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過去

 だんだんと陽が落ちてきて、外のグラウンドには残り光と陰りが混じり合って独特な色をつける。

 試合開始は、刻一刻と近付いている。なのに、何も考えたくない。頭を空っぽにしたい。まだ残っている室内ブルペンで、ひたすら投げ込む。

 犬神さんはもういない。約束の十五分を過ぎても、コーチも皆川達も戻って来ない。だから、一人で思う存分使わせてもらっている。キャッチャーもバッタもーいない空席に向かって球をぶつける。おさまらない苛立ちと、埋まらない虚しさを紛らわすために。

「あぁ!」突如、梅野の大声が響いた。「こんなとこにおったんかい!」大股でこっちに向かってくる。でもぎりぎりまで無視する。

「おいっ、おいっ、安藤!」

「悪い。気付かなかった」

「嘘つけや! お前一回こっち見たやろ!」

 目に入りかける汗を拭いながら、「いや。見てない」と言い訳する。梅野は忌々しそうな顔をしながらも、親指を立てて後ろを示す。

「お前に客やぞ」

「客? こんな時に会えないんだけど」

「越川監督や」

 皮膚に噴き出ていた汗が、一瞬で冷える。

「何びっくりしてんねん。言うたやろ。俺がなんとかするって」

「そうだけど。でもまさか、本当に来るなんて……あの人は、俺を嫌っているはずなのに」

「……お前はほんまに、見えるもんは見たまんま、聞こえるもんは聞いたまんま。額面通りに受けとる奴やな」

 梅野の言っていることが、よく分からない。無言で息を吸う俺の肩を、ごつんと指の関節で殴る。

「監督は、お前のことをほんまに心の底から嫌ってると思ってるんか? なぁ、それは何でや」

「あの人は、俺のことを……絶対にプロでは活躍できない。運よくできても、絶対に生き残れないって言った」

「ほんで?」

「ほんでって……十分、俺を嫌ってる証拠だろ。監督なら、選手にそんなことは言わない」

「あほやなぁ」

 梅野が空を仰いだ。「監督やからこそ、言うたんやろ。お前が壁にぶち当たった時のために」

「どういう意味だ?」

「俺に聞くより、本人と直接話してこいや……監督に言われとったんや」

「何を」

「お前が―安藤が野球のことでどうしようもないくらい困った時は、俺を呼べってな」

「いつ」

「卒業式の時」

「だいぶ前じゃないか。何で黙ってたんだよ」

「むしろ何で言わなあかへんねん。ていうか、俺もちょっと忘れとってな……お前にタイムリープの話聞かされて、ふっと思い出したんや」

「それってつまり……」二人しかいないのに、つい小声になる。「監督は、このタイムリープを予見していたってことか?」

「いや。普通のおじさんやん」

 梅野は真顔で即答する。

「そんな超能力あらへんやろ。でも分からへん。最初に言うた通り、何か関係してるかもしれへん」

「どう関係しているんだよ」

「だから、俺に聞くなっちゅうねん。本人に聞いてこい。ほんで、話してこい。時間ないで」

 急かされて、俺はようやくグラブから指を抜く。震えている。身体が拒否をしている。だけど、行かないと。時間がない。俺は俺の目的を果たすために、会うだけだ。

「行ってくる」

「安藤。ええアドバイスしたるわ。監督相手に話そうとすんな。鏡に映った自分と話しとると思えばええ。そしたら緊張せんやろ」

「誰から聞いたおまじないだよ」

「そんなあほくさいもんちゃうわ。お前と監督は気付いてへんみたいやけど、二人けっこう似てんで」

 両目をぐるりと回して悪戯な笑みを見せる梅野。

 俺は鼻に皴を寄せて、その横を通り過ぎた。



 クラブハウスまでの地下通路、やたら響く足音の数を数えながら心を落ち着ける。数段の階段を上がり、古い倉庫のような部屋にたどり着く。銀のドアノブを回して外に出ると、クラブハウスの正面玄関が見える。

 グレーのスーツを着た小柄な男性―あの頃はもっと太く大きく見えた越川監督が立っていた。梅野の言う通り、中に入るのを拒んで外でずっと待っていたようだ。寒そうに両手をこする仕草が、まだためらっている俺の足を動かす。

「監督」

 この呼び方しか、知らない。でも、すぐに気付いてくれた。

「よぉ」

 久々の再会に、緊張も不安も隠せない。監督は平静を装っているように見えるが、目を凝らすと指の先が細かく揺れている。

 それでも、互いに数歩ずつ歩み寄る。ロボットみたいでぎこちないが、距離は縮まる。内側に丸まった肩、垂れ下がった頬、白髪交じりのぼんやりした頭。監督が何歳かなんて知らないけれど、あの時はずいぶん若かったんだなあと思い出す。

