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???神??殿?

 神殿は紅に染められていた。

 焔は舐めるように白一色の清らかな建物を包み込み、煤と灰に還していく。

 クスクスと、少年とも少女ともつかない妖しげな笑い声が残響を残す。

「ねぇ、にいさま……シンお兄さま」

「なんだい、エラ……可愛いエラ」

「もうあたしたちしかいませんわね……」

「そうだね、エラ……ぼくたちだけだ」

「みんなみんな、灰になってしまいました……」

「そうだね、ぼくたちが……燃やしてしまった」

 クスクス。クスクス。

「ゆきましょうか、にいさま……」

「そうだね、エラ……」

 華奢な人影が、神殿の焔の中に揺らめいた。

 鏡に手を添えて、その密やかな影は笑う。

「あら。見ているのは、だぁれ」

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