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37話 ボロボロの髪の毛はリリアーナさんにお任せ

「はぁ、これが限界かしらね」


「そうよね、あれだけ焦げちゃっていたらね」


「焦げたところは全部カットしたし。傷んでしまったところもなるべくカットしたわ。でもこれ以上やると、ボリュームがなくなってしまうから。あとはもう少し経ってから、もう1度カットするしかないわね」


「ああ、ユイの綺麗だった髪が、こんなに短くなってしまうなんて」


「フェリシア、しょうがないわ。でも髪の毛はすぐに伸びるから。すぐに気にならなくなるわよ」


「そうよ。それに私は、下手をしたら完璧ショートになるかと思っていたもの。それがここまでで済んだのだから、リリアーナには感謝しかないわ。リリアーナ、ありがとう」


「いいえ、私もなんとかできて良かったわよ。そうだわ、新作が出来上がってね、これなら余計目立たなくなるかもと思って持ってきたの。ちょっと待っていて」


 リリアーナさんが、たくさん持ってきていたカバンの中から、1番大きなカバンを持ってきて、中から小さなな箱を取り出したんだ。そうして箱の蓋を開けると、中から大きなピンクのリボンが出てきて、それを私の髪につけてくれたの。


「大きめのリボンだから、よりボリュームが出たように見えるはずよ。どう?」


「そうね、これなら傷んでいるところも少し隠せるし、良いわねこれ」


「タイミングが良かったわ。ユイちゃん、これは私からのプレゼントよ。街へようこそ」


「ありがちょ!」


『ゆい、かわいい』


『うん、かわいい』


『オレもなにかつけたい』


『ボクもつけたい』


「え? リボンを付けたいの?」


『うん、つけたい』


『ママはいっぱい作ってくれる』


『でも、これははじめて』


『かわいいりぼん』


『ゆいと、いっしょがいい』


「いっしょ……、お揃いってこと?」


『うん、おそろい』


『おそろいがいい』


「分かったわ! これから2人をユイみたいに可愛く仕上げるから、その後あなたたちにもプレゼントよ」


『オレたちこれから?』


『ボクたちこれから?』


「ええ、そうよ。あなたたちの毛を見てみて。ふわふわになったけれど、でも毛先はパサパサしているでしょう? それをなくしてふわふわだけにするのよ」


「お風呂でのお約束を、これからやるのよ。ユイを見ていたでしょう? ユイと同じようにするのよ」


『ゆいといっしょ?』


『おなじ?』


「チョキチョキよ」


『ふお!? ちょきちょき!?』


『はわ!? ちょきちょき!?』


『こわくない!?』


『ぼくたちょきちょき、いたいことない!?』


「痛いことなんてしないわ。ユイみたいに可愛くするだけよ。それでふわふわだけになるの。だからそのために、あなたたちには静かに立っていてもらいたいの」


『……だいじょぶかな?』


『……だいじぃぶ?』


 ちょっと嫌がっているガオとポヨに、私は話しかける。


「だいじょぶ。あたち、すわってちゃだけ、こわくないち、しゅぐおわったでちょ。しょれでかわいくなっちゃ。だかりゃ、がおとぽよもだいじょぶ」


『……ゆい、だいじょぶ。ならだいじょぶ?』


『……うん、だいじょぶかも』


「それじゃここへ来て、立ってもらえるかしら」


 リリアーナさんが、小さな少し背の高いテーブルを指差す。そこにそろそろと飛んでいくガオとポヨ。


「いい? 私がチョキチョキしている間は、なるべく動かないでね。それじゃあ2人一緒に始めましょう」


 こうして始まるガオとポヨの、可愛くなるためも作業。一体私たちは何をしているのか。というか、リリアーナさんは何をしているのか。


 まずリリアーナさんは、私たちがママの部屋に入った時にはすでにそこにいた、スタイル抜群の女性で。ママの知り合いであり、地球でいうところの、理容師のような仕事をしている人だったよ。


 あることがきっかけで、ボロボロ状態の私たちの髪の毛を、綺麗にしに来てくれたの。そうして最初にカットが終わった私の髪型は。ふわふわのセミロングで、大きなピンク色のリボンを付けてもらい、とってもかわいいヘアスタイルにしてもらったんだ。


 もうね、可愛くて可愛くて、もうずっとこの髪型で良いってくらいだよ。


 でもママとフェリシアお姉ちゃんは、前の髪型の方が良いみたい。残念がったあと、めちゃくちゃパパたちのことを怒っていたよ。


 そうして今度はガオとポヨの番。2人も私同様、ふわふわな毛の毛先がボロボロに。それをこれから綺麗にしてもらうんだ。


「さぁ、じゃあ私は、向こうの様子でも見てこようかしらね。リリアーナ、ここは任せて良いかしら」


「ええ、大丈夫よ。しっかりね、そう簡単に許しちゃダメよ」


「もちろんよ! ユイちゃんたちは、終わってからフェリシアときなさい」


 ママの目がきらりと光った気がしたよ。


 そうしてママが部屋から出て行って数分後、外から大きな音が聞こえてきたんだ。

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