「梅野に聞いたか」

「何となく……でも、直接話せって言われました」

「あいつらしいな」

「あの。中で」

 すぐ後ろの自動ドアを手で示す。監督は首を横に振った。

「椅子に座って和やかに話すようなことでもない。お前も時間がないだろ。俺はただ、少し話すだけだ」

「……俺が、今日引退するからですか。それとも……」

 タイムリープの予見者だから―な、わけないか。梅野の言う通り、普通の人だ。神秘的でもなければ、怪しげなオーラもない。

 何を考えているんだ、俺は。自分で自分を鼻で笑い、頭を振る。

「どうした」

「何でもないす」

「緊張しているのか。意外だな」

「それはこっちの台詞っす。何でなんすか。困った時に呼べなんて……どうしてそんなこと言ったんですか」

「ふん。決まってるだろ。俺はお前を、嘲笑うためだよ」

 監督は何のためらいもなく言い切った。じわりとあの頃の無力感が蘇ってくる。高校生の子供だった俺には、監督という存在は抗って勝つことができない存在だった。もちろん、プロの世界でも監督は選手にとってのボスだ。でもそれは形式的なものであって、どこか対等のような関係性も存在する。

 高校生は違う。監督は大人で全てを仕切っている。そのことがとても腹立たしくて、虚しくて、はやく大人になりたかった。大人になれば、堂々と立ち会えると。

 なのに、やっぱり、この人を目の前にすると勝手に顔が俯く。攻撃から、身を守るために。

「やっぱり、そうなんですね」

「優しくされるとは勘違いしていなかったようだな」

「昔からそうじゃないすか。俺に投げかける言葉は、いつも冷たかった」

「そうか。例えば?」

「独りよがりとか、野球に向いてないとか」

「うん。それだけか」

「ポテンシャルはあるのに、表現力が皆無だって言われました」

 ふっ―頬を膨らませて目を細める。「何だ。意外とちゃんと聞いてたんだな」

「……監督の、言葉なんで」

 ただ素直に思ったことを口にしたら、意外といい表現に聞こえる。まるで従順な選手だ。監督も満足そうに頷く。

「それで、俺の言った言葉の意味は理解できたか?」

「分かんないす」

「だろうな。俺は、今のお前からも何も感じない。あの時と何も変わらない。チームにも色があるように、選手個人にも色がある。単純な見た目やポジション、成績のことを言っているわけじゃないぞ。内側から―感じるものだ。安藤、お前はどんなピッチャーになろうとしていたんだ?」

「勝てるピッチャーです」

「はっ」鼻で笑う。「勝てるピッチャーねぇ。どこがだ。全然じゃねーか。俺だって覚えてるぞ。あの時お前が言ったことを」

「何すか」

「ドラフト会議で選ばれた後だ。俺はお前に言った。好きだから、野球を始めた。だけど、好きだけで上手くなれるわけでも、簡単に結果が出せるわけでもない。甘くないぞ。俺には、お前がプロで活躍できるとは到底思えないってな。すると、お前はこう言い返したな」

 監督は一度間を置く。俺に思い出す時間を与えているらしい。だが心配無用だ。とぼけた振りをしているが、よく覚えている。強気な発言をした青臭い自分ほど、鮮明に記憶に残っている。

「お前は言った。じゃあ、結果を出してみせますよ。生き残ってやりますよ。そう捨て台詞を吐いて、俺の前から去っていった……なぁ、それが今じゃあこの果てだ。打たれて、フォアボールも増えて、長いイニングも投げられない。マウンドを下されれば、ろくにリリーフ陣の投球を見守るわけでもなく、すぐに奥に引っ込んじまう。そして、今度は自分からマウンドを下りて消えようとしている。それが、今のお前だ」

 ずらずらと言葉を並べる。一見批判に聞こえるが全て事実だ。

 あぁ、そうか。

 だからこの人は、言いに来たんだ。「俺の言った通りだろ」と。

 皮肉だな。この人の言うような落ちぶれていく選手にだけはならないようにと、プロ野球界に乗り込んだのに。

 でも、今なら。「そうですね」と、素直にそう答えられるだろう。顎を引き、頷く準備をする―。

「まだ、はやいだろ」

「……え?」

 予想外の言葉に、顔を上げる。

「好きだから、野球を始めた。だけど、好きだけで上手くなれるわけでも、簡単に結果が出せるわけでもない。それでも、それでもだ。好きじゃなければ、野球は続けられないだろ。なぁ。お前は何で野球を続けてきたんだ? どうして今、野球を辞めるんだ?」

