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トゥブアン皇国の実態と、十二の騎士団

 先にも触れたが、トゥブアン皇国は世界地図を広げるといくつかある大陸のなかでは最小だが、文化中心圏とされている中央諸国地域が丸ごと入ってもまだ余るほどの広大な島大陸で、しかも建国以来一国で統一がつづいている。


 ――頂点に立つのは、皇帝唯ひとり。


 皇族や王族といった家系血筋を重んじる世襲制ではなく、選出制。

 その唯一皇帝以下はすべてが平民平等のため、トゥブアン皇国には王侯貴族といった身分制度や特定的な継承権利制度がないため、国民の気質は明るく、のんびりと穏やかだ。


 ――ただ、島大陸の特有性とでもいうべきか。


 国土の気候は極端で、全体の六割が住むには不向きの乾燥や砂漠、あるいは渓谷や奇岩がつづく地域で、そのうち二割が大樹海の山野なので、人々の暮らしは住みやすい沿岸地域か、わずかに離れた平野地域に集中している。

 トゥブアン皇国の首都ともいえる皇都地域は、この平野に長く置かれている。

 このように住むには地域もかぎられるが、小国の規模はあるだろう広大な牧畜地域も点在し、牛や馬、羊の放牧で畜産業が盛んだ。

 おかげで実り豊かな秋の季節になると、各地でにぎやかな収穫祭が行われ、名物の牛の丸焼きは各地が競ってその味を披露するほどだ。

 加えて手つかずの地域はいまもあり、そこに眠る鉱石や地下資源は豊富。

 おまけに島大陸の最大の利点、四方を豊かな大海洋に囲まれた特徴もあって、いわば理想の天然巨大要塞のような大陸国家として名を馳せている。


 ――ここだけを語れば、トゥブアン皇国は存在そのものが楽園だろう。


 何も十二の騎士団を抱える要素はないと思われるが、皮肉とはまさにこのことで、大陸に尽きぬ資源と恒久平穏がある以上、それだけ「それ」を羨み、欲望の対象となって、他国「外敵」に狙われる要素をつねに抱えていることを意味している。


 ――地図上で見ると。


 トゥブアン皇国は広大な面積を誇る西の大陸と、大小さまざまな大陸が接する東の大陸の間に延々広がる大海洋の中央……やや下の位置にぽかんとひとつ浮く位置にあり、本来であれば東西の大陸の重要な海洋交易航路としてそちらの産業でにぎわっていてもよかった。

 だが、東の大陸は礼節正しくトゥブアン皇国を「一国」として敬意を払うのに対し、西の大陸は海洋交易航路として必要不可欠な補給港湾地域、あるいは交易相手国とは見なすことができず、欲望の対象としてトゥブアン皇国の国土――島大陸そのものを手に入れようと魔手を伸ばすようになったのだ。

 とくに自らを文化中心圏と称している中央諸国地域は、強大な宗教国家として名高い「シャトラリス聖皇国」を筆頭し、もう数百年単位でトゥブアン皇国に侵略戦争をくり返し仕掛けている。

 戦争に幸いという表現はおかしいが、それでも幸いなのは、互いの大陸を大きく隔てている大海洋があるため、戦火はいつも海洋での戦闘となるため、国土に直截災厄は降り注がない。

 どのような敵船団が牙を剥こうと、海軍騎士で構成されている七月騎士団がつねに身を挺して絶対防衛に努めてくれる結果だ。


 ――同時に。


 トゥブアン皇国は大陸自体も天然の要塞で、人々が住むには地域もかぎられてしまうが、反面、これこそ幸いなのが、西の大陸に面する地域は悉く高さ数十メートルはある断崖絶壁が群を成し、しかも全長が数百キロとつづいている。

 これは「仮」ではあるが、万が一、敵国の大船団が大陸から目視確認できる位置まで近づき、どれほど砲門を向けようと、その断崖絶壁の上にある国土には到底届かず、強固な絶壁が砲弾ごときでは崩れるはずもなく、ましてや人が上陸し、手を加えながら登る手法を取ったとしても、頂上は垂直遥か先。

 絶壁を登るというのは、到底困難不可能だ。


 ――だが、過去の交易航路の時代が災いして。


 トゥブアン皇国を欲する敵国たちもかつては海洋交易航路として周辺の海域を渡り、トゥブアン皇国を交易宿場町として、あるいは補給港湾として訪ねていたため、この島大陸の海岸地域、港湾地域はすでに熟知されている。

