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20話 大切な契約のはずなのに、何とも言えない……

 まさかのまさかだった。私がガオとポヨのパートナー? 確かに友達以上には感じていて、2人とは気が合いそうだとは思っていたけど。まさか運命のパートナーほど、私たちは相性がバッチリだったなんて。


 でも、これどうなの? 2人はドラゴン騎士とか、人と契約することとか、まだ考えたことないんじゃ? だってまだ1歳なんだよ? それで運命の相手だから契約って言われてもね。


 大体お父さんドラゴンたちは、グレイオル様の街へ行くって言っているし。ほらあの街はドラゴン騎士たちの街だって。ここにいるドラゴンたちも、ドラゴン騎士になりたいドラゴンが多いんでしょう?


 ということは。お父さんドラゴンたちは、ガオとポヨをドラゴン騎士にしたいと思ってるんじゃないの? それは2人が本当になりたいものなの? 

 子供のうちは、なりたいものなんて沢山あるでしょう。それで成長するにつれて、本当になりたいものが決まっていってさ。


 それなのに今からそれじゃあ。2人が他のものになりたくなったら、どうするつもり? 私だって、いきなりドラゴン騎士って言われてもね。私はこの世界で自由に生きたいし。


 だけどまぁ、今は自分のことよりも、ガオとポヨだよ。私はガオとポヨのことを、一生懸命お父さんドラゴンたちに伝えた。


 そうしたら話しを聞いた2人は最初、とても驚いた顔をしたけど、その後にっこり笑ったんだ。そしてこれからのことについて、話してくれたの。


 私たちが運命の相手だということは分かったから、私が魔法を使えるようになったら、ガオとポヨと契約してもらおうと考えていて。

 だけど運命の相手だろうと、私たちの気持ちが1番大事だから、ちゃんと私たちの気持ちを聞いてから、契約させようと思っていたって。


 そしてもしも契約したあとは、成長して自分たちだけで、生きられるようになったら。自分たちの生きたいように、好きに生きれば良い。


 なんかね、今のガオとポヨの夢が、『大人になったらいろいろな場所へ、冒険や探検に行きたい』らしくて。


 もしも大人になっても、その夢のままなら。もちろん私の気持ちを聞いた上でだけど。2人と一緒に、その冒険と探検に行ってもらいたいなぁって。


 将来やりたい事、なりたいものは人それぞれ、ドラゴンそれぞれ。別にドラゴン騎士になるだけが、私たちの未来じゃない。田舎に行ってゆっくり暮らすのもいい。


 そして家族になるのも相棒になるのも、どんな関係になるのも、それは私たちの自由。契約解除だって自由なのだから、小さいうちにたくさんの経験をして、未来を決めればいい。それが俺たちの考えだ、ってお父さんドラゴンたちは言ったんだ。


 だけどね、それでも私たちが、運命の相手な事に変わりはない。だからもしも、このことを他の人たちに知られると、私たちの力を手に入れようと。いろいろな人たち、というか国からも、私たちは狙われる可能性が高いだろう。


 そうならないためにも、自分たちで戦えるようになるまでは、力のある人たちの中で生きる方が安全だ。


 そうなると、グレイオル様はかなりの力の持ち主。ほら辺境伯様だからね。グレイオル様の家族になれれば、そう簡単に他の人たちは手を出せなくなるし、お父さんドラゴンたちも、私たちを守りやすい。


 だから私たちのことを全てグレイオル様に話し、話しがまとまったら、家族全員で街へ行こう、と考えていた。


 お父さんドラゴンもお母さんドラゴンも、ガオとポルのことをとっても考えてくれていたよ。私のことも……。


 ただなぁ。いやね、私は異世界へ来る時、魔獣と契約して家族になるんだって、とても楽しみにしてたよ。だからガオとポヨが、私と契約したいって言ってくれたら、喜んで契約すると思う。


 でも、契約についてしっかり聞かないで、ここへ来ちゃったでしょう? お父さんドラゴンは、契約解除は自由って言ってたけど、それは本当? 


 ライトノベルや漫画だと、契約解除は凄く力を使うとか、解除するまでに、いろいろなことをしないといけないから大変だとか。

 1番心配なのはこの問題。無理に契約を解除しようとすると、瀕死のダメージを受ける可能性が……。契約解除って、良い話しを聞かないじゃん。


 もちろん契約解除して欲しいって言われたら、私は何が何でも契約解除するよ。でもそれで、ガオとポヨが傷つくことになったら? それは嫌だよ。


 ということで、契約解除について聞くことに。


「かいじょ、ちゃいへんじゃない? しゅぐにできりゅ? きじゅちゅかない?」


『ああ、解除は簡単だし、傷つくこともない。というかな、簡単すぎるくらいだ。なにしろほぼ一瞬だからな』


 ほぼ一瞬?


『解除の魔法があって、それを使えば一瞬だ。だから時と場合によって、みんな好きなように、契約したり解除したりしているぞ。もちろん一生共にする者たちが多いがな』


『そうね、私たちの友人のドラゴンも、ちょくちょくやってるわね』


 時と場合によってって、どんなよ? しかもちょくちょくって、契約ってそんな簡単なものなの?


『だからそのことは心配しなくて大丈夫だ』


『この前も喧嘩したからって契約を解除して戻ってきて、少しして仲直りしたらまた契約し直して帰っていったドラゴンもいたし』


 喧嘩……。運命の相手とは? この人だって一瞬で分かる出会いとは? なんか大切な契約のはずなのに、急に軽いものの気がしてきちゃったよ。

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