「何でって……だって、監督は辞めろって言いにきたんじゃ……あんたは言った。俺はプロで活躍できないって……」

「選手の未来なんて誰にも分からない。どんなに才能が見てとれる奴でも、その先に何が待ち受けているか分からない。野球界の大エースになれるとか、いつか代表の四番になれるとか、実際は誰にも予測できない。だから、俺は言えなかった。この先野球で生きていく奴に、たかが高校の三年間の付き合いしかない俺が無責任なことを言えるわけがない。せめて、俺の言葉が……お前はプロで活躍できないという言葉が発奮材料になればいいと送り出した。まったく、最低な監督だろ」

 泣き笑いみたいな顔をして首を傾げた。お前と監督は似てるんや―梅野の台詞が耳の奥でリピートされる。

 たしかに、少しだけ似ているのかもしれない。ずっと自分とは真逆の人間だと勘違いしていた。チームをまとめるのも選手とのコミュニケーションもそつなくこなせて、器用な監督なんだと思っていたから。

 だけど、肝心なことは上手に伝えられない。伝えようと思っても、とてつもない時間がかかる。そういう不器用なところは、俺と同じだ。

「ずっとお前に言いたかった。だが、あの時からお前は俺を避け続けていたし、俺もそうしていた。だけど今朝、梅野から電話があって。これは神様が、伝えるべきだと言っているんだと思った。俺はお前の本心が知りたい。どうして野球を続けてきた? どうして今、辞めるんだ?」

 みんな、同じことを言う。犬神さんも、監督も。どうして今更、同じことを聞くんだ。

 簡単だ。そんなの。

 野球を続けてきた理由なんて、簡単だ。

「どうして野球を―」

 それは―

「続けてきたんだ?」

 野球は俺の―

「どうして今、辞めるんだ?」

 監督の黒目が、俺の胸の内を捉えて離さない。「だからそれは……」言いかけて、言葉に詰まる。犬神さんの時と同じだ。答えはちゃんと答案用紙に書いてある。二つに折りたたんでしまってある。あとは提出するだけ。

「まさかお前」監督の呆れた息が壁になる。「辞めたら楽になると思ってるのか? 野球は、そんな簡単なものじゃないぞ」

 いいや。簡単だ。簡単だよ。

 向いていないから辞める。

 先が見えないから辞める。

 苦しいから、辞める。

 辞めたら、全部、楽になるはずだ。

「どうなんだ?」

 言ってしまえ。言って、さっさと監督を追い払ってしまえばいい。

 なのに。なのに。これを言ってしまえば、本当に全てが終わってしまうような―そんな真っ暗な不安の波が押し寄せてくるんだ。

 俺は俯いて唇を噛んだ。叱られた幼子が何を言えばいいか分からなくて心の中をウロウロするように、ただ唇を震わせる。

「安藤」

「……はい」

 監督は静かに手を伸ばして、自分よりも高い位置にある俺の肩を掴んだ。とても優しく、まるで労わるような触れ方だった。

 いつだったか、同じようなことをされた気がする。そうだ。二年の夏の甲子園、準々決勝。三年生達の最後の夏。俺が先発で投げた日。勝てそうだったのに、八回の裏に失投して逆転ホームランを許した。そのせいで、負けてしまった。先輩達からも普段から好かれていなかった俺は、無言の批難を背中に感じた。たしかに、先輩達のためにという気持ちはそれほど強くなかったかもしれない。それでも、負けようと思ってマウンドに立ったことはない。その試合だって、ちゃんと勝ちたちと思って腕を振り続けた。マウンドを去らなければならない悔しさと悲しさは、先輩達と同じだ。自責の念だってある。しかし、誰にも理解はされない。その時初めて、孤独を嫌った。

 そんな俺を、バスに乗り込む前に監督が呼び出した。今のような二人きりの空間で、向かい合わせに立つ。俺の肩を掴んだ。そして言った。「お前のせいじゃない」と。たった一言だった。それ以降、他に優しくかけられた言葉はない。しかしその時の一言は、たしかに胸に響いた。

 それを思い出したせいか、俺は十七歳の俺のように涙を零した。いや、勝手に零れたんだ。食い止めようとしても止まらない。ただただ自分がどうしようもないくらい、情けなかった。

 ぼやける視界のほんのわずかな透明な隙間に、監督の顔が見えた。なぜか監督も唇を噛んでいる。悔しそうに、そして悲しそうに。

「今までずっと走り続けてきて、急に立ち止まると不安になるのは分かる。今まで耳にも入らなかった雑音がよく聞こえて、他の選手の評判に焦るのも。それもいい。いいことなんだ。時には隣のレーンにいる選手と比べて自分の足元を見つめるのもいいことだ。今のお前には足りないところが多く見つかるだろう。だけど、だけどな。それは選手を辞めなくてはいけないほどのことか? 取り返しのつかない状態か? 諦めなくてはいけないほど落ちぶれたか? 違うだろ。俺がさっき言ったことは全部、修正ができる内容だ。トレーニングの仕方次第で、お前の心持ち次第で、どれだけでも改善できる」

