレンの杖の先にある

青い宝石が輝き水の壁が火の玉を防ぐ

「炎の槍よ我が敵を貫けファイアーランス」

グレイの回りに具現化した、炎の槍がキマイラに

向かって迸る!!キマイラに接触前に何かに

ぶつかり、消滅した。

「チッ!魔法障壁か…」

獅子の顔と体にコウモリの羽根、蛇の尻尾を

付けたそれは、グレイに急降下をしてきた!

「アムド!!」グレイが叫んだ刹那

グレイの剣が紅くそまり、焔の意匠を凝らして

剣に変化していく!!

キマイラは急降下しながら、爪をグレイに

叩きつける。グレイはキマイラ爪をかわし

その腕に焔の剣を下から切り上げる!!

キマイラの腕は地に落ちた後、燃えあがる

キマイラは再び上空に上がり

「キッシャァァ!!」と苦痛の声をあげている。

「アムド」カレンの声が響く同時に

カレン杖が青く輝き水の意匠を凝らしていく

「アイシクルエッジ!」

回りに氷の刃が数十本具現化し、カレン杖が

振り下ろされると

手負いのキマイラに向かって空を切り飛んでいく

最初の数本は、障壁で弾かれたが残りの刃が次々

刺さっていく

「グォァァァァ…」

断末魔なのか、キマイラ落下していく!!


それを見た他のキマイラ達が上空に集まってくる

「流石にこの数は…まずいな…」

グレイはカレンを見る。

「村の人たちもそろそろ逃げれたかしら?」

「もう少し時間を稼ぐか!」

グレイは、最初のキマイラの攻撃の後村民達に

村から離れるように、叫び回ったのだ。

途中村長が、皆に指示し出したの見てから

カレンと時間を稼ぐ事にしたのだ。

二人はブランクがあれど

烈火のルビー、氷のサファイアの二つ名

を持ったS級冒険者だ。しかしキマイラも

A級指定の魔物でしかも数が多い

明らかに部が悪い、引き際を間違えるのは

頂けないと考えていると…

一際大きい個体が、降りてきた!

「キマイラロード!?」

「SSクラスが何故…」

二人は、背中に冷たいものを感じた…


「人間よ…お前達が琥珀に選ばれしものか?」

キマイラロードが上から見下した

表情で話かけてきた。

S級以上の個体は人語を操る個体もいるらしい

話は知っていたがグレイは遇うの初めてだった。

「琥珀?なんだそれは?」

グレイは驚きながらも答える。

「我が魔眼には、偽りは通じぬぞお前には

琥珀の残りが見える」

「琥珀とやらが目的で村を襲ったのですか?」

カレンが緊張しながら言う。

上手くすれば、戦闘せずに時間を稼げる

と考えていた。

「お前達が知る必要はない!!持っていなければ

滅するのみ!!」

「クッ」

グレイは距離を取る。

「氷の女王よ、我が敵は汝が敵なり!

ダイヤモンドダスト!!」カレンの詠唱が完成し

キマイラロードの回りに鋭利な氷の結晶が数千

具現化し吹き荒れる!!

「ウォォォォォォ!!」

雄叫びを挙げる!吹雪が吹き飛ばされる!

「そんな…氷の上級を」

「焔の蛇サラマンダー我が剣に宿り

敵を灰燼とかせ!!サラマンダースラッシュ!!」

グレイはロードに斬りかかる。

甲高い金属音が、辺りに響く

グレイの一撃はロードの爪に

受け止められていた。

キマイラを余裕を持って葬るれる二人の

一撃をあっさり防げる。SSクラスの強さを

見せつけ、ニヤリとロードが嘲たように見える。



「父さん!母さん!」

ライカは村の手前で、逃げてきた村人達から

父と母が時間稼ぎに残ったことを聞いた。

村に着いた時には村は炎に溢れていた。


俺は自宅の場所に、走る。

途中、空から火球が飛んで来たが

横に転がりながら、避けて家を目指す。


見えた!!父さん達は一際大きいキマイラと

戦っていた!!

「父さん!母さん!村の人達は逃げたよ!」

俺は叫ぶ。

「馬鹿!!何しに来た!!早く逃げろ!」

父の怒号が聞こえる。

父が相手をしている個体が此方を見る、

一瞬目が合うと、父とぶっ飛ばし

此方に向かって来た!!

「見つけたぞ!!」ロードは叫びながら爪を

振るいなが襲いかかってきた!!

俺は父から貰った剣を抜きその爪を防ごうとする

瞬間俺はふっ飛ばされる!

「こいつ、しゃべる!?」

俺は驚きと恐怖、体の痛みで上手く立ち上がれない

父と母がなにか叫んでるが…聞き取れない

ロード、口を開き俺を噛み砕こうと

更に突っ込んで来る。

俺は避けれ無いと、判断し震える手で

持っていた剣をロードに向けた…

ここで死ぬ?!死を間近に感じた刹那!


