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児玉さん。俺、頑張ります!  作者: 虹色
4 五月の章
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 ★★ どうしちゃったの? : 児玉かすみ


や…、やだな。


なんか、急にドキドキしちゃって。


あんな……。

雪見さんが、あんなこと言うから……。


だって、「おやすみなさい」なんて……、あんな声で。



いつもあんな声だったかな?


ゆったりして……やさしい……声で。そうだった?



わからない。



雪見さんって言ったら……なによりも、笑顔。


穏やかな笑顔。

恥ずかしそうな笑顔。

楽しそうな笑顔。


もちろん困った顔も、驚いた顔もするけれど、雪見さんは笑顔のイメージ。


声は……わからない。


でも、さっきは………。




落ち着いてきた?


ほんとうにどうしちゃったんだろう?

たった一言だよ? 「おやすみなさい。」なんて、誰でも言うのに。


だけど…ああ、また思い出したら……。



どうしちゃったんだろう?


変なの。


困るよ。


明日、一緒に出かけるのに。


今までは、なんにも考えないで話せたのに。


これじゃあ、まるで……、でも……。



ああ、そうか!


あの声、わたしの好みの声なんだ。

うん、きっと、そうだ。


今までは顔と一緒だったから気付かなかったけど、今日は電話で声だけ聞いたから。



なーんだ。

そういうことか。


自分の好みの声なんて、聞いてみるまで分からないものだよね。




それにしても、雪見さんはやっぱり親切でよく気が付くよね。

「どうして俺を当てにしてくれないんですか?」なんて言ってくれて。

ふふ。

ほんとうに、いいひと。


あんなふうに言ってもらえると、ほっとする。

わたしが雪見さんを頼ってもいいんだって、…そのくらい仲良しなんだって信じられるから。

わたしだけが一方的に雪見さんに親近感を持っているわけじゃないって分かるから。


雪見さんには、つい、遠慮しないで何かを言ったりやったりしてしまう。

でも、いつも嫌な顔をしないでいてくれて……、にこにこ笑って。

仲良くなれてよかった。



明日……、何を着て行こうかな?







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