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転生したら棺桶でした  作者: 半間浦太
第二章:棺桶の就職
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28話:検証・錬金術師は最強なのか?


 ゲーマー的な言い方をすると、戦闘はおおよそ4つの要素で成り立っている。


 攻撃、回避、防御、逃走だ。


 イリシャが使う《ニューウェーバー》の攻撃キャンセラ効果は、これらの4要素の内、『攻撃』の要素を完全に封じてしまう反則じみた効果だ。敵に当たりさえすれば効果が発揮される。システムメッセージさんはこれをバグではなく『仕様』だと言っていた。バグではない。仕様だ。想定内の事象なのだ。となると、この世界の戦闘バランスは斜め上ながらもちゃんと調整されているものなのだと推測される。


 戦闘バランスの観点から物事を考えてみる。攻撃キャンセラの効果はどこまでが仕様なのか? 1回ヒットしたらその後も永続的に効果が持続するのか? 流石にそれは無いだろう。恐らく、1回ヒットしたら次の攻撃が1回キャンセルされる、という程度の効果で戦闘バランスが保たれているはずだ。そうでなければ『ずっと私のターン!』という理不尽な光景が跳梁跋扈し、錬金術師が最強ということになってしまう。


 しかし錬金術師は戦闘で最強か? ミゼルローン様の言葉を振り返ってみよう。

 ミゼルローン様は錬金術師になって造幣局で働けと言った。錬金術師になって戦闘で金を稼げとは一言も言っていない。察するに、錬金術師はこの世界では最強ではないのだ。


 錬金術師はチート職業ではないし、攻撃キャンセラ効果はチートでも何でもない。この世界では錬金術師は普通の職業で、攻撃キャンセラも普通の効果なのだ。


 イリシャがスピード特化型の攻撃スタイルを使って手数で攻めてくるのは、攻撃キャンセラ効果を連続的に発生させて、その効果を蓄積させるためだろう。しかしこの世界ではスタミナという概念がある。積極的に動けばスタミナは減る。イリシャは自身のスタミナを大量に消費することと引き換えに、攻撃キャンセラ効果を連続的に発生・蓄積させることで擬似的な『ずっと私のターン!』を維持しているのだ。つまり、イリシャのスタミナが切れれば攻撃キャンセラ効果は維持できなくなると推測される。


 次に、攻撃キャンセラ効果の発揮条件と消滅条件について考察する。僕が攻撃した瞬間に、攻撃キャンセラ効果が効果を発揮する。この時点で、僕の身に蓄積された攻撃キャンセラ効果が1回分消滅すると思われる。仮説を以下に記す。


・僕に攻撃キャンセラ効果が0回分蓄積していた場合、攻撃行動が0回キャンセルされる(=正常に攻撃行動が可能となる)。

・僕に攻撃キャンセラ効果が1回分蓄積していた場合、攻撃行動が1回分キャンセルされる。

・僕に攻撃キャンセラ効果が3回分蓄積していた場合、攻撃行動が3回分キャンセルされる。

・僕に攻撃キャンセラ効果が99回分蓄積していた場合、攻撃行動が99回分キャンセルされる。



 という具合に、蓄積された攻撃キャンセル効果の回数分、攻撃行動がキャンセルされるという仕組みなのではないだろうか。でなければ戦闘バランス的におかしい。



 これらの情報を整理すると、イリシャの戦法に対する解法が見えてきた。



 イリシャの攻撃を回避し続けた上で、僕はわざと弱攻撃を連発する。すると、僕に蓄積された攻撃キャンセラ効果が弱攻撃によって消費させられる。これを繰り返せば、最終的には、僕に蓄積された攻撃キャンセラ効果が自然消滅する。

 その後はイリシャに大ダメージを与えれば勝利できるだろう。


 しかし僕は重量系である。身長1メートル70センチぐらいのデカブツ人工闇竜・幼生体だ。棺桶まで背負っている。回避しながら弱攻撃を繰り出して攻撃キャンセラの蓄積を解消するという戦法は取れない。