「!?」

あのライカの瞳と同じ色のペンダントが輝く

輝きから、俺に様々な情報が流れてくる!?

ロードは突然の光に距離を取ったようだ。


「アムド」俺は呟く

光は集束していき、

美しい琥珀色の一振りの大剣になる

半透明のそれは、陽の光を透かしつつ反射して

輝きを一層放っている。

俺は驚きつつも、すでにこの剣を識っている。

時代によって、様々呼ばれたが「琥珀の剣」

「サンダーブレード」「アンバーソード」

と呼ばれていた剣だ。何でそんな事が

分かるのか不思議に思うが、知っているのだ。

そして、戦いかたも何故か今までより

上手く出来る気がしてならない。


上空から一匹のキマイラが、急降下してくる。

「まだ、貴方には無理よ逃げなさい」

母さんが、アイシクルエッジを飛ばしながら叫ぶ

しかし、俺は琥珀の剣を上段に構えまだ距離の

あるキマイラに向かって、振り下ろす!!

キラッと剣からキマイラまで光が走りその直後

「ドォォォン!!」と音が響き渡り

キマイラと、その後ろ直線上にいた数匹を

消し炭にする!!

「!?」父と母が唖然とする

今の一撃で、なにかを抜き取られた様に激しい

疲労感に襲われるが、まだ何も終わっていない。

「なかなか、いい力だ」ロードが近くに降り立ち

「我がその琥珀の力を頂くとしよう」

ニヤリとしたような気がしたが、キマイラの

表情なんて分かるはずがない。

「お前なんかに、これは渡さない!!早くくたばれ!」

「さっきまで震えていた小僧が生意気な」

父と母は、残りのキマイラ4匹に囲まれているが

今まで見たこと無いような攻撃をしているのが見え

自分よりも強い二人が負けるわけ無いと思い

目の前のロードに集中する。

ロード口から大火球を吐き出す。

俺は縦に琥珀の剣を振り、火球を割り更に

地面を蹴ってロードに接近をする。

そこに、ロードの爪が振り下ろされる。

ギリギリかわして、後ろに回り込もうとしたら

蛇の尻尾から、紫色の霧が吐き出される。

「シェル」俺は使ったことの無い単語を言う

からだの回りに球状の琥珀色の膜が張られ

霧が遮られる。

ロードはなにか詠唱している

「ΨΞΖΡΤΤβΩ」

刹那焔のオロチが何匹もロードの回りに具現化し

俺に向かって、襲いかかって来る。

しかも、速い…俺は一匹を剣で凪ぎ払い距離を取る

まだ10匹入るしロードも更になにか詠唱している…

「雷をまといし、雷鳥よ!我が敵を倒せ!」

俺はまた、知らない呪文を唱える。て言うか

俺魔法使えたのね…今更ながら驚く

魔法は完成し、雷をまとった鳥が5匹具現化し

オロチに向かっていく!!俺はロードに目を向けると

炎槍が大量にやつの回りに具現化している!!

あれは…まずいな

「これで、終わりだ小僧!!」

「サウザンドイグニート」

俺に1000本もの焔の槍が向かってくる!!

「雷装天駆!」俺の体が光る!?

次の瞬間、ロードの前に立っている!?

後ろ手、とてつもない爆発音が続いている。

1000の槍が地面に突き刺さっていく。

ロードは大魔法の後で硬直しているのか、

動きが止まって見える。

俺は琥珀の剣をロードの左目に突き刺す!?

「グアァァァァァァ!!」

「テイクオーバー!!」俺が唱えた直後

キマイラから、俺の体に何かが流れ込む

「!?」

俺はキマイラから、距離を取りキマイラを

見る



種族:キマイラ

クラス:キマイラロード(シュティッヒ)

スキル:火魔法7 風魔法5 古代魔法5 毒魔法5

ブレス7 爪術7 魔眼★

パッシブ:常時魔法障壁、常時デバブ無効

称号:キマイラロード、焔の殺戮者

LV:80

HP:5000/15000

MP:2000/5000

攻撃:2000

防御:1000

魔力:3000

魔防:2500

敏捷:1000

知能:2000


「?!」

相手の事が分かる?なぜ?

「シュティッヒ?」

「?!」ロードは驚いたような顔をする。

「我が真名をなぜ?小僧が…そうかそれが琥珀の

力の一つか…おぞましき力よ…我が力を奪い

己が物とするとは…」

「今日の所は引くとしよう…小僧次は逃さん」

そう言うと、シュティッヒは、

羽ばたき上昇していく、

他のキマイラも彼の後を追う。

俺は彼らが、見えなくなった所で眼の前が

暗転した。父と母の声が聞こえた気がしたが

そのまま意識を手放した。


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