↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅残光 〜散りゆく花は神をも斬る〜  作者: 柚子胡椒
紅残光 一刀流 異聞録 第一章 紅い残光の噂

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/28

第二十話 旅路の先に続く残光

〜新たな旅路へ〜

朝の光が、町並みを穏やかに照らしていた。

宿を出た緋月桜花は、腰に愛刀・桜蕾を携え、静かな通りを歩いていた。

その隣には白峰こはくと白夜の姿がある。

三人は昨日、旅人たちが残していった品々を保管する蔵を訪れた。

そこで見つけたのは、一振りの刀でも、古文書でもない。

一つの桜の簪だった。

紅残光 一刀流の歴代継承者の一人が、自身と縁のある品として残していったもの。

それ以上のことは分からなかった。

「昨日の簪、綺麗だったね!」

白夜が歩きながら口を開いた。

「ええ。長い年月を経ても、大切に保管されていたようですね」

桜花は穏やかに答えた。

「ただ、あの簪を残した方が誰なのかまでは分かりませんでしたね」

こはくが少し考えるように言う。

「そうですね。ですが、あの品が残されていたこと自体に意味があるのだと思います」

「意味?」

「はい。紅残光 一刀流を継いだ方も、私たちと同じように旅をしていたのでしょう。剣の道を歩む中で、何かを残したいと思ったのかもしれません」

桜花はそう言って、遠くの空を見上げた。

「技だけではなく、その人が歩んだ道にも、何かが残るのですね」

「ふふ。桜花さんらしい考え方ですね」

こはくが微笑む。

「えへへ。あたしはお菓子とか残したいな!」

白夜が元気よく言った。

「白夜、それは少し違う気がしますよ」

「えー! なんで?」

「もちろん、何を残すかは人それぞれですけれどね」

桜花の言葉に、こはくも小さく笑った。

三人の間に、穏やかな空気が流れる。

〜次の町を目指して〜

町を抜けると、広々とした野道が続いていた。

草木の間を風が通り抜け、遠くの山々が朝日に照らされている。

白夜は二本の尻尾を揺らしながら、桜花の隣を歩いていた。

「ねえ、これからどこに行くの?」

「そうですね。まずは次の町を目指しましょう」

「次の町かぁ。今度はどんなところかな?」

「実際に訪れてみないと分かりませんね」

桜花は前方を見つめながら答えた。

こはくも頷く。

「旅を続ければ、また何か手掛かりが見つかるかもしれません。古寺で見つかった記録や、昨日の簪のように」

「そうですね。まだ分からないことは多くあります。ですが、焦る必要はありません」

桜花の声には迷いがなかった。

紅残光 一刀流の歴史。

六代目から九代目まで、それぞれの継承者が創り出した独自の技。

そして、今も分からないままの数々の謎。

どれも、すぐに答えが見つかるものではない。

だからこそ、歩き続ける。

旅の中で出会う人々や、残されたものに目を向けながら。

「よーし! それじゃあ、あそこの曲がり角まで競争しようよ!」

白夜が突然、前へと駆け出した。

「あっ、白夜! あまり先に行きすぎないでくださいね」

「分かってるって!」

白夜の声が、野道に響く。

桜花とこはくは顔を見合わせ、微笑みながらその後を追った。

〜旅路の先に続くもの〜

やがて三人の姿は、遠くへと続く道の先に小さくなっていった。

今までの旅路で、三人は多くのものを見てきた。

人々の暮らし。

妖怪たちとの出会い。

そして、紅残光 一刀流に残された歴史の断片。

すべてが明らかになったわけではない。

それでも、一歩ずつ進んできた道は、確かに三人の旅の記憶となっていた。

風が吹き、道端の草花が揺れる。

その先には、まだ見ぬ町と、新たな出会いが待っている。

紅い残光は、今もなお途切れることなく続いていた。

楽しんで頂けたでしょうか?

これにて第1章 完結ということでね、まだ物語は続くので安心してください。

第2章からの新たな出会いなどを楽しみにしてください。

柚子胡椒でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。