27話:β版の野蛮な文明は全て消し去ってみせる!!
うがああああああああああああああああああ!?
頭が痛い! 痛いよぉ! 《未来集約》を発動したら、いきなり膨大な知識を詰め込まれて、生後2日目の人工闇竜は苦しんでます!! マジで!!
ハァハァ、ようやく頭痛が収まった。
う、うむ。
何となく分かったぞ。
ズバリ、《未来集約》とは並行世界の僕が辿る未来を現在に引っ張ってくるスキルだ!
より詳細な説明をすると、《未来集約》とは、未来の並行世界の終焉に達した領域――通称《未来地平》に存在する自分の力を借りるスキルだ。しかし《未来集約》を使っても、未来地平の自分が保有する知識が勝手にインストールされるわけではない。
知識は検索しなければならないのだ!
未来地平には莫大な未来が集積されている。
蓄積された知識は最早僕一人の身には収まりきれない。無理に知識をインストールしてしまえば、僕は 爆 ☆ 散 してしまうだろう!!
なので未来地平に知識を置いておき、必要に応じて未来地平にアクセスして知識を検索・閲覧して下さいという状態になっている。
まあ、アレだ。
人の人生を本に例えたとしよう。
通常、人は人生という本を1ページ目からしか読むことができない。1ページ目はこの世に生れ落ちた瞬間であり、ラストページはこの世からグッバイする瞬間だ。
しかし、《未来集約》を使うと、好きなページから読めるようになるのだ。
途中から本を読めるようになるし、ラストページから読むことも可能。検索だって可能。便利バンザイ。
しかし、自分の人生がミステリー系でしかも他人に自分が殺されてラストに犯人が分かるタイプの話だった場合、人生をつまらなくすること間違いなしだろう。
まさに両刃の剣だ。使用には注意が必要となる。
などという割とどうでもいいチュートリアルを一瞬の内に完了した僕は、錬金騎士詩文最終形態の力を借りることにした。
目の前のイリシャは錬金騎士を目指しているようだ。なのでイリシャが目指す錬金騎士の最終形態を顕現させて彼我の実力差を誇示し、この小娘に恐怖と憧憬を与え、二度と決闘などという野蛮な文明を突き付けないように躾ける必要がある。
なぜそんな真似をする必要があるのかって? さっさとこの世界を改良してβ版から脱出させるためだよ!! そのためにはβ版の野蛮な文明は全て消し去り、β版の住民にはβ版の価値など無かったと知らしめる必要があるのだ!! そして僕はシステムメッセージさんと結婚する!! 最高に完璧な作戦だ!!
おらぁぁぁぁぁぁぁ!! 錬金騎士詩文最終形態顕現ー!!!
ピコン。
『錬金騎士詩文最終形態顕現まで、残り120秒』
120秒!?
そういえば、クラッツバインと戦った時も視界の片隅にこんなメッセージが表示されていたような気がする。あまりにも忙しすぎてスルーしてしまったが、今ならその意味が分かる! 確か、クラッツバインと戦った時は顕現まで180秒で、今回は120秒! 60秒短縮されている理由は――
ハッ!? そうか! 進化すると顕現までに要する時間が短縮されるのか!
《未来集約》は、僕の最終進化形態を無理やり現在に引っ張ってきている。本来の僕が進化すれば、その分、本来の僕が最終進化形態に近づくのだ。
何ということはない。本来の僕が進化すれば、最終進化形態を引っ張ってくるまでの時間が短縮される。進化とは時間の短縮だったのだ!
わかったぞ、わかったぞ、わかったぞ!
すーはーすーはー。落ち着け、僕。
120秒後の勝利は約束されている。問題は、この120秒をどう潜り抜けるかだ。
決闘相手は《攻撃キャンセラ》持ちのエルフっ娘だ。ダメージを捨てたスピード重視の戦闘スタイル。
さて、最終形態顕現までの時間をどうやって乗り切ったものか。
●ステータス(本来)
名前:カーン・オケ
本名:佐藤孝一
LV:1
種族:人工闇竜・幼生体
職業:無職
称号:人殺し、忍耐の精神、守護の精神、巨乳美女を警戒する、古代兵器級
隠し称号:神帝から観察されている
スキル:存在同化領域、自動翻訳、情報把握・強、火属性耐性、地属性耐性、味見、素材発見LV2、素材採取LV1、毒耐性、休憩LV1、傲慢LV2、同化存在解放、剣化、甲殻虫の飛翔、晶化斬、潜伏LV1、炎破、受け流しLV4、二刀流、熟練度把握、発想値把握、闘気制御、生物知識・基礎、ゲーマー魂覚醒LV1、未来集約(NEW!)
存在ストック:リスタルサーク、リスタルサーク
存在ストック上限:2/8
パーティ:フェリスのパーティに所属
隠し効果付与:神帝の観察
スキル 発想値
『《スキル交換》 50/100』
『《スキル譲渡》 50/100』
『《???》 ???/100』
『《無限???》 25/100』




