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3話 違和感の正体と転生数分で絶体絶命

 いや、うん。突然の出来事にも、それから死んだって聞かされた時も。慌てずに冷静に、そしてこれからの自分のことを決めたけど。あれかな、人間ってあまりにも衝撃的な出来事に直面すると、慌てるよりも冷静になるのかもね。


 ゾウくらい大きな猪の魔獣が現れて、すぐに私を認識し、思いっきり私を襲おうとしているのに。私は、『ああ、逃げても無駄だろうなぁ。私はまた死ぬのか』なんて。慌てず怖がらず、そして逃げずに考えていたからね。


 私が考えている間に、ゆっくりとでもしっかりと、私の方へ近づいてきた大きな猪魔獣。そうして私の目の前まで来ると一旦止まり、じっと私を見つめてきた。


 近づいてきたことで分かったのは、ゾウくらいだと思っていたけれど、それよりも猪魔獣の方が大きかったってこと。へぇ、大きいなぁ、なんて呑気に思う私。


 ただその時、私はある事に気づいたんだ。大きな猪魔獣だからね、瞳もとても大きく。その大きな瞳には、いろいろな物が映し出されていて。その中に、まさかの物が写り込んでいたの。


 私は目覚めてすぐ、周りを見た時のことを思い出したよ。ここには、私以外の人間はいなかったはず。というか、この大きな猪魔獣が現れるまで、他の生き物もいなかった。そして今、大きな猪魔獣の前にいるのは私だけ。


 そうか、言葉と体の違和感の正体はこれだったのか!!


 大きな猪魔獣の瞳に映っていたもの。それは2歳か3歳くらいの、小さな女の子の姿だったんだ。


 この場所に、私以外の人間はいなかったし。もし私が気づかないうちに、誰かが来たとしても。今、大きな猪魔獣の前にいるのは私だけ。だから大きな猪魔獣の瞳に映っている小さな女の子は、私以外に考えられなくて。


 転生する直前の、バカ神とセシルさんの会話。


「あっ!? しまった!?」


「何をやっているんです!! 今すぐとめっ……!!」


 この会話ね。街の近くの林の、すぐに外に出られる場所に、15歳で転生するはずが。気が生い茂る森か林、しかも2、3歳児の姿でいるこの状況。


 あのバカ神、またミスったな!! 転生する場所も、歳も、全部間違ってるじゃん!! という結論に私は至ったんだ。


 ただ、そう結論に至ったところで、動き出した大きな猪魔獣。そんな状況でも、冷静なのは変わらずに。


 この大きさだから、私なんてひと口で食べられるだろうなぁ。なるべくだったら一撃で、痛さをあまり感じないようにしてくれないかなぁ、なんて。

 そう思いながら、大きな猪魔獣の、大きな口が目の前に迫り、そっと目を瞑ろうとした私。


 でもその時だった。また予想外のことが起きたんだ。


 目の前に迫っていた。大きな猪魔獣の大きな口が横に吹っ飛び、かなり離れた場所の木にドガガガガガッ!! と勢いよく当たると。その場に倒れるた大きな猪魔獣。何? と思っていると、私の横の方から、


『グルルルルルルッ』


 と唸り声が聞こえて。私はゆっくりと横を見たよ。


 そうしたら、横の方の木々がいつの間にか倒されていて。そこに、体長が8メートルはゆうにある、体全体が純白色で、光の角度によって虹色に淡く輝き。

 顔は丸く、目を釣り上げていなければ、とても優しい表情をしているんだろうな、って感じの、大きなドラゴンが立っていたんだ。


 もうね、冷静を通り越して、唖然としちゃったよね。新しい世界へ来てまだ10分も経っていないのに、どこだか分からない場所に、子供の姿で転生させられ。挙句、大きな猪魔獣に襲われたと思ったら、今度はドラゴンだもん。


 そのままボケっと、とても綺麗なドラゴンを見ていた私。そうしたら、私なんて目に入っていないのか。あるいは気づいているけれど、こんなちびっ子に用はないと、無視しているのか。


 私の方を一切見ずに、大きな猪魔獣の方へドシンドシンッ!! と歩き始めた、綺麗なドラゴン。


 今度は倒れている猪魔獣の方を見る。と、大きな猪魔獣は、いつの間にか立ち上がっていて、綺麗なドラゴンのことを睨みつけ唸っていたよ。

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