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完成体少女  作者: 有原優


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第五十九話 ゲルドグリスティ再来

「生きてたの?」ユウナは空を見て言う。「ゲルドグリスティ」


 そこにはピンピンとしているゲルドグリスティがいたのだ。


「あれはもちろん分体ですよ。ロラン、あいつはただの囮ですよ。ともかく、あなたたちはみんな満身創痍。このまま終わらせてしまいます!」


 空から炎が落ちていく。

 なん十発もの炎が空から一気に落とされていく。


 その炎を防ぐ体力も残っていない。

 全員、ぢりぢりに逃げていく。


「そんなものか?」


 その炎により、そばにあった森が燃えていく。

 そして、逃げ場が無くなった。

 周りが火に囲まれる。

 これではまともに戦えない、

 ユウナとミコトはすぐさま空を飛ぶ。


「まあ、そう来るでしょうね!」


 周りからガーゴイルが飛んでくる。

 剣聖とミアは飛べない。ユウナにはもう自分を浮かすので精一杯だからだ。勿論ミアも。



(一体どうしたら)


 もはや打つ手など残されていないのかもしれない。


「でも、諦めたらだめだよね」


 ユウナはできるだけ出力を抑えた炎で、ガーゴイルたちを焼き払っていく。体力をできるだけ


「まだ終わってないよ。あなたさえ倒せれば私たちの勝ちだ!!」

「ははは」そう、笑った後、「そんなことをほざくなよ」


 そう、低音で怒りを盛った声で言う。


「本来ならロランとかいうやつが全滅させてくれたら楽だったのですが……所詮人間でしたね」


 そして、ゲルドグリスティはユウナのもとに向かう。

 もはやゲルドグリスティに対抗できる力なんて残っていない。


 このままでは勝てない。その絶望感に襲われるユウナ。

 だが、もう一人、絶望に襲われる人物がいた。



(何をしているのですか、私は)


 そう、ミアは思う。


 先ほどロランの背中のバリアを壊し、ユウナを助けた。だが、それ以外に自分は何をした。

 空も飛べないし、拳も尽く跳ね返されてしまった。

 剣聖の援護。ほとんどそれくらいしかできていない。

 これだと、何もできないに等しい。

 そもそも今、ユウナが必死に戦っているのに何もできない。

 戦力外、それが悔しい。


「うわああああ」


 ミアは叫んだ。

 そして地面をける。

 不思議と体が軽い。その影響で空を歩けている感覚がする。いや、歩けている。


「これなら、私も戦えるのです!!」


 そしてそのまま、猛スピードでゲルドグリスティに向かっていく。


「ミアちゃん!?」

「私がやるのです!!」


 そのままゲルドグリスティの頭をミアの拳が貫く。


「存在忘れてましたね。あなたも完成体でした」

「忘れないでほしいのです」


 ミアはそのまま足で空を踏みしめながらゲルドグリスティに向かっていく。


「あわてないでくださいよ。ゆっくりと戦ってあげますよ」


 そのままゲルドグリスティは後ろに下がっていく。ミアの攻撃をよけるように、ミアを疲弊させるように。

 事実、ミアは空を飛ぶことには慣れていない。長期戦は不利だ。


「うわあああ、殺すのです!!!!」



 ミアは全てを恨んでいるかのような目でゲルドグリスティを見ている。


「やれやれ、私は君に疑われるようなことをした覚えはないのですがね!!!」


 ゲルドグリスティはミアに向けて数発の炎を放ってくる。だが、ミアはその攻撃をたやすく片手で跳ねのける。


「なかなかの化け物みたいですね。しかし、なめないでもらいたいですね」


 そしてゲルドグリスティは大量の火の玉をミアに向けて放つ。


「そして、さらにこれでも喰らえ!」


 大量の岩が飛んでくる。そして火はその岩に転嫁して爆発した。


「じゃまなのです!」


 だが、その勢いは全く衰えずに突っ込んでいく。


「これは狂戦士とでもいうべきでしょうか。いやはや、本当に恐ろしい」


 そして、ゲルドグリスティは、ユウナの方に飛んでいく。


「え?」



 完全に油断しきっていたユウナにとってそれは不可視の一撃。

 全く予想だにしていない攻撃にユウナはよけられなかった。


「つぅ」


 そのままユウナは地面へと落ちていく。ゆっくりと地面に向かって。



「ユウナ」ウェルツは駆け寄り、ユウナを地面に衝突する寸前で拾い上げる。


「大丈夫か、おい!」

「大丈夫だよ。多分これは死なない」


 そう、ユウナは全てを見知ったような風に言う。

 自分の体のことなら自分がよくわかる。



「まずは、あいつだよ」


 ユウナは空を見上げる。そこではミアとゲルドグリスティが激闘を繰り広げている。



「うわああ!!!!」


 ミアがゲルドグリスティに向かっていく。


「仲間の敵討ちですか? なら私もそれに乗りましょう」


 ゲルドグリスティはバリアを張り、ミアの攻撃はそれに妨げられる。そしてその間にゲルドグリスティの体がどんどんと変化していく。


「私もね、近接戦が苦手なわけではないのですよ。今、あなたを殺せばこの場にいる全員、皆殺しにできる。さすれば魔王様復活の種となる。さあ」ゲルドグリスティのバリアが解かれる。「かかってきなさい」


 その、体は、筋肉でお腹の腹筋が割れており、腕も太くなっている。さらに腕は六本に増え、完全に近接対応の姿だ。


「さあ、第二ラウンドの開始です」


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