朝の廃墟
短いです。フィクションです。
冬の朝。
まだ眠そうなミルク色の住宅街。高台にある小さな高校。
「明日の朝、七時に旧校舎の二階で待ってます。」
彼は見てくれただろうか。何度も悩んで迷った末に送ったメール。
彼は来てくれるだろうか。臆病な私に会いに来てくれるだろうか。
彼は読んでくれるだろうか。想いをつづった手紙を。受け取ってさえくれなかったら・・・。
大きくなる不安。
しぼんでゆく期待。
何であんなメール送っちゃったんだろう!
頭をよぎる、後悔。
冬の朝。朝焼けの街。
軋む階段。壊れたオルガン。
君の足音。