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児玉さん。俺、頑張ります!  作者: 虹色
6 七月の章
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7月19日 夜


ものすごい剣幕で怒られてしまった・・・。



まあ、清江伯母さんが怒るのは当然だけど。

お見合いのときにあんなことをしておきながら、今度は勝手に・・・だもんな。


伯母さんは児玉さんのお母さんと知り合いだし、恥をかかせたって言われても仕方ない。

全部、俺が悪い。



母さんには申し訳なかったな。

家に帰ってから電話しようと思っていたけど、俺より先に、怒った伯母さんが電話をかけてしまったから。


相当驚いたに違いないのに、俺と電話で話したときには少し説教しただけだった。

最後には、呆れた様子でため息をつきながら、


『でも、お相手がどんな方かわかっているから安心だわ。』


と言ってくれた。

それから、


『まさか柊が、そんなに積極的な行動に出るとは思わなかった。』


と笑った。



たしかに俺は、人前にどんどん出て行くタイプじゃない。自信だってないし。

けれど、今回のことだけは、そんなことは言っていられなかった。

児玉さんの家で言ったように、お見合いなんかしたら、児玉さんはきっと結婚してしまう。

相手が児玉さんを気に入ることは間違いないし、児玉さんだって、最初から良い条件の相手を選ぶわけだから、見合いの相手の方が俺よりもずっと有利だ。


だから、お見合いをさせるわけにはいかない。

そのためには児玉さんのご両親にも頭を下げるし、清江伯母さんに怒られてもいい。

母さんに・・・父さんにも、迷惑をかけるのも仕方ない。

どれほど叱られても構わないし、いくらでも謝る。


俺にとっては、児玉さんが一番大切だから。

児玉さんと結婚できるなら、どんなことでもする。



・・・児玉さんにも迷惑をかけているんだろうか?



そうなのかな?

今日は、俺のせいでお父さんと喧嘩させてしまったし・・・。



それに、2年前のこともだ。

俺のわがままな態度が児玉さん自身を否定することにつながるなんて思わなかった。

そんな自分勝手な俺を許してくれている児玉さんは・・・俺にはもったいないほどのひとだ。



大切にしたい。


児玉さんがいつも笑顔でいられるように守りたい。

何かのときには俺を頼ってほしい。

頼られる存在になりたい。



児玉さんに会いたいな・・・。せめて声だけでも。



・・・今日はやめておこう。

きのうから驚かせっぱなしで疲れているだろうし。


会えるのは連休明け?




どんな顔をして会えばいいんだろう・・・?









「7月の章」はここまでです。

次から「夏休みの章」に入ります。

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