 次に、逃走というアプローチを検討してみる。一度決闘から逃走して、戦力を立て直してから再度決闘に挑むという手段だ。

 しかし、尻尾を使って決闘領域デュエルフィールドの境界面に触ってみたところ、不思議な弾力で弾かれてしまった。恐らくは、決闘最中は逃走できない仕様になっているのだろう。こうなると逃走というアプローチは実現不可能となる。



 となると、最後の手段として、『防御し続ける』という選択肢しかない。



 防御し続けると言うと非常に地味だが、方法は無数にある。



 1つは、両腕をクロスさせて防御姿勢に移行し、耐えて耐えて耐えまくるという方法だ。防御姿勢に移行してしまえば、理論上はダメージ量は減るはずだ。よって、HPの減りも穏やかになり、長時間の戦闘が可能になる。最終形態顕現までの時間が稼げる。


 1つは、何らかのスキルを使ってダメージや効果を《反射》させる方法だ。ゲームで例えるなら、 《真・多神転生》に出てくる小太りの悪魔こと《ギリメカテン》みたいなやり方だ。うっかりAUTOで攻撃した主人公チームの攻撃を全て反射してパトらせる系である。あいつはデフォで物理反射を搭載しているからいいよなー。羨ましい。

 ギリメカテンのことはさておき、流石に攻撃キャンセラと言えど《反射》までは防げないだろう……多分。攻撃キャンセラ効果を反射できれば手っ取り早く決闘を終了できるのだが、生憎と今の僕は反射系スキルを持っていない。そもそも反射系スキルが実在するのかどうかが疑わしい。いや、待て。星剣《牡牛座タウラス》はどういう理屈か敵の攻撃を反射できた。あれの原理が分かれば《発想》できる気がする。



 その他にも色々な防御方法があるが、今は耐えることを優先するべきだろう――



 とすとすとすー☆


「ほらほら、さっさとハラペコなりーって宣言しなさい!」



 ――というような想像を、僕はイリシャの攻撃を食らいながら巡らせるのだった。




 ああ、それにしても腹が減った。

 両腕でクロスして防御しているだけではマズイ。確かに防御していればダメージは減るが、何らかの手段で攻撃を回避しないと空腹のあまり倒れそうだ。

 ではどうするべきか? ここで着目すべきは、満腹度が減ってもMPゲージやスタミナゲージが減らないという点だろう。つまり、スキルを使えるのだ。



 好都合にも相手は連続攻撃を仕掛けてきている。僕はリスタルサーク2本を構え直し、《受け流しLV4》をオンに切り替えた。


 相手が連続攻撃してくるなら、《受け流し》の熟練度上げにピッタリだ。


 いいぞ、もっと来い! エルフっ娘の攻撃を利用して、《受け流し》の熟練度を上げてやる! 逆境の中にこそ活路は見出せるのだ!




 ピコン。

 ピコン。

 ピコン。


『《ゲーマー魂覚醒LV1》が《ゲーマー魂覚醒LV2》になりました』


『《ゲーマー魂覚醒LV2》が発動しました』


錬金騎士れんきんきし詩文ルート最終形態ファイナルフォーム顕現まで、残り60秒』




●ステータス(本来)

名前:カーン・オケ

本名:佐藤孝一

LV:1

種族:人工闇竜・幼生体

職業:無職

称号:人殺し、忍耐の精神、守護の精神、巨乳美女を警戒する、古代兵器級

隠し称号:神帝から観察されている

スキル:存在同化領域、自動翻訳、情報把握・強、火属性耐性、地属性耐性、味見、素材発見LV2、素材採取LV1、毒耐性、休憩LV1、傲慢LV2、同化存在解放、剣化、甲殻虫の飛翔、晶化斬、潜伏LV1、炎破、受け流しLV4、二刀流、熟練度把握、発想値把握、闘気制御、生物知識・基礎、ゲーマー魂覚醒LV2(NEW!)、未来集約

存在ストック:リスタルサーク、リスタルサーク

存在ストック上限:2/8

パーティ:フェリスのパーティに所属

隠し効果付与:神帝の観察



  スキル      発想値

『《スキル交換》  50/100』

『《スキル譲渡》  50/100』

『《???》   ???/100』

『《無限???》 25/100』


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