 これは四方を大海洋に囲まれたトゥブアン皇国としても唯一の弱点で、敵国の進軍侵入航路を考えれば、つねに海洋に警戒の目を向けなくてはならない。


 ――ゆえに、トゥブアン皇国では自己防衛のための海洋軍隊が必須で。

 ――「騎士」といえば、剣より軍船の海軍が筆頭に上がるのだ。


 たしかにトゥブアン皇国は長い歴史を見ても国土に外敵の侵入を許したことはなく、結果論でいえば「常勝」という言葉でも飾れるが、それを護りきるため、海軍騎士の七月騎士団はつねに犠牲を払いつづけている。

 勝ち戦というのは、けっしてつねに「安全」に勝利しているというわけではない。


 ――辛うじて、敵船団を撃破できた。

 ――幸い、状況不利と見なし、敵船団が反転離脱した。

 ――幸い、損害軽微。

 ――辛うじて、味方船団が帰港することができた。


 言葉だけを聞けばこれだけで済むが、実際「無傷」という結果はただの一度もない。


 ――海戦で軍船を一隻失えば、視界から消えるのはその一隻。


 そう受け取られるが、視点を考えると、大破沈没していく軍船には所属する「騎士」が百人単位で乗り合わせている。

 一隻失えば、百人単位の人命が一度に失われ、それが数隻、あるいは十数席を失うとなれば、騎士の犠牲も甚大だ。

 しかも外敵はいつ大船団を引き連れてくるのか、わからない。

 失った軍船を建造するためには時間も匠も必要だし、それ以上に失われた騎士の貴重な戦力を育てるのには破格の経験と時間を要する。

 これでは身が持たない。

 貴重な人命のほうが枯渇してしまう。


 ――だからトゥブアン皇国は、つねに膨大な数の「騎士」を必要とするようになった。


 交易よりも戦争……海戦の頻度が目につくようになった当時、海軍騎士は性器と志願の騎士たちを集めて海戦に向かわせていたが、つど失われる人命に対し鍛錬と経験が追いつかず、国府がいよいよ腹を括る。

 唯一皇帝も苦渋の決断で、これにうなずいた。


 ――この侵略を目的として敵国との戦争頻度が、トゥブアン皇国に十二の騎士団を誕生させた、と。


 少年兵が一人前の「騎士」となるために所属必須の十二月騎士団で鍛錬と勉学に励んでいたとき、ハシュは学びのなかで知る。

 ハシュが憧れている「騎士」というのは、この数百年、皇国の存亡を懸けて亡くなった多くの犠牲者から成り立ったのだ、と――。



□ □



 ――一月騎士団(武官)


 所属は、皇宮。

 皇宮親衛隊として構成され、武官が所属する騎士団のなかではもっとも「花形」で、剣技武芸にもっとも優れたエリート集団として知られている。

 なかでも一月騎士団団長位は「騎士」の最高峰と称され、これに憧れぬ者はなしと言われている。



 ――二月騎士団(武官)


 所属は、皇宮および皇宮内。

 唯一皇帝の公私身辺護衛隊として構成され、日夜存在なき存在として影より行動。護衛のプロとして認識されているが、所属武官たちが外部にあまり顔を見せないため、実態は謎のほうが多い。



 ――三月騎士団(武官)


 所属は、皇宮および皇宮内。

 こちらは現皇帝が「女性」にかぎり女性騎士で構成される親衛・警備隊。

 現在の皇帝は男性のため、休団中……とされているが。

 現状では武官、文官の妻帯の上層部の「奥方」の寄り合い、または婦人会の総称となることが多く、これに逆らえる騎士団は存在しない。

 ゆえにトゥブアン皇国では、「花嫁も即座にかかあ天下」と揶揄されている。



 ――四月騎士団(文官)


 所属は、皇宮および皇宮内。

 皇宮諸事の一切を取り仕切る権威の象徴でもあり、現皇帝の公私すべてを支えている。

 皇宮内はこの四つ――厳密には三つだが――の騎士団で構成されており、四月騎士団団長が直截統括を務めている。

 また、国事、政治、軍事面の一切に関与しない立場でもある。



□ □



 ――五月騎士団(文官)


 所属は、国政。

 文字どおりトゥブアン皇国の内務、外務、総務をはじめとする国事、政治分野の一切を取り仕切り、「国府」とも呼ばれている。

 そのため、文官で構成されている騎士団のなかではもっとも大人数の騎士が所属している。

 団長は「宰相」の立場となるため、権威が集中しないよう在任は数年単位と決まっている。



□ □



 ――六月騎士団(武官)


 所属は、全土陸軍。

 いわゆる剣技武芸に優れた「騎士」の模範。

 大陸全土にいくつもの部隊を駐屯させ、外敵の万が一の上陸に備え、鍛錬をつづけている。

 剣技に優れた少年兵が最初に配属されるのは、この騎士団がもっとも多い。

 また、ハシュが本来所属を夢見たのも、この六月騎士団である。

 別名、陸の騎士団。陸の武官。



 ――七月騎士団(武官)


