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9話 ガオとポヨとの小さな出会い

 か、可愛い!! 今綺麗なドラゴンに、『パパお帰りなさい』って言ったよね? じゃあこの可愛い2匹が、綺麗なドラゴンの子供ドラゴン?


『ああ、ただいま。我が子よ、良い子にしてたか』


 あっ、やっぱりそうなんだ!! わぁ、わぁ! 可愛い!! あまりの可愛さに、自然とニコニコしちゃうよ。でも……。


『ん? 何だお前たち、急に止まったりして。それになにを見ているんだ? ……って、ああ、ユーイか』


 背中から覗くようにして、小さな子ドラゴンたちを見ていた私の体が、背中に乗った時みたいにふわりと浮いて。そのまま綺麗なドラゴンの前に移動すると、そっと降ろされたよ。


『話しの途中だったが、お前たちも気づいていた、暴れていたガオウルボアは、問題なく倒したんだが、この子供が側にいてな。どうしてあの場所にいたのかは、まだ聞いていないが。家族はいないって言うんで、あの場に置いておくのは危険だから、ここへ連れてきたんだ』


『あんな場所に人間の、しかもこれほど小さな者が!?』


『なんてことだ』


『よく無事だったな、怖かっただろう。ここは安全だから安心して良いぞ!!』


『まったく、誰があんな場所に』


『落ち着くまで、というかずっとここにいて良いからな。俺たちが絶対に守ってやるから』


 おお!! なんか優しいドラゴンばっかり。この世界のドラゴンは、みんな優しいのかな? いやでも、ここに来る時に聞いた話し、他で暮らしているドラゴンたちと違って、って言ってたよね。ここに住んでいるドラゴンが特別優しいのかな?


 と、それは良いとして、挨拶しなくちゃ!


「ゆいでしゅ!! よろちくおねがいちましゅ!!」


『ユーイか、よろしくな!!』


『女の子か。あいつら連れてきた方が良いんじゃないか?』


『だが、今は夕飯の支度の最中だろう。邪魔すると怒られるぞ』


 ここでもユーイか。やっぱり発音がそうなっちゃうのかな? それにあいつらって誰だろう? あと夕飯ね。綺麗なドラゴンも言ってたけど、ドラゴンが夕飯って、確かに夕飯なんだろうけど。餌とかご飯じゃなくて夕飯? なんか調理してる感じがするんだよね?


『これ、おおきくない』


『パパ、にんげん?』


 考えていると子ドラゴンたちが、少しだけ私に近づいてきたよ。2匹ともお父さんそっくりの綺麗な純白色で、顔はお父さんよりも丸っこいかな。


 でも全部がそっくりじゃなく。1匹は目の色が銀色で、もう1匹よりもツノが小さく、翼が少し大きくて。もう1匹の後ろに隠れて、私をチラチラ見ているんだ。


 もう1匹は目の色が金色で、もう1匹と反対にツノが大きく、翼は少しだけ小さいかな。それから私のことをジッと見てきて、一生懸命私を観察している感じ。


『この子はお前たちと同じ、子供だから小さいんだ。いつまでになるか分からないが、ここで暮らすことになったから、優しく接してあげてくれ。人間は俺たちと違って、力が弱いからな。少しのことで怪我をしてしまう。教えただろう?』


『ちいさいにんげん、オレたちといっしょ?』


『にんげんのこども、やさしく?』


『ああそうだ、優しくだ。それと、ユーイがお前たちと、友達になってくれると言ってくれてな。せっかくだからユーイと友達になってもらうと良い。お前たち、初めての人間の友達だ』


『おれたちの、はじめてにんげんのおともだち!?』


『おともだち!?』


 驚く子ドラゴンたち。でもすぐに、ツノの大きい方の子が私に近づいてきて、そんな子ドラゴンを追うように、もう1匹も近づいてきたよ。


『先に歩いてきたのが兄だ。弟よりも元気で外を走り回り、ガオガオ鳴くから、俺たちはガオと呼んでいる。弟はおっとりしていてな。遊ぶ時もゆっくりで、ぽよっとしていることが多いから、ポヨと呼んでいる。


 ガオとポヨか。それってもう名前なんじゃないの? まぁ、可愛いから良いけど。


 そんな話しを聞いているうちに、さっきよりも私に近づいてきたガオとポヨ。それでさっきよりも興味津々に、私のことを見てきたよ。ポヨもチラチラじゃなくて、しっかり私を見てきたし。よし! じゃあ私も。


 私はそっと前に歩き出す。そうしたら一瞬ビクッとしたガオとポヨ。それを見て止まる私。でも様子を見てまた歩き始めて。それを繰り返すこと数回。ついにお互いが、手を伸ばせば触れられる距離にまで近づいたよ。

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