4/4
星
やがて、星々のあいだから微かな明かりが差し込み、
古びた温室の硝子片に小さな虹を刻んだ。
それは夜が壊れはじめた合図のようで、
私の胸の奥に、不意に痛みをもたらした。
「ふくろう、朝が来る」
からすはそう言いながらも、まだ私の手を放さなかった。
その掌の温もりは、夜よりも確かで、
それゆえに、朝というものの残酷さを思わせた。
私は知っていた。
昼の世界に戻れば、私はただの生徒であり、
教室の片隅で空を眺める影にすぎないことを。
けれど、ここでは違う。
ここでは、羽ばたく私と、笑うからすがいる。
硝子の割れ目から差す朝の光は、
二人の影をゆっくりと分けようとしていた。
私はそれに抗うように、彼女の胸に顔を埋め、
「鳥は檻に戻らない」と、彼女の言葉を心の奥で繰り返した。
光と影の境界で、
私たちの夢は、まだほどけずに揺れていた。




