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やがて、星々のあいだから微かな明かりが差し込み、

古びた温室の硝子片に小さな虹を刻んだ。

それは夜が壊れはじめた合図のようで、

私の胸の奥に、不意に痛みをもたらした。


「ふくろう、朝が来る」

からすはそう言いながらも、まだ私の手を放さなかった。

その掌の温もりは、夜よりも確かで、

それゆえに、朝というものの残酷さを思わせた。


私は知っていた。

昼の世界に戻れば、私はただの生徒であり、

教室の片隅で空を眺める影にすぎないことを。

けれど、ここでは違う。

ここでは、羽ばたく私と、笑うからすがいる。


硝子の割れ目から差す朝の光は、

二人の影をゆっくりと分けようとしていた。

私はそれに抗うように、彼女の胸に顔を埋め、

「鳥は檻に戻らない」と、彼女の言葉を心の奥で繰り返した。


光と影の境界で、

私たちの夢は、まだほどけずに揺れていた。

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