 所属は、大陸海洋域の海軍。

 トゥブアン皇国のなかでもっとも歴史ある騎士団で、軍船団部隊をいくつも所有するため、武官の騎士団のなかでは最大級の人数を所属させている。

 同時に、唯一「実戦争」をつねに経験する騎士団でもあるので、周囲からの敬意、信頼は絶大。

 剣技よりも海洋、軍事、気象など多方面に置いて知識を必要とするため、頭脳集団とも呼ばれている。

 また所属軍港、鎮守府、軍船団内で団体行動の日常を過ごすため、武官のなかではもっとも身内意識が高く、掃除、洗濯、炊事もお手のもの。

 別名、海軍騎士。



 ――八月騎士団(武官)


 所属は、陸上騎馬隊および、航空騎馬隊。

 一般的には騎馬隊で構成された騎士団として知られており、剣の六月騎士団、騎馬の八月騎士団として周囲には認識されている。

 騎馬戦での武具は多彩だが、もっとも有名なのがランス。

 もうひとつ、他国に情報厳禁なのが、航空騎馬隊という特殊な存在。

 このトゥブアン皇国には大陸固有の動物が存在し、その最たる稀少が背に翼を持つ「天空馬」。

 それらを飼育し、騎馬として調教。航空騎馬隊として称されているが、実際は長距離同士の火急の伝令が必要なときに起動するため、国民の目にもあまり触れたことがない。

 また、ハシュが十二月騎士団を修了するとき、彼の馬術を見込んで入団採用希望を出した騎士団でもある。



 ――九月騎士団(技能)


 所属は、武官の武器全般の製造。

 主体は海戦に必要な造船建造だが、剣や鎧、その他武具の製造にも長けている技能集団。製造はもちろん、性能を確かめるための武芸も持ち、実際に武器を手に戦うこともできるが、一般的には匠として知られている。

 そのため、少年兵からの成り手は極端にすくなく、かわりに武官で構成されている騎士団からの転属が多い。



 これら国土防衛の実戦部隊となる三つの武官の騎士団と、それを支える技能の九月騎士団、少年兵を育成する十二月騎士団を統括するのが、七月騎士団団長。

 武官の騎士団の「頂点」「長」という位置付けにあたるが、その統括のなかに皇宮所属の一月、二月騎士団は含まれない。



□ □



 ――十月騎士団(文官)


 所属は、全十二騎士団の統括。

 

トゥブアン皇国の象徴は、唯一皇帝。

 国府、政治の統括は「宰相」の五月騎士団団長。

 皇宮諸事の統括は、四月騎士団団長。

 武官の騎士団および軍事の「長」は、七月騎士団団長。

 権力が一極集中しないよう、各騎士団には団長が配され、それを統括する立場にあたる団長が存在するが、それらの「長」が必要とする裁可申請に唯一判断し、許可の押印を下すことができる「決断の長」が、この十月騎士団の団長。

 独断権は与えられてはいないが、存在と権限は十二ある騎士団の「頂点」であり、事実上国事のトップでもある。

 ただし――。

 それは団長のみの権限であり、所属する文官たちは日々、各騎士団から受理承諾を求める書類を集め、合否判断の押印をもらい、それを受け渡すというひたすら書類整理に努めている文官最大のお役所仕事であり、ハシュは現在、この騎士団に所属する新人文官として伝達係……通称・伝書鳩として、日々書類の受け渡しの運びにこき使われている。

 そのため、文官の騎士団のなかではもっとも所有する騎馬の数が多い。



□ □



 ――十一月騎士団(武官・文官)


 所属は、国政。

 国内での活躍はほとんどなく、現在は文化中心圏とされている中央諸国の西の大陸を中心に事細かな情報を絶えず集めている、いわば諜報機関を担っている。

 そのため、表向きは外交使節団という名目が多く、所属する武官たちもほとんどが事実上「諜報」として他国に紛れ込み、正確な人数は把握されていない。

 ここだけでも充分秘匿性の高い騎士団だが、それさえも表向き。

 実際は暗殺、暗躍、謀略の専門機関で国内外の機密処理に長けている。

 統括は国政を担う、五月騎士団団長。

 そのため、一般的には外務府所属扱いの武官、文官が多い。



□ □



 ――十二月騎士団(武官、文官候補)


 所属は、少年兵育成の全寮型騎士団。

 トゥブアン皇国では一五歳になると、十一ある騎士団に正式入団するための必須課程として、武芸学問を修養させるこの騎士団に所属する義務がある。例外はない。

 修養過程は二年。

 修了と同時に希望する騎士団、あるいは技量を見込んでの採用型、もしくは技量相応の騎士団に配属が決まる。

 なお十二月騎士団団長は、二年に一度の割合で当期修了する「修了生」が任命されるのだが、権限は全少年兵及び教師講師、学長の上に立つ立場となるが、実際は「生徒総監督役――生徒会長のようなもの――」の延長戦のようなものなので、成績主席、次席クラスの少年兵は打診されても拒否する者が多い。