 肩を掴む力がだんだんと強くなる。この時ようやく、梅野の「額面通り」という言葉の意味を理解する。

 この人は、俺のことを嫌っていたわけじゃない。この人なりに、俺のことを応援してくれていた。今までも、今も。だから今日、会いに来てくれた。

「安藤」

 もう一度、名前を呼ばれる。喉の奥で声が震えている。

 監督は、最初に言った言葉を繰り返した。

「―まだ、はやい」


                   ***


 最近の俺は、本当にどうかしている。目に映る光景の全てが憎々しくて、耳に流れ込む音の全てに苛立って、最後はいつも虚しさが残る。吐いた言葉は全部自分に跳ね返ってきて、溜まっていく。

 いつからだろう。やたら周囲の評価が気になるようになったのは。SNSなんて、ずっと見てなかった。選手の中にはマメにチェックして、自分の課題を探ったり、発奮材料にしたりする人もいると聞いたことがあったけれど、俺には必要なかった。

 俺のことを分かるのは俺だけだ。何も知らない人間の言葉に耳を傾ける必要はない。そう思っていた。

 調子を崩し始めて気持ちが不安定になり出してから、今の自分は世間にどう思われているのだろうと気になり始めた。そして初めて、その世界を覗いてみた。そこには果てしない自由と暴力が混ざった言葉が並べられていた。どれだけスクロールしても終わらない。

 そうか。俺は、こんなふうに思われていたのか。

「ふざるな。俺はそんなんじゃない」という怒りよりも、「そうだ。全くその通りだ」と妙に納得する自分がいた。そう認めた瞬間、俺の中に灯っていた明りがふっと消えた気がした。

 他人の言葉を素直に聞き入れるようになれたことは、成長か、退化か。犬神さんと監督の言葉を跳ね除けられなかったのは、俺自身が弱くなったせいか。それとも―。

「安藤。そんなとこで何をしてんねん」

 地下通路の途中の壁に頭をもたれさせていると、梅野がやって来た。冷たい壁にもたれかかっていると、気持ちが落ち着く。寄りかかるものがない場所で立っている時は、全身に力を入れて踏ん張っていないといけないからつらいのだ。

「おい」前から回り込んで、強めに声をかけられる。「しんどいんか」

「別に」

「じゃあ、何でこんなとこにおんねん」

「戻る途中だったんだ」

「越川監督は帰ったんか」

「あぁ」

「ちゃんと話せたか? 何か、分かったんか?」

「分からない……」壁にこすりつけたままの頭を幾度か横に振る。「何も、分からない」

「ほうか」梅野は鼻で大きく息を吐く。伏せた瞳はとても困っている様子だ。

「……悪い」

「謝るなんて気色悪いことすんな。仕方ない。ほんなら別の方法を考えて―」

「違う。違うんだ、梅野」さっきよりも、激しく頭を横に振る。「俺は、俺のことが分からなくなってきた」

「はぁ? どうしたんや、いきなり」

「これで……これでいいって。もう自分は駄目だって思って……これが正しいことだと思っていたのに……!」

 髪をくしゃくしゃにして、頭皮に爪を立てる。このまま食い込んで、この脳みそを壊せないだろうか。思いっきり壁に打ちつけたっていい。

「何だよ! みんなして……何なんだよ? 俺が決めたことなんだ。俺が駄目だと思ったら、それはもう駄目で……」

 どうして俺の邪魔をするんだ。どうしてすんなりマウンドを下させてくれない。

「他人のあんたたちに、俺の何が分かるんだよ! これじゃあまるで、俺が俺を分かってないみたいじゃないか!」

「何やってんねん!」

 さすがに梅野も焦った様子で、俺の手首を掴んで頭から離した。

「どうしたんや? 何があったんや!」

 もうしんどい。何も考えたくない。何もしたくない。消えたい。みんなの中から、俺という人間が完璧に消えてほしい。

 立つ力もない。ずるずると背中を滑らせて、床に尻もちをつく。

 くらくら眩暈がする頭の中で、万華鏡のように景色の色や柄が変わる。今まで出会ったいろんな人の声が洗濯機のようにぐるぐる回る。

 誰かの声が、ぼんやり響いて聞こえる。

 次第に、はっきり聞こえる。


 ―見届けるよ、最後まで。


「あ―」

「どうした?」

「思い出した……俺の引退に、とやかく言った奴」

「誰や、誰やそれ」

 乾いた唇を湿らせてから、その名前を呟く。

「――中嶋だ。中嶋 優也……」



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