旅立ち
そこは、ジュエリアと言う世界、
宝石と魔法、剣の支配する世界だった。
そんな世界の、一つの村に俺は住んでいる。
父と母は、昔は冒険者だったらしく
小さい頃から、剣術やらなんやらを
叩き込まれた…そりゃもう逃げたくなるくらいに
最近は、俺がでかくなったのもあり
昔ほど苦では無くなってきたんだけどね
何でこんな鬼のような鍛練してるのか本当に
分からなかった…今日までは…
16歳の誕生日、父のグレイと母のカレンが
誕生日を祝ってくれていた。
「お前も16か、早いもんだ」
父はそう言いながら俺にワインを注ぐ
俺はそれを飲みながら
「そういうものなの?」
母さんがそれを受けて
「そういものよ」と笑顔でうなずく
「永遠続く、剣の修行で早いなんて思えたこと無いんだけど…」
父と母は笑う
「最近は父さんから一本取れるように成ったじゃない」
十回挑戦して、一回取れるか何だけど…
思い出話をワイワイしていると
突然…
「さて、ライカお前に伝えなければ
ならない事がある」父がおもむろに言う。
「なに?」
母さんが俯く
「お前は父さん母さんの本当の子じゃないんだ」
「!」「え?!」
俺の思考回路は停止をした…母さんを見るが
俯いたままだ、随分さらっと言ったな
この人…思考回路を再起動させなが
父を見る、父はワインを一気に流し込み
此方を少し哀しそうに見る…
「お前は父さん達が冒険者だった時に入った
迷宮にいたんだ…」
「迷宮に?」
この世界には迷宮と呼ばれる、遺跡が
何ヵ所かあり、並みの冒険者では行けないと
聞いたことがあった…
そんなとこに捨てられてたのか?
「理由はわからない…そんなとこに何故赤子
のお前が無事にいたのかも」
「私達は貴方を拾って育てる事にしたわ、
母さん達そこそこ有名人だったからお金には
もう困らなかったしね」と母さんは微笑む
「お前が、本当の両親を探したいと言ったら
迷宮に行くくらいの強さは、必要になると
思ったから母さんとお前を16まで鍛えたんだ。」
そんな事急に言われてもね…
思考回路はぐちゃぐちゃです…
別に本当の両親なんて、言われても探したいとも
思わないけど…外の世界には興味があるちゃある
俺の混乱を察したのか
「私の息子はライカだけよ。そこはなにも
変わらないわ」
と母さんは少し目を潤ませている。
「俺も父さん母さんは1人でいいよ。」
母さんは嬉しそうに泣いている。
父さんは照れたのかワインを一気に流し込む
俺は少し考えて、
「でも、外の世界には出てみたい!
父さん達みたいに冒険をしてみたい!!」
父さん母さんの眼を見る。
「16か…冒険にでるにはいい年齢だな」
父さんは、ランプの灯りを見上げて言う。
「よし!行ってこい!父さんもお前と同じ年で
冒険者になった!お前の剣ならそこそこ
大丈夫だろう」父は笑う
母さんは少し寂しそうに頷く。
「うん!俺村を出るよ!」
その後、父と母から冒険者について
あれこれ言われたけど、酔ったのかいつの間にか
眠ってしまったらしい…
「まだまだ子供ね…大丈夫かしら?」
母さんの声が遠くに聞こえる
「俺とお前が鍛えたんだ、
今でもかなり強いと思うぞ?」
「そういう事じゃなくて…昔から貴方は…」
何か喧嘩が始まったな…
おやすみ、母さん、父さん
翌日、パンの芳ばし臭いで眼が覚める
「おはよう母さん」
「おはようライカ」
カレンはぱっと見20代でも、通じる程若く見える
綺麗なブロンドを束ね、瞳は青
実は…いや…言うと怒られから黙っとこう…
グレイが起きてくる。父はその名の通りグレイアッシュの髮に年相応の顔だが、ダンディと言うのが
しっくりくる顔だ。
「水くれ…」父が険しい顔で言う
「飲み過ぎだ父さん」
俺はと言うと琥珀色の髮と琥珀色の瞳
よくよく考えれば両親に似ていない…
今更、気がついた…
「いつ旅だつんだ?」
水を飲みながら父は言う
「突然だけど、今日出ようと思う」
俺はサラっと言う
「いきなしだな、準備は出来るのか?」
剣を持たして10歳の子供を森に置いてく
父さんが何を心配してんだ?
昔の事を思い出した…
「剣持たして、森に置き去りよりは用意しとくよ」
俺は恨み節をぶつける。
父は笑う
「じゃあ大丈夫だな」
「寂しくなるわ…ちゃんと手紙はちょうだい
たまには帰ってきてね」
母さん寂しそうに言う
「分かってるよ、朝食食べたら用意する昼頃に出てジェノアの町にまず向かうよ」
食べながら答える。
準備をしていると父さんが部屋に来た
「ちょっといいか?」
「平気だよ」
「お前に渡しとく物がある」
父の手にペンダントが握られている
ペンダントの先には俺の瞳と同じ色の宝石が
付いている。
「これは?」
父に訪ねる
「これは?お前が着けていたものだ」
俺は不思議そうに更に聞く
「何の宝石だろ?見たこと無いけど?」
父は困った顔をして
「色々調べたが解らないが、お前のルーツに関係があるのかもしれないな…」
「お守りがわりに付けとくか」
俺は笑う
「そうだな、お前がジュエリストの資質が
有ればその内解るかもしれないな」
「ジュエリスト?」
「お前には教えてなかったが
資質があれば、特定の宝石を護石として、
特有のスキルが使えるんだ」
初耳なんですけど…てか16まで村からほとんどの
出たこと無いし当たり前か…
「もう少し詳しく…痛!」
頭を叩かれる。
「冒険者足るもの、自分で調べる!!」
あんたの息子なのだが…と言うツッコミは
聞かなそうなんで辞めとこう。
最後の昼食を三人で取り
「さて、じゃあ行ってくるね」
俺は笑いながら言う
「そうか、楽しんでこい!!」
「たまには帰ってきてね…」
母さんは寂しそうに父さんは、
笑顔で見送ってくれた。
俺は家の扉を開ける。
ドキドキが止まらない。
冒険が始まる!!
初めて書いてみます。素人なんで多目に見てください~アドバイスはいただきます~