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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

人類絶滅作戦A

作者: 吉都 五日

短めです。よろしくどうぞ。

「ねえ、次の手は?どうするの?」

「ちょっと待ってください、今考えてますから…うーん」

「早くしないと。時間だけがどんどん過ぎてっちゃうよ」


俺は今とても偉い人と遊戯をしている。

そう聞くと何を思い浮かべるだろう?対戦型のテレビゲームだろうか?

それともトランプ?囲碁や将棋だろうか?


「そう言われても…うーん、後何があるかなあ」

「あ、また。ほらこれでまた50億に乗った。折角減らしたのに」


正解は、人類を絶滅させるゲームだ。

勿論、シミュレーション上である。いや、だと信じている。



西暦が始まったころには2億人程度だったが、1800年代に10億人に達した人類は2000年にはついに60億人を突破。現在は70億人を超えるというとんでもない増加スピードだ。

それに対して地球さんは地球さんなりに色々頑張った。


災害を増やしてみたり、海の水位を上げてみたり。

お魚さんを減らしてみたり。

バッタを強化してみたり。

あるいは人間の戦争を煽ってみたりウイルスを撒き散らかす手伝いをしてみたり。


そして最後の手段が当人たちに聞く。

『ねえねえ、君たちを滅ぼすのはどうしたらいいと思う?』って相談だ。

気でも狂ったかと思う内容だが、当人?は至って真面目のようである。


で、白羽の矢が立ったのは俺だった。何で俺?


「もう案ないの?」

「…厳しいっすよ」

「でも何も成果がないと君の命も危ないね」

「もうちょっと頑張ってみるっす」


正確には俺だけではない。

前任者も沢山いた。


一定の効果がある案を出せばご褒美をもらえる。

ただし効果がないと死、である。

そして俺の前任者はほぼ何の効果も得られず死んだ。

俺は引継ぎしてすでに20年、この20年で人口は60億から75億になろうとしている。


前任者も前々任者も頑張った。

彼らはとてつもなく大きな戦争を起こし、生産年齢人口を激減させたのだ。


そうなると食料生産が減って飢饉が起こり、未曽有の餓死者が…出るはずだったんだけどね。

進んだ科学文明は魔法のような事を起こす。

今や当たり前となったが、70台のジジイ一人で何反もの面積を耕し、作物を得ることが出来る。

そう、機械文明は老人使ってを嘗ての若者の何倍もの成果を得られるようになったのだ。


「おかげで戦争しても人口はバカ増えっすよ」


驚くことに俺たちが悲惨な、人間が死にまくったと習った戦争をやっていた時代。

1900年~1950年に世界の人口は無事に1.5倍以上増えた。

そしてさらに1950年~2000年の間には2.4倍に。

トータルで1900年代で4倍弱増えるという大戦果に…じゃねえ俺らからすれば大敗北だ。


やっぱり生死の危機が訪れればやる気満々になってしまうのか。

生死の危機は精子の大チャンスであったのだ。なーんつって。


「くだらないことを考える暇が?」

「一切ありません」


やっぱゴキブリ並みの生命力を誇る人類を滅ぼすには…うーん。


「やっぱりまた隕石とかじゃないっすかね。アク○ズ落とすとか」

「もう何度も言ったけど、地球の環境が痛むからダメ」

「でもそんくらいやんないと無理っすよ…じゃあ宇宙人連れて来るとか。」

「うーん?」


俺の出した案はウイルスばら撒くだ。

きょ~れつなのをばら撒いたらどうかと思ったが、そういうのは案外死人が少ないんだって。

天然痘なんて昔は致死率50%くらいあったらしいし村が全滅したなんて話もよく聞くけど、強いのは対策が進んじゃってるからあんまりらしい。


という訳で弱毒化したモノをいっぱいばら撒く。

そうするとどうなるか。

答えはあんまり変わらなかった。

世界の人口は順調に増えている。うん、失敗だ。

次に天変地異である。


まあそういうのも一通り試した後だ。

俺が彼に無理を言って試した巨大隕石の墜落から大地震を伴う大規模な地殻変動のコンボは大変有効だった。

天は裂け地は枯れ、あらゆる生命体は絶滅したかに…まあそこまでは効果ない。

沿岸の都市が軒並み死んだくらいだ。


だが世界の人口の殆どは沿岸に偏っている。

おかげでイッパイ人口が減った。ドドーンと一気に30億くらい人口が減ったのだ。

んでそこからの飢餓や内戦でさらに減った。

ゲームでいう所のコンボ、あるいは連鎖、チェインである。

そこでドッカンドッカン人口が減ったが、戦争のおかげで残った地球の土地も大ダメージだ。

ナイスな戦火だと思った。だけど評価はいまいちだった。


隕石からの一連のコンボでは人間以外の生き物もいっぱい死んでしまったのだ。

地殻変動で海がドッカーンしたら陸の生き物がいっぱい死ぬが、意外と海の生き物もたくさん死んでしまった。汽水域の生き物も…おかげで人口は減ったけどこの手はもう駄目だって。


そんなこんなで次の手を決められないまま時は過ぎ、折角減らした人口はモリッと増えた。


「どうするの?」

「うーん、結局今の科学文明とかがある時点で駄目だと思うんですよね。どうにかして頭ぱっぱらぱーにしないと」

「成程?」

「そうすりゃ食料生産も産業革命前になると思うんすよ。そしたら…1億人?くらいになるから。もうそのくらいで勘弁して上げて欲しいな~って」

「うーん?でもあの頃から邪魔臭いなあとは思ってたんだよね。僕がせっかく作った生き物滅ぼしちゃったりさあ。同族同士で殺し合うのも限度があると思うんだ。そう思うでしょ?」


まあそうっすね。

と言ってしまいたいけどそう言えばじゃあ絶滅させろよって話になる。うーん。


「とりあえず頭ぱっぱらぱーになるウイルスかなんか作りましょ。そんで蚊とかに媒介させて。ヒト-ヒト感染ももちろんアリで。性感染症何かにしてもいいっすね。アホになるかエッチするかで悩むようになれば面白いかなって」

「なるほど…じゃあ…」






こうして俺の住む世界は出来上がった。

ここではみんながパンツも履かずに盛り散らしている。

世界の総人口はいくら残っているのだろう?少なくとも中世よりは少ないだろうな。


アホになるかエッチするかで悩むと言ったが、結果として悩まないやつだけが生き残る結果になった。正しくは悩まないやつとその子孫だけが、だ。


そうして人類はどんどんアホになり子作りだけが得意になった。

群れで生活していた人類はいつの間にやらオスがハーレムを作っては追い出されて死ぬという循環になった。そして残ったハーレムも知能が低すぎて稲作や畑作は厳しい。

狩猟とどんぐり拾いでどうにか食いつないでいるような状況だ。


いずれは近親交配の繰り返しで奇形が増え、さらに衰退の一途を辿るだろう。

俺は、俺はこの世界で病気を恐れ。

蚊取り線香だけを友に、一人で暮らしている。

このまま童貞のままで朽ちていくか、それともアホ軍団に混じって訳も分からぬまま楽しく暮らすか。

そこが目下最大の悩みである。



気晴らしに書いてみました。

いつもファンタジー的なのをポチポチしていますが偶にはこういうのもいいかなと。



タイトルの『A』に深い意味はありません。神?サイドから見たBがあってもいいかなと思っただけで、とりあえず書く予定も無いです。


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↑連載中でーす。

よろしくお願いしまーっす!

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