第102話 面談
「ルイスさん」
翌日、牢獄の中のルイスに、ユウナは話しかける。
勿論今日は一人出来ている。
他人の干渉なしで話したかったのだ。
ルイスの手には鎖ははめられていない。ルイスが素直に自ら投獄され、逃げ出す意思が見えないという事もある。
「ユウナか」
「あなたに聞きたいことがあるの」
前置きなく、ユウナは言う。
「ユウリちゃんを解放する方法を教えて」
「ユウリ、とは誰だ?」
ユウリが出てきたときにはルイスはほぼ気絶していた。
「完成体」
「完成体になったのか!!」
ルイスはそう言って大きく高笑いをする。
「俺の研究が実を結んだのか」
そんなルイスに対し、ユウナはじっと制すように見る。
「すまなかった」
無言の圧を感じ、ルイスは座り込む。
「私は今も、貴方に対して怒っているんだから」
「それは分かっている。お前にとって俺が許せないのだろうことも」
「分かればいいよ。それで聞きたいのは一つ。誘致ちゃんを今の私の体から解放する方法はない?」
それが今一番聞きたかった事だ。
「そもそも完成体になって、なんでお前はまだ意識があるんだ」
「私はユウリちゃんと今一緒の体を有してるの、ほら」
そう言ってユウナはユウリに体を譲る。
「本当だよー、私が完成体ユウリちゃんー、どやー」
そう、言ったユウリに対し、ルイスは目を見開く。
「こんなこと、信じられん」
「どうして?」
「前代未聞だ。そんな話、聞いたことがない」
「聞いたことなくても、実際にあるの」
ただ、ここでユウナは気づいた。実際の所ルイスはこの事態の対処方法を何も知らないのだと。
そうなれば、ここでの問答は全て意味をなさなくなる。
「ただ、それならばいい方法があるかもしれん」
「それはなに?」
「とある湖、そこには絶滅したはずの竜族がすんでいるんだ。そこならば何かわかるかもしれん」
「竜族」
そこなら何かわかるかもしれない。それは希望そのものだった。
「じゃあ、行ってくる」
ユウナはそう言って走り出した。
「やれやれ、活発な子だ」
一人取り残されたルイスは静かにそう呟いた。




