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昼食会が14時に終わり、それぞれ動きやすい服装に着替えて二台の車で雲場ノ池に向かった。


紅葉の雲場ノ池で鴨と写真を撮ってから、旧軽銀座を案内した。

夕食は、旧軽井沢にある青山夫妻が所有する中華料理店に入った。

この店は中華料理と信濃ワインとのマリアージュを打ち出していた。

北京ダックを注文すると、その鳥の肉を使ったスープと炒飯が付いてくる。

あとは小皿料理で青菜と海鮮の炒めとエビチリ、子ども達のために蟹玉を注文した。

小皿料理を食べているときにはシャルドネを飲み、北京ダックが運ばれてくると黒葡萄で作ったヴァン・ド・ルージュを飲んだが、香奈子【かなこ】と裕【ゆたか】は運転しなければならないため飲まなかった。

食後にアイスクリームとゴマ団子を青茶で頂いた。


その後、千ヶ滝の温泉でゆっくり暖まってから、北軽井沢の自宅に戻った。

それぞれ自室に戻っていったが、恭子【きょうこ】はキッチンからチーズを塊のまま持ち出して、ひとりでバーで飲んでいた。

飲み足りなかった訳ではないが、香奈子と裕が後で来るのを待っていたのだ。

扉の開く音がして、振り返ると、予想もしていない相手が立っていた。

秋野恒太【こうた】は、気まずい気持ちを取り繕うとしていたが、隠しきれていなかった。

沈黙を破ったのは恭子だった。

「何か飲みますか?」

「あぁ。それじゃあ、ビールをもらおうかな。」

恭子は立ち上がってカウンターの中に入り、栓を抜いた瓶ビールと冷えたタンブラーを持って戻って来た。

隣り合わせに並んで座り、恒太のグラスに恭子がビールを注いだ。

「乾杯。」

「…乾杯。」

恭子は、自分のフルートグラスを恒太のグラスに軽く当てた。

恭子の唇で、発泡酒の泡がシュワシュワと弾けた。

「それは…、シャンパン?」

「クスッ。これは、美丈夫っていう微発泡の日本酒です。」

恭子は、自分のグラスを恒太に差し出した。

「日本酒!?」

バーには廊下から入る扉とは別にキッチンに通じる扉があった。

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