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児玉さん。俺、頑張ります!  作者: 虹色
7 夏休みの章
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 ★★ 気をつけなくちゃ。 : 児玉かすみ


危ない危ない。

もうちょっとで「大好き!」なんて言いそうになっちゃった。

少し浮かれすぎかな?


そんな言葉、勢いで言っちゃって、あとになってから「取り消します。」なんて、申し訳ないものね。

気をつけなくちゃ。



それにしても、雪見さん・・・上手すぎない? あんなふうに驚かせたりして。

意外と女性経験が豊富なのかしら?

あのちょっと恥ずかしそうな態度は見せかけだったりして。


・・・違うよね。そんなことない。


4月からたくさんお話ししてきたけど、雪見さんがそんなお芝居ができる人だとは思えない。

わたしに対する気持ちは、ずっと隠していたけれど。


あ。


もしかすると、あの「おやすみなさい。」は・・・そうだったのかな?

あれを聞くたびにドキドキしちゃってたのは、そういう意味が込められていたから?


そんなふうに考えると、なんだか・・・困っちゃうな。

雪見さんの言葉や態度全部に、そういう ―― 意味? があるような気がして。

こうやって隣を歩いている今も・・・。



あ・・・、笑った・・・。



や・・・、やだな、当たり前じゃない。

二人しかいないんだもの。


雪見さんがわたしに笑いかけるのなんて、もう何十回も見たよ。

こんなタイミングで下を向いたりしたら変なのに。

告白されたからって、急にわたしの気持ちが変わったりするわけないなのに。


なんだか心臓が・・・。

何か話していないと落ち着かない。


「あ、あの、ちょっとは水に入る? 足だけでも?」


「ああ、そうですね。せっかくですから ―― あ。」


うわ、足元が。


「きゃ。」


「危ないですよ。」


支えてくれた力強い手。

ゆったりした声。

優しい笑顔。


「ありがとう・・・。」



雪見さん、わたし、なんだか・・・困っちゃうよ。







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