40話 指先ファイヤーにスーパーボールのファイヤーボール
初めての時よりも、もっと集中。普通のファイヤーがどのくらいの大きさか、いろいろあって聞くのを忘れた私。
でも魔力を溜め始めちゃったから、みんなの反応から、たぶんお父さんドラゴンのファイヤーの大きさか、それよりも少し小さいくらいかなと。そう思って聞かずにそのまま、魔法の準備をしたよ。
そうして最初よりも時間はかかったけど、今だ行ける!! と思った瞬間。私は『ファイヤー!!』と唱えたんだ。そうして発動したファイヤーは……。
まさかの最初よりも小さい、大人の指先くらいのファイヤーだったの。なんでさっきより小さくなるんだよ!! と、そう突っ込みながら、お父さんドラゴンたちの方を見る。
みんな口をポカンと開けて、指先ファイヤーを見ていたよ。まぁ、そうもなるよね。小さいけど、一応は成功となった最初のファイヤー。それがもう1度確認にとやっ芽てみたら、さらに小さくなったんだから。
『あー、これはどういうことだ? おい、インフェリオ。ユイの魔力は安定しているよな?』
『ああ、魔法を使う時に少々揺らいだが。それは問題になるほどではなかった。今は一定に戻っている』
『他はどうだ? カルドラスは分からんがもしれないが、ノクティアは分かるだろう?』
『俺だって、魔力が安定しているかくらい分かるぜ。……練習の時と同じか? ん?』
いや、分かってないじゃん!
『変わりない、綺麗に一定。最初よりも丁寧にやってた。だから最初よりも一定』
『うむ、皆一緒だな。では魔法が発動する時の様子はどうだった?』
『今も言ったが、魔法を発動する時は少々魔力が揺れたが、問題にならない程の揺れで。きちんとユイに反応していた』
『ファイヤーをやるつもりで、実は別の魔法をやってしまった、ということは?』
『どこからどう見ても、あれはファイヤー、間違っていない』
『ファイヤーって言ってたんだから、当たり前だろう?』
『そんなことは分かっている。だが、あり得そうなことは、全て確認しなければ。他に何か気づいた事は?』
『なんだよ、ファイヤーはファイヤーだろう?』
「まったくだ!」
魔法が苦手なヴァルガンにぃとカルドラスは、ちょっと静かにしてて。今、原因をみんなで考えているんだから。
なんて思いながら、お父さんドラゴンたちの話しを聞く私。でもその途中で、指先ファイヤーを見ていたガオとポヨが、嬉しそうに話してきたんだ。
『オレとポヨの、まほうににてる』
『うん、ボクたちのまほうににてる』
『オレたちのふぁいやーぼーる』
『ちいさなふぁいやーのーる』
『ユイにかわいいふぁいやーぼーる、みせてあげる?』
『さっきみせてあげるっていった』
『うん! ゆい、みせてあげる!!』
『ぼくたちのまほう!!』
『待て、お前たち! 今パパたちが話しを……』
お父さんドラゴンが止める間もなくガオとポヨが、
『『ふぁいやーぼーる!!』』
と唱えた。そうしてすぐに2人の前に、スーパーボールの大きいサイズくらいの、火の玉が現れたんだ。
ちなみにドラゴンや魔獣たちは詠唱なんて関係なく、魔法を使うことができる。人も慣れれば詠唱がいらなくなるけれど、でも物によっては必要なこともあるらしく。まぁ、その辺はまだ、しっかり教えてもらっていないから分からないけど。でもドラゴンは、全ての魔法で詠唱はいらない。
じゃあ何でガオとポヨは、詠唱したのか。それは魔法を思い浮かべたり、声に出した方が、みんな魔法を覚えやすいからだって。だからガオとポヨの詠唱も、声に出しているだけで、直接魔法に関係していないらしい。
そしてそんなガオとポヨのファイヤーボールだけど。普通のファイヤボールの大きさは、野球のボールくらいから、それこそ使い手によって、かなり大いくなる時もあって。
お父さんドラゴンの今まで見た中で、1番大きかったファイヤーボールは、人間の平均的な家よりも大きかったとか?
だけど、ガオとポヨのは? 大きなスーパーボールと同じくらい。私のファイヤーと似ていて小さいんだ。
溜め息を吐きながら、ガオとポヨのファイヤーボールを見るお父さんドラゴン。
『確かにお前たちのファイヤーボールに、大きさも状況も似ているな』
『何だ? どういうことだ?』
『いやな、ガオとポヨにはもちろん、基本のファイヤーから教えようとしたんだが。どうしてもファイヤーボールがやりたいと言って聞かなくてな。それでまぁ、ファイヤーボールも基本の魔法だから良いかと、それで教え始めたんだ。だが……』
『だが?』
『なぜかいくら練習しても、今以上に大きくならんのだ。1度、倍の大きさの物ができたこともあったが、それ以降は元に戻ってしまってな。その原因がさっぱりで、今のユイの状況と似ているんだ』




