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45話 迷いのお屋敷と迷いの庭を舐めちゃいけない

『ゆい、きょうはなにしてあそぶ?』


『まほうのおべんきょはない?』


「うん、ない! だかりゃ、1にちあしょべりゅ!!」


『じゃ、おそとであそぶ!』


『そとたんけん』


「いえのなかじゃなかくてい?」


『じゅんばんにする』


『そ、じゅんばん。たんけんするところいっぱい』


『ぜんぶたんけんするの、じかんがかかる』


『それだとつぎのたんけんがしたくなって、たんけんがだめになる』


 よく分からずに首を傾げている私に、お母さんドラゴンが説明してくれる。


『お屋敷の中の探検をしていると、外の探検が気になって、中の探検がおそろかに。だからと言って外ばかり探検していても、やっぱりお屋敷の探検が気になって、外の探検が疎かになる。だから次の時はお屋敷、次は外と決めておけば、すぐに探検できるって分かっているから、気にせずにしっかり探検ができるってことみたいよ』


 ああ、なるほど。片方の探検を終わらせてから次の探検じゃなく、気になるから両方探検したいってことか。良いんじゃないかな。中も外も、どこに何があるか覚えないといけないし。


 さすが辺境伯のお屋敷とお庭というか、全てが広過ぎて、覚えるのが大変なんだ。もちろん移動する時や何かをする時は、メイドのエリスさんかフローラさんがついてきてくれるし。私たちの護衛騎士のアルベルトさんとバートランドさんが、いつも私たちの近くにいてくれるけど。


 でも一応は、お屋敷の中がどんな作りなのか、どの部屋が何の部屋なのか、誰の部屋なのか、ちゃんと覚えておかないとダメでしょう?


 庭も同じで、もしもだよ、もしも迷子になったら? これもね。ほぼあり得ないとは思うけど、エリスさんやフローラさん、アルベルトさんにバートランドさんとはぐれて。しかも匂いを辿れて、私を背中に似せて飛んでくれるガオとポヨともはぐれちゃったら?


 迷いの庭を舐めちゃいけない。私が名付けた迷いの庭。普段はとても綺麗で素敵な庭だけど。その裏には、人を迷わせる幾つものトラップが仕掛けられている。


 どこを歩いても同じ景色に見える並木道。噴水がいくつかあるんだけど、違う場所にある噴水の方へ行こうと、きちんと目印をみてを道を曲ったのに、気がつけばまた同じ噴水の前に立っている、目印と小道。


 可愛い花のアーチをくぐったはずなのに、振り返ると別の可愛い葉っぱのアーチになってる、変わりまくるアーチたち。その他にも、いろいろトラップが仕掛けられているんだ。


 これは私だけが迷うんじゃないよ。ガオとポヨも歩いていると迷うの。だから匂いを嗅いで、場所を確認したり、飛んで場所を確認したり大変なんだ。


 お父さんドラゴンたちや、パパたち、お屋敷の人たちは、「庭は広いものだから」って笑っているけれど、私とガオとポヨからすれば立派な迷いの庭なんだよ。


 それは、お屋敷の中も一緒だからね。私たちの遊びの部屋へ行くまでに、迷いに迷って1時間以上かかったし、部屋に忘れ物を取りに行こうとして、これまた30分以上かかったて。他にも迷いまくるのが、迷いのお屋敷なんだよ。


 ただ、私たちが迷ってギブアップするまで、エリスさんやフローラさん、アルベルトさんにバートランドさんも、他の使用人さんやメイドさんも、お父さんたちやドラゴンお父さんたちも、私たちの動きたいようにしてくれるから、とても感謝しているんだ。


 とまぁ、こんな迷いのお屋敷と迷いの庭を理解するには、探検をして、いろいろな物を確認しながら、道を頭の中に叩き入れるのが1番。だから探検は大切なんだ。どこまで覚えられるか、ちょっと心配だけどね。


『ごはんたべたら、すぐたんけん』


『だからそれまでに、じゅんびする』


「うん!」


 探検では、私たちが見つけた面白いものが、回収して良いものだったら回収して、後でガオとポヨの宝物入れに、入れることになっているんだ。ほら、見つけてもそれが元々そこに置いてあるもので、動かしちゃいけない物だったら、回収しちゃダメでしょう?


 一応私は分かるけど時々、ん? これはどっちだ? っていう物もあってね。確認をしないとダメなの。


 この前も、ガオとポヨが拾おうとして、ダメだったある物があって。私もそれを初めて見た時は、何だ? ん? とは思ったし。


 割れたお皿が飾られていてね。何か聞いたら、どこぞの有名な芸術家が、わざとお皿を割り。その割れたお皿の形を何々に見立て飾り、他の割れた破片も並べ、何々を表した物。って説明を受けて。私もガオもポヨも、よく分からないままで終わった、装飾品があったんだよ。


 まぁ、あとで、なぜかお皿の破片を欲しがったガオとポヨが、いらないお皿をもらい。わざわざ割って、危ない部分を綺麗に削り、宝物入れにしまうっていう。こっちも何とも言えない行動をしていたけど。


 何はともあれ、こういうことがあるから、確認は大事なんだ。


『ふくろ、ちゃんともっていく』


『いっぱいはいるふくろね』

 

「うん!」


 探検に必要な物を、マジックバックにしまっていく私。と、そうか、今日は外の探検か。あっちも気をつけないといけないな。

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