表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

からすと過ごす夜は、

ひとつの夢を二人で編むような時間へと変わっていった。


誰も訪れない古い温室の中、

ひび割れた硝子越しに月明かりが降り注ぐ。

私たちはその光を浴びながら、

まるで羽を透かし合うように、互いの影を重ねた。


「ふくろう、聞こえる?」

からすは囁く。

静かな夜気の奥から、

見たこともない旋律が立ちのぼってくる。

それは風でもなく、虫の声でもなく、

ただ二人の沈黙が奏でる調べだった。


その調べに導かれるように、私たちは踊った。

足音は落ち葉をかすめ、

羽音は宙にひそやかに響いた。

世界が音もなく回転し、

教室の白い光も、昼のざわめきも、

遠い夢のかけらに変わっていった。


「鳥は檻に戻らない」

からすは微笑んで、そう言った。

その言葉は誓いのように私の胸に刻まれ、

私は答えの代わりに、彼女の唇にそっと羽を触れさせた。


その瞬間、夜はただの夜ではなくなった。

空は深い海となり、

私たちはふたつの星となって漂った。

愛は言葉を超えて、

夢と現の境界をあざやかに溶かしていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