15話 ご飯も他も最高なのに、モデル級に囲まれた私の悲しみ
『ゆい、おいし?』
『ゆい、ほっぺぽよぽよ?』
「うん、おいちいよ!」
『そ。でもゆい、ときどきパパとママみたいなかおしてる』
『うん、してる』
「ぱぱとままみちゃいなかお?」
『そ、おでこしわしわ』
『おめめ、ほそくて』
『かんがえてるかお』
あー、それは……。ちゃんと見てたのね。
「あのね、ごはんとってもおいちくて、おどりょいたの。こんなおいちいごはん、はじめてたべちゃかりゃね」
『はじめて!?』
『はじめてはだめ! いっぱいたべる!!』
『これもおいしい!』
『これも!!』
私のお皿に、どんどん料理を取ってくれるガオとポヨ。表情については嘘ついちゃったけど、でも料理が美味しいのは本当だから良いよね。
戻ってきて見た衝撃に、初めはぼけっとしてしまった私を、お母さんドラゴンが抱き上げて、私の席まで運んでくれて。私はガオとポヨ家族とご飯を食べることに。みんなそれぞれの家族と囲んでご飯を食べたり、友達と一緒にたべたり、それぞれ好きなように食べるみたい。
お皿に綺麗に盛り付けされた料理が、地面にたくさん並んでいて、取り皿もたくさん置かれており。飲み物は……、それぞれのサイズに合わせて。樽が置いてあったよ。私のは私の顔より少し小さいくらいの樽だった。
それから料理の周りには、もふもふのクッシュンが置かれていて、これもそれぞれサイズのものが用意されてるんだ。魔獣から毛を分けてもらって、それで作った特製のクッションだから、とっても気持ちが良いクッションらしいよ。
確かに、座らせてもらった途端、その気持ちよさの衝撃で、ぼけっとしていた私の心が、戻ってきたくらいだったからね。こう、今までに味わったことのない、本当にもふもふ、ふわふわで、手触り最高の高級クッシュンって感じかな。
そうして食事が始まって、私は最初にシチューみたいな物から食べたんだけど。うん、ご飯に関しては、この世界に来て良かったって思ったよ。
地球では数回、高級レストランに行って、何万円もする料理を食べたことがあるけれど。もうね、その高級料理が霞んでしまうくらい、とっても美味しかったんだ。まさに、口がとろけるというのは、こういう料理のことを言うんだろうね。
そしてその美味しい料理が、用意された物全部なんだから、ドラゴンお姉さんたちの料理の腕前は、一体どれほどのものなのか。
明日は若い男性陣が作るらしい。当番制もね、同じドラゴンばかりだと飽きるって、組み合わせが毎回変わるんだって。
今日は女性陣、明日は若い男性陣。明後日は、この前面倒ごとを起こしたドラゴンたち、女性陣の監視付き、みたいにね。 面倒ごと……何をやらかしたのか。
と、こんな風に、とても美味しいご飯を食べられて、ご飯に関してはとても良かったし。私を保護してくれて、そして受け入れてくれたドラゴンたちには、本当に感謝しかなく。出会うことができて、本当にありがたいと思っているんだ。いるんだけど……。
これだけはどうにも納得いかないことというか、おかしいと思うことがあってね。それがご飯を食べに戻ってきた時の、私が衝撃を受けたこと。
いや、良いんだよ。みんなそれならそれで。別に悪いことじゃないし、なんだったら良いことだしね。ただ、今の私からすると、すごく惨めになるんだよ。
だって……どう考えてもおかしいだろう! この世界には美女に美男子しかいないのか!? 戻ってきたら、オスのドラゴンたちも、人の姿に変身していたんだけど、全員モデル級の男性しかいなかったんだよ!!
セクシーダイナマイトボンバーな女性陣に、イケメンにイケオジな男性陣。子供たちだって、全員が可愛くて天使みたいな子しかいなくて。
その中に入れられた私の気持ちが分かるか? 最初に魔獣に襲われた時、あの魔獣の瞳に映った自分の姿しか、まだ見ていなくて。しっかりと確認したわけじゃないけど。
でもどう考えても、ここにいるみんなに比べたら月とスッポン。周りが凄い人たちばかりだと、私のチンチクリンがさらに目立つじゃないか!
あああ、この世界の人たちは、みんなこんなに綺麗な人ばかりなのかな。どうしよう、これ。
あ~、これが分かっていたなら、バカ神に「可愛くして」って頼んだのに! いや、高望みはしない! だけどこの中に入っても、せめて悪目立ちしないくらいにしてもらえば良かった!!
と、この事実のせいで、美味しいご飯の時も感情が顔に出ちゃってたみたいで、ガオとポヨに心配かけちゃったんだよ。本当、これについては言って欲しかった……。