 また、ハシュはあくまでも武官の騎士団入団にこだわったが、実際は馬術の技量を見込まれて、文官の十月騎士団からの採用通知を受け取ってしまった。


 ――それから三ヵ月。


「……これってどう考えても、都合のいい脚の速い馬を扱える使いっぱしりが欲しかった、って言うのが採用理由だよなぁ」


 ハシュはそれをどこかで悟り、空を見上げて目を瞑った。

 ここまで騎士団があるというのに、夢と希望の先の着地地点が伝書鳩だなんて……。



□ □



 このようにしてトゥブアン皇国に十二ある騎士団は所属や目的を明確に分けられ、現在の仕組みに至る。

 各騎士団に所属すると引退、定年を含む退団まで同騎士団に永続所属することもあれば、武官で構成されている騎士団を転属、おなじように文官で構成されている騎士団を転属することもある。

 上層部はつねに適材適所での人員運用を計っているのだ。

 稀に才能次第で文官が武官の騎士団に転属することもあるが、武官の場合は文官を命じられるとき、継続断念の怪我を負う者の転属先というのが一般的だが、不備のない現役が転属を命じられると、意識的に戦力外通告を受けたという意味合いが強く、屈辱的で、受け入れがたいと言われている。


 ――武官が文官に成り下がるなんて、冗談じゃない!


 と憤怒し、「騎士」そのものを退団、号を返納する者もいるのだ。

 だが、もし文官から武官への転属の機会があるのなら、ハシュとしては大喜びだった。

 何せ、そのためにいまも時間を見つけては剣を手に取り、修練に励んでいるのだから。

 ただ……こればかりはどうだろうか、というすれすれの技量が現実だった。

 晴れて武官の騎士団に入団が決まった同期たちはいま、さらなる技量を磨いて真に一人前の武官、「騎士」として認めてもらえるよう奮励努力している。

 才能を持ってしても、最初の数年は新人の雛鳥あつかい。

 そこに食い込もうだなんて、やっぱり夢は夢で終わってしまうのだろうか……。

 ハシュはときどき剣を離した手を震わせ、唇を噛みしめてしまう。


「……」


 ――……。

 ――いや、それよりもッ!


「いまは書類と、人探し!」


 そちらに集中せねば、とハシュはハッとする。

 クレイドルを連れてこい、と言われたけれど、一番存在が近しいと思えた皇宮内で「彼」を知る者を見つけ出すことはできなかった。

 だとしたら、あとはどこに目途をつければいいんだろう?

 現在、トゥブアン皇国にある十二の騎士団は国挙げての創設のため、現行でも所属騎士の武官、文官は合わせて数万人はいる。

 現役だけでこうなのだ。

 引退、退団、あるいは経験者を含めれば、それこそ全土の男性半数が最悪の場合は視野の対象となってしまうのだ。

 さすがにこれは被害妄想の延長戦だから、実際にそこまで草の根を分けて探し出す必要はないにせよ、何せ「クレイドル」なる人物の手がかりは、その名前だけ。

 唯一手がかりになると思われる言葉は、


 ――私が犬や猫に会いたいとでも思うのか。


 あのときは、それを命じた四月騎士団団長から叱責を受けたと思い、思わず首を引っ込めかけてしまったが、よくよく考えても見れば、誰かまわず「クレイドル」ならいいというわけではないのだろう。

 あの四月騎士団団長が会いたいと思える「クレイドル」でなければならない。

 それを割り出して、ハシュはあと二日で答えにたどり着かなければならない。

 なぜか、そういうふうな流れになってしまった。


「名前だけで、あの人が会いたそうなクレイドルを探せだなんて!」


 ――そんなの、絶対に無理に決まっているッ!


「ああッ! もうッ!」


 ――あの性悪眼鏡めッ!


 皇宮から一路、十月騎士団への帰路途中。

 ハシュは騎乗したまま、珍しく大声で叫んでいた。

 そこは皇宮と十月騎士団をつなぐ皇道であったため、周囲に異様な目で見られることはなかったが、滅多にないハシュの感情の大声に、黒馬は一瞬動揺しかけてしまった。

 幸い、足並みが崩れるということはなかったが、この騎手はいったい何をそこまで感情を露わに急ぐ気配を出しているのだろうか。

 落ち着かせるためには、まず一歩でも早く十月騎士団の敷地に戻らなければならないと心得ていたので、黒馬は持ち前の俊足を最大限に、前へ、前へと疾走する。

 黒馬がそれを可能とできるように、ハシュはけっして姿勢を崩さす、十月騎士団に見初められた馬術で騎乗していた。


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