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児玉さん。俺、頑張ります!  作者: 虹色
8 九月の章
78/129

 ★★ 何か変。 : 児玉かすみ


雪見さん、表情が冴えない。


何か悩みごと?

会話も相槌ばっかりで。


朝はいつもどおりだったよね?

学校ではすれ違っただけだったから、よく分からないけど・・・。



どうしたんだろう?

なんとなく、いつもと違う。

いつもはもっと・・・楽しそうなのに。



どうしたの?

どうしてそんなふうに、わたしを窺うような目で見るの?

窺うような・・・、それでいて何かを求めるような・・・。

それに、さっきの言葉・・・、「俺はボディ・ガードですからね。」なんて。

どうしてそんな言い方をするの?



なんだか淋しい。


何があったの?

どうして話してくれないの?

わたしと一緒にいても、楽しくない?



――― もう玄関だ・・・。



鍵を開けて、電気を点けて、靴を脱いで・・・雪見さんは? ・・・玄関の外に立ったまま。

微笑んでいるけれど、その微笑みはいつもと違う。

自分の内側に向けたような・・・自嘲気味の・・・?


「じゃあ・・・」


やだ、待って。

このままサヨナラはイヤ。

こんな・・・淋しいままじゃ。


「あ、あの、雪見さん?」


せっかく二次会を断って帰ってきたのに。

雪見さんが迎えに来てくれるのが楽しみだったのに。


「はい?」


「え、ええと、その、お、お迎えのお礼に、ええと、アイスでも、どうかな?」


うそ?!

自分から雪見さんを誘ってるなんて、わたし、何やってるの?!

いくらなんでも、この時間に、それはダメでしょ?!


「ありがとうございます。でも、こんな時間ですから。」


「あ、そうだよね! うん、そうだったね。」


よかった〜、「はい。」って言われなくて〜。


だけど。


だけど。


だけど!


遠いよ!


そんなところに立っていたら、手が届かない!

慰めてあげることができないじゃないの!


「じゃあ、失礼します。」


?!


「え、ああ、はい、おやすみなさい・・・。」


行っちゃった?

「失礼します。」?

それだけ?



どうして・・・?



もう・・・馬鹿っ!







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